1級建築施工管理技士 第一次検定(旧学科試験)過去問の取り組み〜第1回 建築学

今回は第一次検定の分野別毎の勉強の取り組み、知識の吸収をいかに効率的にすべきかということについてまとめたいと思います。今回は建築学の問題を例に上げながらすすめましょう。

過去問題4問程度を例にあげながら進めたいと思います。

1,建築学〜環境工学(換気に関する問題)

まず平成29年の出題より

(1)換気に関する記述として、最も不適当なものはどれか?

  1. 換気量が一定の場合、室容積が大きいほど換気回数は少なくなる。
  2. 室内外の温度差による自然換気の場合、換気量は上下の開口部の高低差に比例する。
  3. 室内空気の一酸化炭素の濃度は、10ppm以下となるようにする。
  4. 室内空気の二酸化炭素の濃度は、1,000ppm以下となるようにする。

 

次に、平成27年の出題

(2)換気に関する記述として、最も不適当なものはどれか?

  1. 静穏時の吸気による成人1人当たりの必要換気量は、二酸化炭素濃度を基にして定めた場合、30m3/h程度である。
  2. 換気量が一定の場合、室容積が大きいほど換気回数は少なくなる。
  3. 温度差による自然換気の場合、室内外の圧力差が0となる垂直方向の位置を中性帯といい、この部分に開口部を設けても換気はほとんど起こらない。
  4. 室内空気の一酸化炭素の濃度は、100ppm以下となるようにする。

 

上記の2問の設問ですが、(1)①(2)②は同じ内容。(1)③(2)④は数値は異なるが同じ内容です。

 

解答・解説
解答 (1)② (2)
解説
(1)② 室内外の温度差による換気量は、上下の開口部の高低差の平方根に比例する。が正しいのでこれが不適当となります。
(2)④ 室内の一酸化炭素濃度基準は10ppm(1m3の空気中に10cm3)以下の基準が定められている
のでこれが誤り。
 また室内の二酸化炭素の濃度は1,000ppm、換気量が一定の場合、室容積が大きいほど換気回数は少なくなるということを知っていれば、選択肢が絞られます。
以降の問題でもわかりますが、過去問の中で全く同じ問題というのはとても少ないのですが、選択肢の記述が同じ内容や同じだけど数値が異なるというのが比較的多いです。
過去問を取り組むメリットは上記の選択肢を反復して読み込むことにより、正しい内容と誤った数値や用語の内容の記憶が定着しやすくなります。

2.建築学〜構造力学(構造設計に関する出題)

次は構造に関する問題で平成30年の出題より

(1)荷重及び外力に関する記述として最も不適当なものはどれか。

  1. 教室に連絡する廊下と階段の床の構造計算用の積載荷重は、実況に応じて計算しない場合、教室と同じ積載荷重の2,300N/m2とすることができる。
  2. 保有水平耐力計算において、多雪区域の積雪時における長期応力度計算に用いる荷重は、固定荷重と積載荷重の和に、積雪荷重に0.7を乗じた値を加えたものとする。
  3. 必要保有水平耐力の計算に用いる標準せん断力係数は、1.0以上としなければならない。
  4. 速度圧の計算に用いる基準風速V0は、その地方の再現期間50年の10分間平均風速値に相当する。

2問目は平成27年の出題より

(2)荷重及び外力に関する記述として最も不適当なものはどれか。

  1. 教室に連絡する廊下と階段の床の構造計算用の積載荷重は、実況に応じて計算しない場合、教室と同じ積載荷重の2,300N/m2とすることができる。
  2. 多雪区域に指定されていない地域において、積雪荷重の計算に用いる積雪の単位荷重は、積雪量1cmとごに20N/m2以上としなければならない。
  3. 屋根葺き材に作用する風圧力は、平均速度圧にピーク風力係数を乗じて求める。
  4. 地震力の計算に用いる振動特性係数は建築物の弾性域における固有周期と地盤種別に影響される。

この2つの問題はともに①が同じ内容です。

 

解答・解説
解答 (1) (2)
解説
下記建築基準法施行令第85条を参照してください。教室は2,300N/m2で問題ありませんが、教室に連絡する廊下や階段は(7)が適用され、そこには(5)のそのほかの場合の数値になるとのこと。つまり3,500N/m2が正しいです。このあたりの主要な(い)と(ろ)の数値はある程度頭に入れておいた方がよいでしょうね。
このように過去の問題より同じ回答がある場合もありますね。

3.建築学〜一般構造(鉄筋コンクリート構造に関する出題)

3つ目は鉄筋コンクリートに関する問題、まずは平成30年度の出題より

(1)鉄筋コンクリート構造に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  1. 梁のあばら筋にD10の異形鉄筋を用いる場合、その間隔は梁せいの1/2以下かつ、250mm以下とする。
  2. 梁貫通孔は、梁端部への配置を避け、孔径を梁せいの1/3以下とする。
  3. 柱のじん性を確保するため、短期軸方向力を柱のコンクリート全段面積で除した値は、コンクリートの設計基準強度の1/2以下とする。
  4. 普通コンクリートを使用する場合の柱の最小径は、原則としてその構造耐力上主要な支店間の距離の1/15以上とする。

次が平成28年度の出題

(2)鉄筋コンクリート構造に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  1. 梁のあばら筋にD10の異形鉄筋を用いる場合、その間隔は梁せいの1/2以下かつ、250mm以下とする。
  2. 梁に2個以上の貫通孔を設ける場合、孔径は梁せいの1/2以下、中心間隔を両孔径の平均値の2.5倍以上とする。
  3. 開口のある耐震壁では開口隅角部には斜め引張力が、開口周囲には縁応力が生じるため、前者には斜め筋、後者には縦筋及び横筋を用いて補強する。
  4. 柱のじん性を確保するため、帯筋の間隔を密にすることや副帯筋を用いることが有効である。

この2問についても①が全く同じ内容、②もとても似た内容で異なる数値となっています。

 

解答・解説
解答 (1) (2)
解説(1)は消去法で、①②④の数値が正しいことが理解できていれば、③が誤りであることがわかります。柱のじん性を確保するため、短期軸方向力を柱のコンクリート全段面積で除した値は、コンクリートの設計基準強度の1/3以下とする。が正しい。①②④の数値は比較的よく出るのでこれは記憶しておきましょう。
(2)は明確に②が誤りであることを理解しておきましょう。梁に2個以上の貫通孔を設ける場合、孔径は梁せいの1/3以下、中心間隔を両孔径の平均値の3倍以上とする。全てを理解出来ていなくとも、頻出している内容をきっちり記憶しておけば、消去法でわかる問題もあります。昨年の令和2年の5問目も(1)③と同様の選択肢が出題されています。鉄筋コンクリート造では頻出問題なので、それぞれの正しい数値を覚えておきましょう。

 

4.建築学〜建築材料(石材に関する出題)

最後は建築材料の中から石材に関する問題です。まずは平成29年度の出題

(1)石材に関する一般的な記述として、最も不適当なものはどれか。

  1. 大理石は、ち密で磨くと光沢が出るが、風化しやすく、耐酸性、耐火性に劣る。
  2. 花こう岩は、耐摩耗性。耐久性に劣るが、耐火性に劣る。
  3. 砂岩は、耐火性に劣るが、吸水率の大きなものは耐凍害性に劣る。
  4. 凝灰岩は、強度、耐久性に優れるが、光沢がなく、加工性に劣る。

次に平成25年度の出題

(2)石材に関する一般的な記述として、最も不適当なものはどれか。

  1. 花崗岩は、耐摩耗性、耐久性に優れ、建物の外部、床、階段に用いられる。
  2. 砂岩は、耐久性に優れるが、給水率の大きなものは耐凍害性に劣る。
  3. 大理石は、美観に優れるが耐酸性、耐火性に劣り、屋外に使用すると表面が劣化しやすい。
  4. 凝灰岩は軟質で加工しやすく、耐火性、耐久性に優れる。

石材に関する問題。この2問、文章は違えていますが内容はほぼ同じ。これは難しくないので特徴を抑えましょう。

 

解答・解説
解答 (1)④ (2)④
解説 各石材の特徴は下記の通り。

  • 花崗岩→通称御影石。墓石や建築材で多く使われ、強い硬度、耐久性・耐摩耗性に優れる耐火性に劣る
  • 砂岩砂が固まって出来た堆積岩の一つ。耐火性があり酸に強い。吸水性が高い反面、汚れがつきやすく、耐久性に劣り凍害を受けやすい面がある。
  • 大理石→変成岩の一種。建築の内部で主に使われ美しい模様や鮮やかな光沢が特徴。一方、酸・アルカリに弱く、屋外では風化しやすい。耐摩耗性・耐火性に劣る。※内部建築で高級石材として使われますね。
  • 凝灰岩→堆積岩の一種。火山灰が固まったもので、軽くて柔らかい(軟質)のが特徴。耐火性には優れているが、風化しやすく耐久性には劣る

が各石材の特徴です。ということで回答は、凝灰岩は耐久性には劣るので、共に④が誤りですね

御影石

5.まとめ

 

今回は建築学系の過去問題を4つ取り上げました。これを見てわかるかと思いますが、学科試験の特徴としては、全く同じ問題が出るわけではありませんが、この4つの選択肢の内容は比較的に繰り返し出題される傾向があります。

ですので、

  1. 過去問を繰り返すことによって、選択肢の内容を記憶して知識を定着させる。
  2. ある程度ざっくり記憶しておくことにより、消去法でわかる問題もある。
  3. 選択肢に出てくる各数値は覚えておく方が良い。
  4. 理解出来ない、なかなか記憶が定着しない部分はテキストで補足する。

以上の繰り返しによって、ある程度、第一次検定の点数を高められると思います。

最近はインターネットの検索からでも色んな情報・知識が得られます。以前にも書きましたが、文章で理解出来ない場合、ビジュアル的に理解することも可能。(例えば凝灰岩はどんな石か知りたい場合、ネットで調べればどんな石かも視覚で理解出来ます)

学科試験までまだ十分に時間があります。しっかり過去問題を中心に取り組んでいきましょう。

第2回目は躯体工事に関する取組みです。

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