令和4年 1級建築施工管理技士の第一次検定までもう1か月です。あっという間ですね。
皆さん試験準備の方は如何でしょうか。
もうほぼ仕上がっており、後は過去問をやるだけという方はこの記事を読む必要はありませんね。
これからテキストを購入しようかなと思う方はぜひ読んでください。(笑)
昨年は資格制度が少し変わった事により、第一次検定と第二次検定という名称での初めての試験、その対応及び準備に少しストレスを感じた方も多いでしょう。
実際に合格率も例年と比べて低めでした。今年は2年目を迎えるので、昨年より対策を打ちやすくなったのも事実ですが、その対策のための勉強は十分に行う必要があります。
今回は市販のテキスト・過去問集などを活用して独学でこの第一次検定を合格したいと考えている方向けにまとめております。
※令和4年の第二次検定対策におすすめのテキスト・過去問集の記事はこちらです。
テキストはどんなタイプ・種類のものがあるか
令和3年の第一次検定の受検者は22,277名、コロナ前の令和元年までは毎年25,000人前後の受検者のいる試験です。
この規模感の技術検定なので、テキスト・参考書はある程度揃っています。
但し、都内の大型書店(例えば丸善など)であれば、多くの本を見比べながら自分に合ったテキスト選びが可能ですが、例えば私の近所にある中堅規模以上の本屋さんであっても、置いてある本の種類は限定されており選択肢がとても限られています。
その場合、amazonや楽天booksなどのネット購入をせざるを得ないのですが、最低限どういった本なのかというのは知った上で購入した方が失敗の確率は減らせます。
(資格本は決して安くはないですからね)
という事で、ある程度書籍を類型化した上でまとめておきたいと思います。(レビューにあたり多くの本は購入しています)
② 過去問題を出題分野毎ごとに編集され、詳細な解説がされているテキスト
③ 過去問題を出題分野毎に編集しているが、全てではなくある程度傾向と対策を絞っているテキスト
④ 過去に出題された分野・問題傾向に基づき、要点をまとめた参考書的テキスト
⑤ まさに建築施工管理技士に必要と思われる知識などをまとめた参考書
- ある程度基本知識がある、もしくは基本知識習得後に反復用(最後の仕上げ)として取り組む問題集。
- 分野毎に基本知識を習得しながら、過去問を反復して取り組む。
- もう第一次検定の対策はできているが、チェック用に。
- 独学での知識補足用の参考書を持っておく。(必要に応じて読み込む)
過去問を中心に編集されているテキスト・問題集
過去問を年度順に進めていくテキスト-地域開発研究所
令和4年度(2022年)版が最近発売された、地域開発研究所の第一次検定対策本です。
・問題は令和3年から年次毎かつ問題順に編集されており、1問ごとに解答・解説がついている。
・書籍はオールモノクロになっている。
・解説は比較的シンプルだがわかりやすくはまとまっている。
この地域開発研究所のテキストは良書だと思います。但し、限りなく初学で、一から多くのものを学んでいこうと考えている方には不向きです。
試験の要綱と問題毎の解説も要点のみがまとまっており詳細な解説はありません。
例えば既製コンクリート杭、鉄筋工事について体系的かつ集中的にに学びたい、という勉強には不向きです。
- ある程度、施工全般の基本知識を持っている。
- 各専門領域の内容全般について、解説を読めばある程度理解できる。
- バランスよく学びたい。
という方向けですね。年次順に淡々と取り組む感じです。
過去に2級建築施工管理技士や建築士などの試験を経験して知識ベースのある方、ゼネコン勤務でほぼ広範な知識があるよ、という方にはシンプルにまとまっており良いとは思います。
過去問を分野毎に編集されたテキスト-GET研究所
・問題は出題分野毎に編集されており、1問毎に詳しい解説がついている。
・書籍はモノクロだが、絵図付きの解説が多く丁寧でわかりやすく説明している。
- 合格直結!短期集中ターゲット学習~ガイダンス(勉強方法等)及び重要項目まとめ
- 6分野毎に編集(建築技術・躯体工事・仕上げ工事・施工管理・施工管理法応用能力・建築法規)
~上記6分野を8年の出題傾向・問題解説・重要項目がそれぞれまとまっている。 - 1次実力判定模試付き
過去問を解きながら知識をインプットし、その後重要項目で知識の整理が可能になっています。
- ガイダンス付きで勉強の進め方を最初に書いてくれている。
- 完全合格ポイントで知っておくべき知識をわかりやすくまとめている。
- 分野毎の最後に重点項目集が用意され、必要な部分を体系的にも学べる。
- 施工管理法の応用能力問題対策にもページが十分に割かれている。⇒これ、大きなポイントですね。
- 実力判定模試付き(〇×式)
- テキストを補足するための無料動画が見れる。(youtube)
市販されているテキストとしては、単純に過去問のみではなく全体的な網羅性が高いと思います。
全てを吸収するつもりで学んでも良いし、苦手な分野を集中的にも学べる部分のポイントは大きいと言って良いでしょう。
ある程度勉強量が必要な初学者は、このテキストが良いと思います。
試験まで残り1か月でも、十分このテキストなら総合的に学べると思います。
※当サイトからもこの書籍が一番売れています。
隙間時間を活用できるテキスト-日建学院(分野別編集)
次は日建学院の一次対策学科問題解説集。こちらは2冊構成となっており、
② 施工管理法・法規
こちらの書籍のポイントは、
・問題は出題分野別に編集されており、1問題1ページで問題及び解説付きとなっている。
(平成3年の過去問のみ②の巻末に問題順に収録されている)
・本は黒赤の2色刷りで見やすく、解説もそこそこ丁寧である。
問題としては合計7年分が網羅され、6年分の問題で演習を繰り返し行い理解を深めながら、2巻目の巻末に昨年度(令和3年)の問題がテスト形式で収録されているので、最後にレベルチェック(仕上げ)する勉強の進め方が可能になっています。
このテキストは最後の仕上げに使うのにぴったり。通勤時間やその他の移動時間、隙間時間を活用して何度も反復するのにちょうど良いです。私は受検時には仕上げ用に主に通勤時間を活用してこのテキストにお世話になりました。(当時は1冊構成)
携帯性に優れているのがポイントですね。(毎回2冊携帯する必要は当然ありません)
逆に言うと、これをベースに一から勉強するには向いていませんね。
過去問を分野毎に進めていくテキスト-総合資格
2月3日に発売された比較的新しい書籍です。
総合資格学院が出している第一次検定問題集は、昨年のものと編集方法が変わりました。
今までは日建学院と同様に出題分野毎に過去問が網羅され、問題が出されその下は解答・解説となっていましたが、
令和4年度版より、出題分野毎に問題が出されるのは従来通りでしたが、解答・解説が本の後半にまとめられ取り外し可能な別冊形式に変わりました。
2級建築施工の書籍は以前よりその編集方式だったので、仕様を統一したのでしょうか。
1問1答式で進めていくか、巻末に解説がまとまっている方が良いかは個人の好み・勉強の進め方で選ぶと良いと思います。
・問題は出題分野別に編集されている。⇒解答・解説は別冊形式になっている。(本年度より)
⇒但し令和3年の問題のみ、最後に試験形式で問題順にまとめてある。・問題はモノクロ、解説・解答は黒青の2色刷りとなっている。
・役立つ読者プレゼント「実力確認模試」を応募者全員進呈!
⇒実際に購入したので申し込んでみます。
と言ったところでしょうか。
いつでも携帯しながら、仕上げチェック用としては日建学院、総合資格どちらもで好みの方を選ぶと良いでしょう。
個人的に思うのですが、日建学院と総合資格の主体は専門学校です。
詳細な講義は学校で学び、その仕上げとしてこの過去問集がある感じですね。(もしくは学校のPR機能として)
購入者が所定のハガキ、インターネットから申し込むと、
・上記の解答・解説書
が漏れなくもらえます。
これは、令和3年と同様の形式での模擬試験となっているので、直前対策としては良いと思います。
但し、総合資格から専門学校に通いませんか?という営業がかかるかもしれませんが(笑)
過去問と要点テキストとセットで販売されているシリーズ
基本テキストと過去問ともカラーでとても見やすいTAC出版
たまたま本屋さんで見つけたのですが、カラー刷りで見やすいと感じたのがこちらのTACのテキストです。
過去問と参考書的に補足できる基本テキストとセットで購入すると良いでしょう。
⇒令和2年~平成27年の問題は出題分野毎に編集されており、問題の後に解説がついている。
・令和3年のみ巻末にまとまって出題されている。
⇒但し模擬試験形式ではなく、あくまでも一問一答形式ではある。
・カラー刷りで見やすい。
・基本テキストもかなり絵や図が多くかつカラー刷りでとても初学者にもわかりやすくまとまっている。
他とは一線を画す内容の濃い要点テキストと過去問集 市ヶ谷出版社
⇒最初に例題がいくつか用意され、その後に必修基本問題が用意されている。
⇒過去〇年分の出題をすべて編集するのではなく、平成25年以前の問題もあったり、類似問題は省かれたりと必要な部分を編集している感じだと思う。
・要点テキストが用意されていることもあり、解説は比較的シンプルである。
・要点テキストは出題分野毎にかなり詳しく参考書的に活用が可能な書籍である。
・本は共にモノクロである。
・2つのテキストの巻末は施工管理法の応用能力問題が20問用意されている。(内容は同じ)
⇒ネットワークやバーチャートの工程が出題されており、参考程度にとどめておくと良いだろう。
・要点テキストに令和3年の問題が模擬試験形式に用意されている。
要点をまとめたテキスト
要点ポイントがまとまっているので、他出版の過去問とセットで取り組む秀和システムの本
※1月21日追記
Kindleと実書籍が用意されています。
書籍名が『選択対策と過去問題』とありますが、要点テキスト集という感じですね。
・2色のカラー刷りで見やすい。
・巻末に昨年度(令和3年)の問題とが解答が掲載されている。(解説はない)
過去問の取組みを補足するための参考書・書籍
参考書として補助的な読本として-地域開発研究所
独学で行う場合、過去問題集のテキストだけでは少々不安という場合の調べ物の本としてはこの地域開発研究所のものが有名ですね。
1級・2級に関する技術・施工系と法規の2冊構成となっています。
過去問の内容だけでは知識が細切れで不安な部分は、この本で該当する部分を読み込んでみましょう。
私が1級建築施工管理技士の初受検の際に、同僚からこのテキストを譲り受けました。
しかし当時ほぼ知識レベルがど素人レベルの私には、このテキストを活用するには難しすぎでした。
全てを読み込むよりも、知りたい部分のみをピックアップして学ぶのが良いでしょう。
また第二次検定対策に必要な部分が網羅されているので、ある程度知識が習得できれば活用できるテキストかと思います。
施工管理者として持っておきたい参考書-建築工事監理指針
またもっと詳しい情報が必要な方は、建築工事監理指針(上・下)も良いと思います。
こちらは第二次検定対策で、施工上の留意事項を記述するのに必要な知識が得られますし、施工管理用にも役に立ちます。(工事監理者用ですが)
今後、建設業で仕事をしていくなら持っておいて良いでしょう。
通信講座という選択肢
資格取得を進めていくうえで、最大のハードルはおそらく自分との闘い、そう勉強の継続です。
資格取得に関して独学での勉強をやり切る自信のない方は、コストはかかりますが、専門学校が安全です(笑)
問題集やテキストを購入してみたものの、ちんぷんかんぷんで全く理解出来ない場合は、作戦の変更が必要です。
最悪第一次検定だけならば、それでも乗り切れる可能性はありますが、第二次検定で苦労します。
テキストを読み込んでも、ビジュアルでイメージ出来ない工種が多くある場合は通信講座で学ぶのも良いでしょう。
いわゆるテキストベースの通信講座ではなく、e-ラーニングやDVD講座で講義形式で学ぶ方式が良いと思います。
・自信のない分野は集中的に反復が可能。
・移動時間、隙間時間を活用出来るので、時間の有効活用が最大化できる。
・専門学校よりかなり割安だ。
ただ、通信講座は専門学校と比較すると、個人での勉強の管理が必要となるのが課題です。
でも移動時間にテキストを読み込むのは嫌だけど、スマホで講義を視聴したり、聞いたりするなら問題ない、という方は通信講座は良い選択肢だと思います。
通信講座はそんな多くの種類があるわけではないですが、個人的にはSATが好きです。

SATの場合、建築・土木・管・電気・電気通信の1級および2級が揃っています。
まとめ
さて失敗しないテキスト・問題集のまとめですが、
- 勉強への取っ付きの良さでは、TAC出版(見やすく、わかりやすい)
- 内容の網羅性、情報のバランス、YOUTUBEとセットでGET研究所
- 知識への探求心の深い方は、市ヶ谷出版社
- シンプルに進めたいなら地域開発研究所
- 移動時間の活用は日建学院
あくまでも主観です。
いずれにしても過去問の取組みを中心に据えながら、不足している知識を参考書や要点テキストで補足していく感じですね。
いずれにしても独学での資格取得の課題は自己管理です。早めに勉強習慣を身につけ継続できた人が勝ちます。
また資格の目的が施工管理技士補の場合ならば良いのですが、今年に1級建築施工管理技士の資格までを必要としている場合は、この時期から第二次検定を意識した勉強の準備を進めたいものです。