1級建築施工管理技士 第一次検定対策(施工管理法の応用問題)ー後編

前回の記事では、を級建築施工管理技士の第一次検定対策として『施工管理法の応用能力問題』の主に躯体工事の問題を取り上げました。

今回は、昨年出題された6問のうち3問の仕上げ工事について取り上げたいと思います。
この『施工管理法の応用問題』自体は、過去問としては1年分の計6問しかありません。
ただし、どういった問題が出題されているの?という事を理解しておくことで、自分の試験対策への反映が可能です。
是非意識して取り組んで頂きたい部分です。
前回も書いた通り、この『施工管理法の応用能力問題』の6問で合格基準に達しないと、他の問題が100%出来ても資格試験としては不合格です。
合格へのヒントを得て頂きたいと思います。

施工管理法の応用能力の問題(仕上げ工事)への取組み

昨年の過去問題を見る限り、出題されるのは、

・躯体工事(改修含む) 3問
・仕上げ工事(改修含む)3問
の構成が今年も続くのではないかと思います。(保証は出来ませんが)
これは令和2年までの学科試験の過去問で言うところの、
・問題21~33の躯体工事
・問題34~45の仕上げ工事
この範疇の中の問題で、四肢一択⇒五肢二択になっているところです。
昨年の仕上げ工事だと、
  1. 防水工事(屋根保護アスファルト防水工事)
  2. 建具工事(鋼製建具工事)
  3. 内装改修工事(既存床仕上げ材の撤去及び下地処理)

でした。なので本年度以降は、上記以外にもタイル工事やガラス工事、内装工事など様々な範囲からの出題が想定されます。

では、昨年の出題のチェックです。

令和3年の出題(仕上げ工事)

防水工事

No.58 屋根保護アスファルト防水工事に関する記述として,不適当なものを2つ選べ
  1. コンクリート下地のアスファルトプライマーの使用量は,0.2 kg/m2 とした。
  2. 出隅及び入隅は,平場部のルーフィング類の張付けに先立ち,幅150mm のストレッチルーフィングを増張りした。
  3. 立ち上がり部のアスファルトルーフィング類を張り付けた後,平場部のルーフィング類を150mm 張り重ねた。
  4. 保護コンクリート内の溶接金網は,線径 6.0 m、網目寸法 100 mmのものを敷設した。
  5. 保護コンクリートの伸縮調整目地は,パラペット周辺などの立上り際より600 mm 離した位置から割り付けた。
解答・解説
(解答)2,3
(解説)過去問に同様に出題されているのは3問です。その3問から正答は導き出せます
①コンクリート下地の際のアスファルトプライマー使用量は0.2kg/㎡です。(ALC下地は0.4kg/㎡)
(平成27年)出隅及び入隅は,平場部のルーフィング類の張付けに先立ち,幅150mm のストレッチルーフィングを増張りした。
⇒正解は、『幅300mmのストレッチルーフィングを増張りした。』
(平成29年)平場部のアスファルトルーフィング類の重ね幅は、縦横とも100mm程度とする。
⇒150mmではなく100㎜が正しい。
(平成27年)保護コンクリート内に線径 6.0 mm網、網目寸法 100 mmの溶接金網を敷設した
⑤平場の屋根防水保護層は、伸縮調整目地を設ける。伸縮調整目地の割付けは、周辺の立上り部の仕上り面から600mm程度とし、中間部は縦横間隔3,000mm 程度とする。※公共工事建築標準仕様書より

 

建具工事

No.59  鋼製建具工事に関する記述として,不適当なものを2 つ選べ
  1. 内部建具の両面フラッシュ戸の見込み部は,上下部を除いた 2方を表面板で包んだ。
  2. 外部建具の両面フラッシュ戸の表面板は,厚さを 0.6 mm とした。
  3. 両面フラッシュ戸の組立てにおいて,中骨は厚さを l.6 mm とし,間隔を300 mm とした。
  4. ステンレス鋼板製のくつずりは,表面仕上げをヘアラインと し,厚さを1.5 mm とした。
  5. 枠及び戸の取付け精度は、ねじれ,反り,はらみともそれぞれ許容差を,4 mm 以内とした。
解答・解説
(解答)2,5
(解説)過去問から4問出題されています。(但し⑤は平成25年と少し古い)
①内部に面する戸は、上下部を除き二方の見込み部を表面板で包む。(二方曲げ)
外部に面する戸は、下部を除き三方の見込み部を表面板で包む。 (三方曲げ)
※建築工事監理指針より
(令和元年)外部に面する両面フラッシュ戸の表面板は、鋼板製のものを用い、厚さを0.6mmとした。
正解は、『表面板は厚さ1.6mmとする』が正しいです。0.6mmは薄いですね(笑)
(平成29年)鋼製軽量建具に使用する戸の力骨は、厚さ1.6mmとした。
(令和元年)ステンレス鋼板製くつずりは、表面仕上げをヘアラインとし、厚さを1.5mmとした。
(平成25年)枠及び戸の取付け精度は,  ねじれ,  反り,  はらみともそれぞれ許容差を 2 mm 以内とした。
⇒許容差2㎜が正しいです。

 

内装改修工事

No.60 内装改修工事における既存床仕上げ材の撤去及び下地処理に関する記述 として,不適当なものを2 つ選べ
ただし,除去する資材は,アスベストを含 まないものとする。
  1. ビニル床シートは,ダイヤモンドカッターで切断し,スクレーパーを用いて撤去 した。
  2. 磁器質床タイルは,目地をダイヤモンドカッターで縁切りし,電動斫り器具を用いて撤去した。
  3. モルタル塗り下地面の既存合成樹脂塗床材の撤去は,下地モルタルを残し ,電動研り器具を用いて下地モルタルの表面から塗床材のみを削り取った。
  4. 既存合成樹脂塗床面の上に同じ塗床材を塗り重ねるため,接着性を高めるよう,既存仕上げ材の表面を目荒しした 。
  5. 新規仕上げが合成樹脂塗床のため,既存床材撤去後の下地コンクリート面の凹凸部は,エポキシ樹脂モルタルで補修した。
解答・解説
(解答)1,3
(解説)内装改修工事については、全て過去問で出されている内容ばかりです。確実に得点確保したいですね。
①(令和元年)ビニル床シートは,ダイヤモンドカッターで切断し,スクレーパーを用いて撤去 した。
⇒正解は、『ビニル床シート、ビニル床タイル、ゴム床タイル等の除去は、カッター等で切断し、スクレーパー等により他の仕上材に損傷を与えないよう行う。』
公共建築改修工事標準仕様書より
②(令和元年)磁器質床タイルは,目地をダイヤモンドカッターで縁切りし,電動はつり器具を用いて撤去した
③(平成29年)モルタル塗り下地面の既存合成樹脂塗床材の撤去は,下地モルタルを残し ,電動研り器具を用いて下地モルタルの表面から塗床材のみを削り取った。
⇒正解は、『除去範囲は、下地がモルタル塗りの場合はモルタル下地共コンクリート下地の場合はコンクリート表面から3mm程度とする。』
モルタル下地を残してはダメですね。 ※公共建築改修工事標準仕様書より
④(平成29年)既存合成樹脂塗床面の上に同じ塗床材を塗り重ねるので,接着性を高めるため,既存仕上げ材の表面を目荒しした
⑤(平成29年)既存床材撤去後の下地コンクリート面において,凸凹部の補修はエポキシ樹脂モルタルで行った。

まとめ

以上、2回に渡り計6問を取り上げました。

昨年のこの問題よりわかることは、下記の通り。

  1. 問題の各選択肢は躯体工事・仕上げ工事の過去問で出題履歴のあるものが多い。
  2. 上記の選択肢及び消去法から、正答は導き出せる。
  3. 躯体及び仕上げの用語・数値は正確に記憶しておく必要がある。
  4. 市販されている過去問集の多くは6年~8年だが、躯体工事及び仕上げ工事は10年分の取組みが望ましい。

令和3年の第一次検定の合格率は例年と比べて低め(36.0%)でした。

令和2年までの学科試験は、

・躯体工事は13問の出題のうち5問解答すれば良い。
・仕上げ工事は12問の出題のうち5問解答すれば良い。
つまりは、この分野については、苦手分野の工種は捨てても大きな影響はありませんでした。
ところが令和3年は、
・躯体工事は10問出題のうち7問解答
・仕上げ工事は9問出題のうち7問解答
・施工管理法の応用問題(躯体・仕上げ)は6問出題に対してすべて解答
この分野を少し軽視した勉強の取組みにより、厳しい結果になった方もいるでしょうね。

 

令和4年度受検者はこの客観的なデータに基づき、勉強の重点分野を明確にしておくと良いと思います。

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