さて令和4年となり、1級建築施工管理技士の第一次検定及び第二次検定の試験制度も2年目です。
本記事は、昨年の令和4年(2022年)迄の受検者・合格者数・合格率の推移がわかるようにまとめた記事です。
参考までに、国土交通省は令和3年の合格者の属性も発表しています。
知りたい方は下記記事を参照ください。
第一次検定(学科試験)の受験者数と合格者数(令和4年〜平成19年)
まずは学科試験から。平成19年(2007年)からの令和3年(2021年)の学科試験・受検者数と合格者・合格率の推移を見てみましょう。
ちなみに本年度2021年より第一次検定と名称が変わりましたが、この検定に合格すると『1級建築施工管理技士補』の資格が得られます。合格された方おめでとうございます。
年度 | 受検者数 | 合格者数 | 合格率 |
平成19年 | 23,871 | 11,088 | 46.40% |
平成20年 | 25,686 | 12,783 | 49.80% |
平成21年 | 25,195 | 8,782 | 34.90% |
平成22年 | 25,640 | 10,437 | 40.70% |
平成23年 | 22,284 | 8,312 | 37.30% |
平成24年 | 22,385 | 11,414 | 51.00% |
平成25年 | 20,576 | 9,677 | 47.00% |
平成26年 | 20,580 | 8,562 | 41.60% |
平成27年 | 25,452 | 11,103 | 43.60% |
平成28年 | 25,639 | 12,675 | 49.40% |
平成29年 | 24,755 | 9,824 | 39.70% |
平成30年 | 25,198 | 9,229 | 36.60% |
令和元年(2019年) | 25,392 | 10,837 | 42.70% |
令和2年(2020年) | 22,742 | 11,619 | 51.1% |
令和3年(2021年) |
22,277 | 8,025 | 36.0% |
令和4年(2022年) | 27,253 | 12,755 | 46.8% |
令和5年(2023年) | 24,078 | 10,017 | 41.6% |
ここ4年間の合格率の推移は51.1%⇒36.0%⇒46.8%⇒41.6%と少し乱高下が激しいですね(笑)
また令和2年、令和3年は受検者数がコロナ禍や新試験制度の影響のせいか減少気味だったのが、令和4年はこの表の中では最高の受検者数だったようです。そして令和5年はまた少し減少気味でした。
今年も約1万人の方が『1級建築施工管理技士補』の称号が得られたようです。おめでとうございます。
個人的に分析してみると、
ちなみに平成19年よりデータをまとめていますが、この合格率は平成21年度の34.9%に次いで低い合格率でした。
この年は試験制度も変わり、新たに『施工管理法の応用問題』が6問出題されました。
この応用問題で60%の正答率がないと不合格、そうなると4問の正答が必要だったので合格率が低くなるかなと思っていましたが、蓋を開けてみると応用問題の合格基準は6問中3問の正解と見直しがあったようです。
試験制度の初年度はやはり少し難しいですね。
次に昨年度の令和4年は、
上記に書いた通り、受検者数は戻りました。(前年の回避分で、例年より多かった感じですかね)
また合格率は46.8%と高水準でした。施工管理法の応用問題も決して簡単な問題ではありませんでしたが、皆さんきっちり対策を行ったようで素晴らしいと思います。
第二次検定(実地試験)の受験者数と合格者数(令和4年〜平成19年)
次に第二次検定(実地試験)の最新版です。
年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
平成19年 | 18,239 | 6,212 | 34.10% |
平成20年 | 19,502 | 6,826 | 35.00% |
平成21年 | 16,870 | 6,931 | 41.10% |
平成22年 | 15,608 | 7,338 | 47.00% |
平成23年 | 13,721 | 5,546 | 40.40% |
平成24年 | 16,176 | 5,558 | 34.40% |
平成25年 | 16,686 | 6,912 | 41.40% |
平成26年 | 14,210 | 5,710 | 40.20% |
平成27年 | 16,365 | 6,180 | 37.80% |
平成28年 | 19,045 | 8,687 | 45.60% |
平成29年 | 16,505 | 5,537 | 33.50% |
平成30年 | 15,145 | 5,619 | 37.10% |
令和元年(2019年) | 15,876 | 7,378 | 46.50% |
令和2年(2020年) |
16,946 |
6,898 |
40.70% |
令和3年(2021年) | 12,813 | 6,708 | 52.4% |
令和4年(2022年) | 13,010 | 5,878 | 45.2% |
昨年度(令和3年)の実地試験の合格率は52.4%です。
平成19年度以来の合格率では最高に高かったですね。但し実質の合格者数としては、
令和3年 6,708人 ←第一次検定受検者 22,277人
とそこまで合格者数に格差は大きくはありません。
令和3年は『施工管理法の応用問題』で足切りされた方も多かったように思います。
⇒これをクリアした多くの方が第二次検定の受検者だったので、高い合格率につながった。
そして令和4年は合格率は45.2%と、私が思ってたより少し高めの合格率でした。(40%前後と想定していた)
合格者数は5,878人と、昨年より800人ほど少なめです。
令和4年 1次検定合格者 12,755人 ⇒2次検定受検者 13,010人
※令和3年 1次検定合格者 8,025人 ⇒2次検定受検者 12,813人
なぜか令和4年は1次検定合格者⇒2次検定受検者の人数があまり変わりません。
原因はわかりませんが、また来年度以降の推移をみるしかありませんね。
ちなみに、平成29年度(2017年)の合格率が低いのは、実地試験の問題5の工程の出題内容が、過去長きにわたってバーチャート工程が出題されていましたが、この年(以降3年間も同様)からネットワーク工程が出題されて、全く回答できずに得点を大きく落としてしまった人も結構いたのではと勝手に想定しています。
2次検定の出題と傾向は下記の記事を参照ください。
まとめ
さて、来年度よりこの技術検定については受検資格の見直しが入ります。1次検定については実務経験不要で、満19歳以上から受検が可能になっていますので、来年は少し受検者が増えるでしょう。