1級建築施工管理技士 第一次検定(学科試験)過去問の取り組み 第8回〜法規(2)

1級建築施工管理技士の学科試験の過去問の取り組みは今回が最終回、法規の2回目です。今回の主な法規関連の問題は労働基準法、労働安全衛生法、そのほか建築工事に関係する法規に関する出題です。

今回、初めての試験挑戦の方で、なんとなく出題内容のイメージを掴んで頂けたなら嬉しいです。

労働基準法や労働安全衛生法は建築工事だけでなく、一般的な知識として身に付けておきたい分野でもありますね。改めて正しい知識を身に付けていきましょう。

1.法規〜労働基準法に関する出題

まずは労働基準法です。昨今、労務管理には世間的にも厳しくなってきました。そういった中での常識的な内容になっています。資格に関係なく知っておきたい内容ですね。平成29年度平成26年度の出題より。

(1)労働時間等に関する記述として、「労働基準法」上、誤っているものはどれか。

  1. 労働時間、休憩及び休日に関する規定は、監督又は管理の地位にある者には適用されない。
  2. 使用者は、労働時間が8時間を超える場合には、少なくとも1時間の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならない。
  3. 使用者は、労働者の合意があれば休憩時間中であっても、留守番等の軽微な作業であれば命ずることができる。
  4. 使用者は、労働者に対し毎週少なくとも1回の休日を与えるか、又は4週間を通じ4日以上の休日を与えなければならない。

 

(2)労働時間等に関する記述として「労働基準法」上、誤っているものはどれか。

  1. 使用者は、労働時間が6時間を超える場合には、少なくとも30分の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならない。
  2. 使用者は、事業の正常な運営を妨げられない限り、労働者の請求する時季に年次有給休暇を与えなければならない。
  3. 使用者は、原則として、労働者に対し休憩時間を一斉に与えなければならない。
  4. 使用者は、労働者に対し毎週少なくとも1回の休日を与えるか、又は4週間を通じ4日以上の休日を与えなければならない。

 

この業界で働いている方の中ではなかなか休みの取れない方も多いかと思いますが、改めて適正な労働時間についての問題です。

解答・解説
解答(1) (2)
解説
(1)③常識的に考えて消去法でもこれが怪しいと思える内容ですね。例えば電話や受付対応などを休憩時間に行うとこれは業務時間とみなされます。当然留守番など命じられればこれは休憩時間とみなされません。
(2)①労働基準法第34条で6時間〜8時間の勤務の際は45分8時間を超える場合は1時間の休憩が与えられねばなりません。30分の休憩ではランチもゆっくり取れませんね(笑)
また③について、休憩時間は一斉に与えなければならないのですが、労働組合もしくは労働者の過半数を代表する者との書面による協定がある場合はこの限りではありません。(こちらも労働基準法第34条)この問題は、比較的すぐ覚えられる内容ですね。

2.法規〜労働安全衛生法に関する問題(1)

2問目は労働安全衛生法に関する出題です。昨年は2問出題されている必須問題です。平成29年度平成28年度の出題より。

(1)建設業の事業場における安な全衛生管理体制に関する記述として、「労働安全衛生法」上、誤っているものはどれか。

  1. 事業者は、常時10人の労働者を使用する事業場では、安全衛生推進者を選任しなければならない。
  2. 事業者は、常時30人の労働者を使用する事業場では、安全管理者を選任しなけばならない。
  3. 事業者は、常時50人の労働者を使用する事業場では、衛生管理者を選任しなければならない。
  4. 事業者は、常時100人の労働者を使用する事業場では、安全委員会及び衛生委員会又は安全衛生委員会を設けなければならない。

 

(2)次の記述のうち、「労働安全衛生法」上、誤っているものはどれか。

  1. 統括安全衛生責任者を選任すべき特定元方事業者は、安全衛生責任者を選任し、付太協考その者に仕事の工程に関する計画を作成させなければならない。
  2. 事業者は、常時50人の労働者を使用する事業場では、産業医を選任しなけれはならない。
  3. 統括安全衛生責任者は、元請負人と下請負人の労働者の作業が同一の場所において行われることによって生ずる労働災害を防止するために選任される。
  4. 元方安全衛性管理者は、その事業場に専属の者でなければならない。

 

安全衛生推進者や安全管理者、衛生管理者など似たような用語が多く、意味の違いを理解するのが少し大変ですが、過去問で繰り返し学ぶことにより頭に入れていく方法が一番ベストですね。

解答・解説
解答(1)② (2)
解説
(1)② 事業者は、常時50人の労働者を使用する事業場では、安全管理者を専任しなければならない。
(2)① これは労働安全衛生法15条より、

特定元方事業者は、その労働者及びその関係請負人の労働者が当該場所において作業を行うときは、これらの労働者の作業が同一の場所において行われることによつて生ずる労働災害を防止するため、統括安全衛生責任者を選任し、その者に元方安全衛生管理者の指揮をさせるとともに、第三十条第一項各号の事項を統括管理させなければならない。

ですので安全衛生責任者ではなく、統括安全衛生責任者が正しい用語となります。
ちなみに特定元方事業者とは、

特定元方事業者は、特定事業である建設業、造船業に属する事業の元方事業者(日本の労働安全衛生法第15条第1項の「一の場所」において、請負った仕事の一部を他の請負人に請負わせている事業者(下請負人を使用する元請負人))である。   ※wikiより

まあ工事事務所における元請事業者のことと理解しておけば良いかと思います。

3.法規〜労働安全衛生法に関する問題(2)

引き続き、労働安全衛生法に関する問題ですが、主に作業主任者についての出題です。平成29年度平成28年度の問題より。

(1)作業主任者の職務として、「労働安全衛生法」上、定められていないものはどれか。

  1. 型枠支保工の組立て等作業主任者は、作業の方法を決定し、作業を直接指揮する
  2. 木造建築物の組立て等作業主任者は、作業の方法及び順序を決定し、作業を直接指揮すること。
  3. 足場の組立て等作業主任者は、作業の方法及び労働者の配置を決定し、作業の進ち行脈行状況を監視すること。
  4. 建築物等の鉄骨の組立て等作業主任者は、作業の方法及び順序を作業計画として定めること。

 

(2)「労働安全衛生法」上、作業主任者を選任しなければならない作業はどれか。

  1. 掘削面の高さが2mの地山の掘削作業
  2. 高さが3mのコンクリート造の工作物の解体作業
  3. 高さが4mの単管足場の組立作業 数市
  4. 高さが5mの鉄筋コンクリート造建築物のコンクリート打設作業

 

(1)が定められていないもの、(2)が選任しなければならない作業、の問題です。私も(2)は一瞬、選任の不要な作業を見つけようと読み違えをしましたので要注意です。

解答・解説
解答(1) (2)
解説
(1)④ 労働安全衛生法より、

 事業者は、建築物等の鉄骨の組立て等作業主任者に、次の事項を行わせなければならない
1 作業の方法及び労働者の配置を決定し、作業を直接指揮すること。
2 器具、工具、要求性能墜落制止用器具等及び保護帽の機能を点検し、不良品を取り除くこと。
3 要求性能墜落制止用器具等及び保護帽の使用状況を監視すること。

そして作業計画は事業者が定める必要がある旨、労働安全衛生法に定められています。この問題は少し難しいですね。

(2)① 掘削面の高さが2m以上の地山の掘削作業
② 高さが5m以上のコンクリート造の工作物の解体
③ 高さが5m以上の構造が足場の組立て、解体又は変更の作業。
④ 鉄筋コンクリート造建築物の作業主任者選任の規定はない。
ということで正解は①となります。

 

4.法規〜そのほかの法規からの出題

最後は振動規制法騒音規制法に関する問題です。平成25年度平成28年度からの出題です。

(1)次の作業のうち、「振動規制法」上、特定建設作業に該当するものはどれか。ただし、作業は開始した日に終わらないものとする。

  1. 圧入式くい打機を使用する作業
  2. 油圧式くい抜機を使用する作業
  3. くい打くい抜機(圧入式を除く。)を使用する作業
  4. 手持式のブレーカーを使用する作業

 

(2)指定区域内における特定建設作業の実施の届出に関する記述として、「騒音規制法」上、誤っているものはどれか。作業はその作業を開始した日に終わらないものとし、災害その他非常時等を除く。

  1. くい打機をアースオーガーと併用する作業は、特定建設作業の実施の届出をしなくてもよい。
  2. 環境大臣が指定するものを除き、原動機の定格出力が80KW以上のバックホウを使用する作業は、特定建設作業の実施の届出をしなければならない。
  3. さく岩機を使用する作業であって、作業地点が連続的に移動し、1日における作業に係る2地点間の距離が50mを超える作業は、特定建設作業の実施の届出をしなければならない。
  4. 空気圧縮機をさく岩機以外の動力として使用する作業であって、電動機以外の原動機の定格出力が15kW以上の空気圧縮機を使用する作業は、特定建設作業の実施の届出をしなければならない。

 

(1)は振動規制法の特定建設作業に該当するもの、(2)は騒音規制法で誤っているものの選択です。こちらも問題を良く読んでミスのないように気をつけましょう。

解答・解説
解答(1) (2)
解説
(1)③ 振動規制法の特定建設作業に該当するのは下記の通り。

a) くい打機(もんけん及び圧入式くい打機を除く)
* くい抜機(油圧式くい抜機を除く)
* くい打くい抜機(圧入式くい打くい抜機を除く)を使用する作業
b)   鋼球を使用して建築物その他の工作物を破壊する作業
c)   ブレーカー(手持式を除く)を使用する作業(一日の移動距離が50mを超えない作業に限る)
※wikipediaより

ということで③が特定建設作業に該当する。これは少し覚えるのが大変ですね。
(2)③ 騒音規制法の特定建設作業に該当するのは下記の通り。

1.くい打機(もんけんを除く)

・くい抜機又はくい打くい抜機(圧入式くい打くい抜機を除く)を使用する作業
くい打機をアースオーガーと併用する作業を除く

2.びよう打機を使用する作業

3.さく岩機を使用する作業(一日の最大移動距離が50mを超えない作業に限る)

4.空気圧縮機(電動機以外の原動機を用いるものであつて、その原動機の定格出力が15kW以上に限る)を使用する作業(さく岩機の動力として使用する作業を除く)

5.コンクリートプラント(混練機の混練容量が0.45m3以上に限る)又はアスファルトプラント(混練機の混練重量が200kg以上に限る)を設けて行う作業(モルタルを製造するためにコンクリートプラントを設けて行う作業を除く)

6.バックホウ(一定の限度の騒音を発生しないとして環境大臣が指定するものを除き、原動機の定格出力が80kW以上に限る)を使用する作業

7.トラクターショベル(一定の限度を超える大きさの騒音を発生しないとして環境大臣が指定するものを除き、原動機の定格出力が70kW以上に限る)を使用する作業

8.ブルドーザー(一定の限度を超える大きさの騒音を発生しないとして環境大臣が指定するものを除き、原動機の定格出力が40kW以上に限る)
※wikipedia参照

ということで解答は③で50mを超えない作業で届出が必要となります。こちらも全て覚えるのはなかなか大変なのでまずは過去問をマスターしましょう。

5.まとめ

以上が法規です。ここ数年の過去問をリサーチすると、建築基準法、建設業法、労働基準法、労働安全衛生法、振動規制法、騒音規制法、廃棄物の処理及び清掃に関する法律、建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律、消防法、宅地造成等規制法、道路交通法などより出題されています。

範囲が広いのであくまでも過去問の反復とテキストチェックなどを押さえておけば良いでしょう。

この法規は12問が出題されますが8問解答すれば良いので、完璧を目指さなくとも良いかと思います。

ただし、建設業法労働安全衛生法に関しては第二次検定(旧実地試験)で出題されているので、ここは重点的に勉強して苦手意識を持たないことが重要かもしれません。

さてこの学科試験の過去問(1)〜(8)で一通りまとめてみました。一度取り組んでみて傾向と対策、試験の難易度を図ってもらえると幸いです。

過去問の取り組み(1)〜(7)

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