2021年1級建築施工管理技士第一次検定を振り返る(レビュー)

さて令和3年の6月13日(日曜日)にコロナ禍ではありますが、当初の予定通り1級建築施工管理技士の第一次検定が実施されました。(同日は1・2級建築・電気が実施された)

今年の資格試験の大きなポイントは、新たな試験制度への変更に伴う新分野の問題でした。

 

どんな問題が出るの?問題数は?

事前に試験実施団体から出題される施工管理法の応用能力問題について、具体的な情報(どんな問題?)が提示される事はなかったので不安感を持ちながら試験に臨んだ方も多かったように思います。

この初めての第一次検定は本年度(令和4年)第一次検定への重要な情報源です。今回は今後のためにまとめておきたいと思います。

本記事のポイント

・今年の出題形式はどうだったか?
(去年との比較)
・合格基準の確認
・第二次検定はどうなる?

2021年 第一次検定試験問題

既に過去問の記事にも貼っていますが、こちらにも置いておきましょう。

 

出題構成

2021年と2020年の比較

では令和3年の第一次検定令和2年までの学科試験の比較で、どう出題構成が変わったかを確認してみましょう


ポイントをまとめてみました。

・採点の対象となる問題解答数は60問  → 例年と変わらなかった
・出題された問題数は72問       → 令和2年まで82問だった。
・施工管理法の応用能力問題は6問     → この分野で60%以上の正答が必要。

出題問題数が10問減った

大きなポイントは上記の通り3つ。
まず出題された問題は10問減りました。
  • 躯体工事  令和2年まで 13問出題されて5問の解答  令和3年 10問出題から7問の解答
  • 仕上げ工事 令和2年まで 12問出題されて5問の解答  令和3年 9問出題から7問の解答
この施工関連の出題については、昨年から選べる範囲(選択範囲)が減った分正解確率も減る可能性が高いです。
現実問題として13問から5問選択する方が楽ですよね。(苦手な工種の取捨選択が可能ですから)
昨年の受検者は、突然のこの変更に対して躯体工事仕上げ工事の勉強範囲を絞って対策をしていたならば、本試験は大変だったと思われます。
そういった観点においても令和4年以降はこの躯体工事・仕上げ工事もよりきっちりと取り組まなければなりませんね。
⇒当サイトでは、躯体・仕上げの知識は第二次検定の記述にも直結するので、以前より第一次検定対策でもしっかり取り組むことを推奨しています。

施工管理法の応用能力問題は6問のみ

私は以前の記事で10問〜15問と予測していました。(15問は流石に多いだろうと思いましたが)

この施工管理法の応用能力問題で60%以上の正答が出来ないと、他の全体で60%以上あっても不合格だと発表されていました

例えば7問出題されて、60%だと4.2問とかそんな中途半端なことにはならんだろうという安易な発想でした。

10問だったら60%で6問、5問ならば3問正解の方がシンプルだと思ったのですが、さすがに5問は少ないかなと思ったのです。

 

しかし出題数は6問でした。

6問×60%=3.6問 つまりは4問正解が必要。
そしてこの問題は五肢二択形式になっていて、2択のうち1つでも間違っていると0点(つまり不正解)です。
厳しいですよね。そして問題の難易度も第一次検定の他の問題と比べて、少し難しいものとなっています。
そしてこの『施工管理法の応用能力問題』は
・施工(躯体工事) ×3問
・施工(仕上げ工事)×3問

から出題されました。

従来からの大きな変化は、

・躯体及び仕上げ工事で10問   ⇒ 14問+施工管理法応用問題6問=20問
・施工管理法 20問       ⇒ 10問
と大きく変わりました。
この施工管理法の応用能力問題は下記記事も参照頂きたいのですが、基本的には施工の躯体及び仕上げ工事に関する問題でした。

合格基準

先ほども繰り返し書いている合格基準は国土交通省より発表されているものです。
1級建築施工管理技士の場合、(下記の基準以上
・第一次検定(全体)     得点が 60%
(施工管理法(応用能力))  得点が 60%
・第二次検定         得点が 60%
ただし、
級及び第一次検定、第二次検定の別に応じて、次の基準以上の者を合格とするが、試験の実施状況等を踏まえ、変更する可能性がある。

と書かれており、正答率60%が見直される可能性もゼロではありません。(過大な期待は禁物ですよ)

 

ちなみに上記のリンクを見て頂ければわかるのですが、施工管理法の応用能力問題の正答率ですが、

・建築 60%
・土木 60%
・管工事 50%
・電気 50%
・造園 50%
・電気通信 40%
と技術検定の種類により、合格に必要な正答率が異なります。建築と土木は厳しいですね。

令和3年の実際の合格基準は??

⇒その後令和3年度の第一次検定の合格基準は、
60問中36問以上正解(応用能力:6問中3問正解
国土交通省発表
と発表されました。
これは、
  1. 6割以上の正答率は3.6問だが四捨五入で切り下げたのか?
  2. 4問以上の正答で合格の予定だったが基準を満たすものが少なく、本年度に限り基準を切り下げたのか?
基準はあくまでも60%以上と設定されているので、②が正しいのではと推測しておきましょう。
基本は6問中4問以上の正答を目指した取り組みが必要なのは間違いないでしょう。

不合格となった場合は成績の通知がある

そしてこの検定に不合格となった場合は、不合格通知書で成績を通知してくれます。

全体の得点が合格基準未満の場合(全体で60%以下)

第一次検定(一級、二級とも) ○○問 正解

・一級の第一次検定において、全体の得点が合格基準以上で、かつ施工管理法(応用能力)の 得点が合格基準未満の場合

第一次検定(一級) ○○問 正解
(施工管理法(応用能力)の得点が合格基準未満のため不合格)

他の問題でかなりの高得点が確保できて、この応用能力問題で不合格になるのはかなり落ち込みますね。

第二次検定はどうなる?

さて第二次検定は従来の実地試験問題の内容に加えて、 

監理技術者として、建築一式工事の施工の管理を 適確に行うために必要な知識を有すること。

を求める、施工管理法の知識問題が出題されます。

これは従来の学科試験の施工管理法の問題とほぼ同じで、五肢一択の形式になります。

 

今回の第一次検定のこの出題内容を勘案すると、今年の第二次検定は、

・施工管理法の知識問題は6問前後?(6点前後)⇒4問か6問か8問
・例年の問題3、問題4を少し減らして上記点数を移行する。
と昨年の第一次検定後は予想していましたが、まあ予想なんて外れますね(笑)
令和3年の場合で言うと、
仕上げ工事の問題(※令和4年は躯体工事になる公算が高い)
建築法規の問題
記述問題が五肢一択の選択式に変更になっただけでしたね。
よって試験対策は従来通りと変わりませんね。

独学向け及び企業向けサポート記事

本年度(令和4年)の第一次検定独学で取り組みたい方向けの間違いのないテキスト選びをしたい方はこちら。

令和4年(2022年)失敗しない1級建築施工管理技士 第一次検定対策のテキスト選び
テキストのみでの取り組みは不安、ビジュアルや耳を活用して取り組みたい方はこちら

 

企業内に資格者が増えると労務の改善、人材育成にもつながります。

 

まとめ

昨年の受検者の方皆様お疲れ様でした。

この試験に合格すると、1級建築施工管理技士補の資格となれる初年度の試験制度で、資格に合格した際のベネフィットは大きいものの、初年度の新たな試験制度への挑戦は、大変だったと思います。

 

令和4年度受検者は、まだ昨年の情報しかありませんが、従来通りの対策を行いながら、『施工管理法の応用問題』対策として、躯体工事及び仕上げ工事に関する知識をよりしっかり学んでおく必要があります。

 

本年度も引き続き、もっと良い情報を提供していけるよう取り組んでいきますので、役立てて頂けると嬉しいです。

twitterやLineでもこの記事で書ききれない細やかな情報を書いているので、そちらのフォローもよろしくお願いします。

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