1級建築施工管理技士 第一次検定(学科試験) 過去問の取り組み〜第4回 施工(仕上げ工事)

第3回の施工(躯体工事)に続いて、今回は施工(仕上げ工事)の問題を取り上げたいと思います。

昨年より重要性がより増した施工関連の問題、ここで大きく点を失う事のないようにしたいところです。

どんな問題が出題されているのか理解した上で、取り組んでいきましょう。

 

躯体(仕上げ工事)に関する出題分野の分析

まずは、過去3年でどんな問題が出題されているか分析してみましょう。

番号 科目 令和3年 番号 令和2年 令和元年
31 仕上げ工事
※令和3年
(7/9問)※令和2年~
(5/12問)
防水(ウレタン塗膜) 34 防水(ルーフィングシート) 防水(シート防水)
32 石工事(乾式工法) 35 シーリング工事 塗膜防水
33 金属製折板葺き屋根工事 36 タイル工事 石工事
34 軽量鉄骨天井下地工事 37 金属板葺屋根工事 金属製折板葺き屋根工事
35 左官工事 38 軽量鉄骨壁下地 特定天井
36 塗装工事 39 仕上塗材(防水形複層塗材E) 左官工事
37 ビニル床シート張り 40 建具工事(アルミ) 鋼製建具
38 断熱工事 41 塗装工事 塗装工事
39 ALCパネル工事 42 合成樹脂塗床 ビニル床シート張り
43 せっこうボード 断熱工事
44 押出成形セメント板張り ALCパネル
45 外壁改修工事 内装改修工事

他の多くの記事でも書いている通り、

  • 令和2年までの学科試験・・・12問中5問の解答
  • 令和3年の第一次検定・・・・9問中7問の解答 +施工管理法の応用問題で3問中3問の解答
この分野に関する解答数が5問から、計10問解答する必要になっており、特に応用問題でコケると不合格になってしまいます。
なので令和4年(本年度)も施工の躯体工事仕上げ工事2次検定でも重要な分野なので、しっかり準備をして試験に臨みたいところです。
では具体的に問題4つほど取り上げていきたいと思います。

1.施工(仕上げ工事)〜防水工事に関する出題

まずは防水に関する問題を取り上げます。防水工事と言っても、アスファルト・高分子系・塗膜など出題パターンは色々で、基本毎年出題されています。

今回は合成高分子系ルーフィングシート防水令和2年の問題を取り上げたいと思います。(隔年の頻度で出題されています)

【問題】合成高分子系ルーフィングシート防水に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  1. 塩化ビニル樹脂系シート防水において、シート相互の接合にクロロプレンゴム系の接着剤を用いた。
  2. 塩化ビニル樹脂系シート防水において、接合部のシートの重ね幅は、幅方向、長手方向とも40mm以上とした。
  3. 加硫ゴム系シート防水接着工法において、防水層の立上り端部の処理は、テープ状シール材を張り付けた後にルーフィングシートを張り付け、末端部は押さえ金物で固定し、不定形シール材を充填した。
  4. 加硫ゴム系シート防水接着工法において、平場の接合部のシートの重ね幅は100mm以上とし、立上りと平場の重ね幅は150mm以上とした。
解答・解説
(解答)
(解説)この合成高分子系ルーフィングシート防水に限らず、防水工事は重ね幅などの数値をしっかり記憶しておく必要がありますね。
(平成27年)塩化ビニル樹脂系シート防水において、シート相互の接合にクロロプレンゴム系の接着剤を用いた。
→平成27年にも同じ内容が出題されていますが、シート相互の接合は熱風融着又は溶着剤を使用します。(※建築工事監理指針より)
→加硫ゴム系シート防水の場合のシート相互の接合は、クロロプレンゴム系の接着剤で問題はない。
よって解答はとなる。
(平成28年)塩化ビニル樹脂系シート防水において、接合部のシートの重ね幅は、幅方向、長手方向とも40mm以上とした。
(平成27年)加硫ゴム系シート防水接着工法において、防水層の立上り端部の処理は、テープ状シール材を張り付けた後ルーフィングシートを張付け、末端部は押さえ金物で固定し、不定形シール材を充填した。
(平成30年)加硫ゴム系シート防水接着工法において、平場の接合部のシートの重ね幅は100mm以上とし、水上側のシートが水下側のシートの上になるように張り付けた。
※④と平成30年の内容は近似ですが少し異なるので、こういった所に引っかからないようにしたいですね。 

 

2.施工(仕上げ工事)~軽量鉄骨壁下地工事に関する出題

次に取り組むのは軽量鉄骨壁下地工事に関する問題です。

ここ最近の過去問題の傾向を見ると、

  • 令和3年・・・軽量鉄骨天井下地工事
  • 令和元年・・・特定天井(軽量鉄骨)
  • それ以外は軽量鉄骨壁下地工事

という感じです。本年度は『軽量鉄骨壁下地工事』の問題の可能性が高そうなので、そちらをやってみましょう。

令和2年の問題から。

【問題】軽量鉄骨壁下地工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  1. 鉄骨壁に取り付く上部ランナーは、耐火被覆工事の後、あらかじめ鉄骨梁に取り付けられた先付け金物に溶接で固定した。
  2. コンクリート壁に添え付くスタッドは、上下のランナーに差し込み、コンクリート壁に打込みピンで固定した。
  3. スタッドは、上部ランナーの上端と、スタッド天端との隙間が15mmとなるように切断した。
  4. 上下のランナーの間隔が3mの軽量鉄骨壁下地に取り付ける振れ止めの段数は、2段とした。
解答・解説
(解答)
(解説)こちらも他年次の過去問を見てみましょう。
(平成29年)鉄骨壁に取り付く上部ランナーは、耐火被覆工事の後、あらかじめ鉄骨梁に取り付けられた先付け金物に溶接で固定した。
(平成29年)コンクリート壁に添え付くスタッドは、上下のランナーに差し込み、コンクリート壁に打込みピンで固定した。
(平成28年)
スタッドは、スタッドの天端と上部ランナーの天端とのすき間が15mmとなるように切断した。
⇒上部ランナーの上端とスタッド天端の隙間は10mm以下とする。(※建築工事監理指針より)
⇒よって答えは③です。
(平成30年)振れ止めは床ランナーから1,200mm間隔で、スタッドに引き通し、固定した。
⇒問題は異なりますが、振れ止めは1,200mm間隔なので、振れ止めは2段となりますね。
過去問の数値をしっかり記憶しておけば問題ないでしょう。

 

3.施工(仕上げ工事)~塗装工事に関する出題

次に塗装工事に関する問題です。こちらも毎年出題されています。

なので昨年の令和3年の問題を取り上げます。

【問題】塗装工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  1. 屋外の木質系素地面の木材保護塗料塗りにおいて、原液を水で希釈し、よく攪拌して使用した。
  2. 亜鉛メッキ鋼面の常温乾燥形ふっ素樹脂エナメル塗りにおいて、下塗りに変性エポキシ樹脂プライマーを使用した。
  3. コンクリート面のアクリル樹脂系非水分散形塗料塗りにおいて、下塗り、中塗り、上塗りともに同一材料を使用し、塗付け量は0.10kg/㎡とした。
  4. せっこうボード面の合成樹脂エマルションペイント塗りにおいて、気温が20℃であったため、中塗り後3時間経過してから、次の工程に入った。
解答・解説
(解答)
(解説)こちらも他の年次の過去問から見ていきましょう。
(平成30・28年)屋外の木質系素地面の木材保護塗料塗りにおいて、原液を水で希釈し、よく攪拌して使用した。
→木材保護塗料は原液で使用することを基本とし、希釈はしない。※建築工事監理指針より。
→ということで①が解答となります。
(平成30・28年)
亜鉛メッキ鋼面の常温乾燥形ふっ素樹脂エナメル塗りにおいて、下塗りに変性エポキシ樹脂プライマーを使用した。
③(令和元・平成27年)アクリル樹脂系非水分散形塗料塗りにおいて、下塗り、中塗り、上塗りともに同一材料を使用し、塗付け量は0.10kg/㎡とした。
(平成28年)
せっこうボード面の合成樹脂エマルションペイント塗りにおいて、気温が20℃であったため、中塗り後3時間経過してから、次の工程に入った。このように過去問よりかなり同じ内容が頻出されていますが、塗装の種類も多いので、少し引っ掛けて気味に出題される場合があるので、塗装の種類と数値をきっちりマッチングしておく必要があります。

 

4.施工(仕上げ工事)~壁のせっこうボード張りに関する出題

最後はせっこうボードに関する問題です。軽量鉄骨下地や直張り工法に関する問題が多いです。

こちらは令和2年の問題を取り上げましょう。

【問題】壁のせっこうボードに関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  1. ボードの下端部は、床面からの水分の吸上げを防ぐため、床面から10mm程度ふかして張り付けた。
  2. テーパーエッジボードの突付けジョイント部の目地処理における上塗りは、ジョイントコンパウンドを幅200~250mm程度に塗り広げて平滑にした。
  3. 軽量鉄骨壁下地にボードを直接張り付ける際、ボード周辺部を固定するドリリングタッピングねじの位置は、ボードの端部から5mm程度内側とした。
  4. 木製壁下地にボードを直接張り付ける際、ボード厚の3倍程度の長さの釘を用いて、釘頭が平らに沈むまで打ち込んだ。
解答・解説
(解答)③
(解説)この壁のせっこうボードも数値の正しい記憶がポイントとなります。
(平成27年)ボードの下端部は、床面からの水分の吸上げを防ぐため、床面から10mm程度ふかして張り付ける。
(平成27年)
テーパーエッジボードの突付けジョイント部の目地処理における上塗りは、ジョイントコンパウンドを幅200~250mm程度に塗り広げて平滑にする。
(平成26年)
軽量鉄骨壁下地にボードを直接張り付ける際、ボード周辺部を固定するドリリングタッピングねじの位置は、ボードの端部から5mm程度内側とした。
→ボード周辺部は端部から10mm程度内側で留め付ける。※石膏ボード工業会の施工マニュアルより
→よって③は答えとなります。
(平成28年)
木製壁下地にせっこうボードを直接張り付ける場合、ボード厚の3倍程度の長さの釘を用いて、釘頭が平らに沈むまで打ち込む。

まとめ

仕上げ工事の少し面倒なのは、タイル張り工事等を例にとっても多くの工法が存在し、その留意事項などが異なる所があり、2次検定を意識するならば覚える項目がとても多いです。

やみくもに覚えるのも大変なので、頻出されている問題をまず覚えながら、徐々に範囲を広げていくと良いと思います。

最初に書いた通り、1次検定と2次検定ども重要な分野となります。特に意識しながら過去問を反復していきましょう。

次回は第5回 施工管理法(1)の取組です。主に仮設計画、工程計画の問題を取り上げます。

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