前回に続いて、今回は平成25年(2013年)1級建築施工管理技術検定試験 実地試験問題と解答例(問題4〜問題6) です。
問題1~問題3のまとめはこちら。
問題5 施工管理(工程)
問題6 法規
問題4 仕上げ工事
屋根にプレキャストコンクリート板を使用する場合,プレキャストコンクリート板の継手目地部は,平場部のルーフィング類の張付けに先立ち,両側のプレキャストコンクリート板に 40 (③) mm 程度張り掛る幅のストレッチルーフィング (②) を用いて,絶縁増張りをする。
- 解答・解説
- (解答)③ 100
(解説)プレキャストコンクリート部材の接合部の目地処理は、増張り用シートを両側に100mm程度ずつ張り掛けて絶縁増張りとする。(公共建築工事標準仕様書より)
- 解答・解説
- (解答) ③ 2
(解説)改良圧着張りは、張付けモルタルの1回の塗付け面積の限度は、張付けモルタルに触れると手に付く状態のままタイル張りが完了できることとし、2㎡/人以内、かつ、60 分以内に張り終える面積とする。(公共建築工事標準仕様書より)
施工後の養生期間は,常温で 7日以上,冬期間は 14 (②) 日以上とし,施工場所の気温が 5 (③) ℃ 以下の場合は施工しない。
- 解答・解説
- (解答) ① 避けて
(解説)セルフレベリング材塗りの際は、直射日光や風が直接当たらないよう留意する必要があります。
- 解答・解説
- (解答)② 入れずに
(解説)金属板は、金属板葺形式に応じて、所定の形状及び寸法に加工する。金属板の折り曲げは、塗装及びめっき並びに地肌に、亀裂が生じないように行う。⇒つまり切れ目を入れないようにする。
- 解答・解説
- (解答)① エッジ
(解説)構造ガスケット構法において、ガラスのエッジクリアランスが大きくなると、かかり代が小さくなる。これは第一次検定で出題される内容ですね。
ボードの張付けにおいては,ボード圧着の際,ボード下端と床面との間を 10 (③) mm 程度浮かした状態で圧着し,さらに調整定規でたたきながら,所定の仕上げ面が得られるように張り付ける。
- 解答・解説
- (解答)① 1
(解説)直張り用接着剤は1時間程度で使いきれる量ですね。これは第一次検定でも頻出の問題ですね。
- 解答・解説
- (解答) ② 上向き
(解説)スプレーガンのノズルは約50cmほどの距離よりやや上向きに保ち吹き付けます。
- 解答・解説
- (解答) ① 5
(解説)工法が横壁アンカー工法の場合、受金物は、パネル積上げ段数5段以下ごとに設ける。(公共建築工事標準仕様書より)
問題5 施工管理(バーチャート工程)
〔工事概要〕
構造・規模:鉄筋コンクリート造地下1階,地上6階,塔屋1階,延べ面積 3,000 ㎡ とする。
地業:アースドリル杭とする。
山留め:親杭横矢板・水平切梁工法で外部型枠兼用とし,親杭は引き抜かないものとする。
外壁仕上げ:コンクリート打ち放しの上,複層仕上塗材吹付け仕上げとし,アルミニウム製の横連窓建具とする。
屋上防水:アスファルト防水の上,保護コンクリート仕上げとする。
1. 表中の土工事の A及び杭地業工事の Bに該当する作業名をあげなさい。
- 解答・解説
- (解答)A 切梁架け B 杭頭処理
(解説)1次根切りのあとは乗り入れ構台を設置して切梁架けとなる。
また杭工事の最後は杭頭処理をして、基礎及び鉄筋工事に入る。バーチャート工程は過去5年分の工程をよく眺めて、流れを理解していくしかないですね。
2. 作業の終了日が工程上最も不適当な作業名を表の中より選び,適当な工程となるようその終了日を月次と旬日で定めなさい。
- 解答・解説
- (解答)不適当な工程・・外壁シーリング
終了日・・・・・9月中旬
(解説)外壁シーリングが外部建具工事より前に終了するのはおかしいですね。外部建具工事より後で、複層仕上げ塗材吹き付けより前に終了する流れとなります。
3. 金属製建具工事の内部建具取付け作業の工程は未記入となっている。 適当な工程となるように内部建具取付け作業の開始日及び終了日の期日を月次と旬日で定めなさい。
- 解答・解説
- (解答)8月中旬〜10月中旬
(解説)内部建具取り付けは枠と扉の設置の2工程が考えられる。枠は天井・壁軽量鉄骨下地組がスタートしてしばらくしてから実施し、その作業が終了する頃まで継続する。
問題6 建築法規
1. 「建設業法」 に基づく特定建設業者の下請代金の支払期日等に関する次の文章において,( ① )( ② ) に当てはまる語句を記入しなさい。
- 解答・解説
- (解答)① 注文者 ② 50
(解説)建設業法第24条の5(現在は6)(特定建設業者の下請け代金の支払期日等)24条の2以降の元請人の義務の項が重要である。
2. 「建築基準法施行令」 に基づく落下物に対する防護に関する次の文章において,( ③ )( ④ ) に当てはまる語句を記入しなさい。
- 解答・解説
- (解答)③ 7 ④ 帆布
(解説)建築基準法施行令第136条の5(落下物に対する防護)からの出題。平成26年、令和元年にも同条から出題されている。
3. 「労働安全衛生法」 に基づく労働者の就労に当たっての措置に関する次の文章において,( ⑤ )( ⑥ ) に当てはまる語句を記入しなさい。
建設業に該当する事業者は,その事業場に新たにつくことになった職長その他の作業中の労働者を直接指導又は監督する者 (作業主任者を除く。) に対して,次の事項について厚生労働省令で定めるところにより,安全又は衛生のための教育を行わなければならない。
1. 作業方法の決定及び労働者の ( ⑤ ) に関すること。
2. 労働者に対する指導又は監督の方法に関すること。
3. 1 及び 2 に掲げるもののほか,( ⑥ ) を防止するため必要な事項で,厚生労働省令で定めるもの。
- 解答・解説
- (解答)⑤ 配置 ⑥ 労働災害
(解説)労働安全衛生法60条(安全衛生教育)からの出題。平成29年にも出題されているので要チェック。
まとめ
平成25年(2013年)の過去問題は以上です。
この年の問題は、施工経験記述におけるプレカットの不可、これが一番のポイントでした。それ以外は過去問の取組みで問題のないレベルだったと思います。
令和2年の『施工の合理化』も問題の内容を少し変えているのでうまく記述できなかった人も結構いたようです。どんな問い方に対しても対応するには、記述内容の丸暗記ではなく、論理構成のしっかりした文章を構築する練習だと思います。