【過去問】平成28年 1級建築施工管理実地試験(問題と解答例)問題4〜6

前回に続いて、今回は平成28年(2016年)1級建築施工管理技術検定試験 実地試験問題と解答例(問題4〜問題6) です。

前回の前半戦の問題と解答例はこちら

 

では問題4の仕上げ工事から取り組んでいきましょう。

問題4 仕上げ工事

問題4. 次の 1. から 4. の問いに答えなさい。
ただし,解答はそれぞれ異なる内容の記述とし,材料の保管,気象条件等による作業の中止及び作業員の安全に関する記述は除くものとする。

1. 屋上アスファルト防水保護層の平場部の工事における施工上の留意事項を 2つ,具体的に記述しなさい。
ただし,保護層の仕上げはコンクリート直均し仕上げとする。

記述例
(1) 保護コンクリート中に溶接金網を敷き込む。溶接金網の重ねは、1節半以上、かつ、150mm以上とする。
(2 )コンクリートの厚さは、こて仕上げの場合は、80mm以上とし、床タイル張り等の仕上げの場合は、60mm以上とする。

2. 内装床の張物下地のセルフレベリング材塗りにおける施工上の留意事項を 2つ,具体的に記述しなさい。
ただし,セルフレベリング材は固定プラント式のスラリータイプとし,専用車両で現場まで輸送供給されるものとする。

記述例
(1)セルフレベリング材塗り後の養生期間は、7日以上、低温の場合は 14日以上とし、表面仕上材の施工までの期間は、30日以内を標準とする。
(2)セルフレベリング材の施工完了後は、硬化するまでは、窓や開口部など風が通るのをふさぐ。その後は、自然乾燥状態とする。

3. 鉄筋コンクリート造の内壁モルタル下地面への有機系接着剤によるタイル後張り工法における施工上の留意事項を 2つ,具体的に記述しなさい。
ただし,ユニットタイル張りに関する記述は除くものとする。

記述例
(1)接着剤の1回の塗布面積の限度は、3m2以内とし、かつ、30分以内に張り終える面積とする。
また、練り混ぜる量は、1回の塗布量とする。
(2)接着剤は、金ごて等を用いて平たんに塗布した後、所定のくし目ごてを用いてくし目を立てる。

4. 室内天井せっこうボード下地へのロックウール化粧吸音板張り工事における施工上の留意事項を 2つ,具体的に記述しなさい。
ただし,下地材の調整,開口部補強及び張付け後の養生に関する記述は除くものとする。

記述例
(1)ロックウール化粧吸音板を貼る際にせっこうボード下地の目地と重ならないように割付を行い施工する。
(2)ロックウール化粧吸音板を貼る際に使用する接着剤は、酢酸ビニル樹脂系エマルジョン形のものを利用する。

問題5 施工管理(バーチャート工程)

問題5, 市街地での事務所ビルの建設工事における右に示す工程表に関し,次の 1. から 3. の問いに答えなさい。 なお,解答の旬日は,上旬,中旬,下旬で記述しなさい。

〔工事概要〕
用途:事務所
構造・規模:鉄骨造 地上5階,地下1階,延べ面積 3,200 ㎡ ただし,地下1階は鉄筋コンクリート造とする。
基礎:直接基礎 (べた基礎)
山留め:ソイルセメント壁水平切梁工法とし,応力材の鋼材は引き抜かない。 山留め壁は,地下外周壁の外型枠として兼用する。
揚重:鉄骨建方及び PCカーテンウォールの取付けは,クライミング式ジブクレーンで行う。
外部仕上げ:屋根はアスファルト防水のうえ,保護コンクリート直均し仕上げ,外壁のうち 2面はスパンドレル方式の 50角モザイクタイル打込み PCカーテンウォール,他 2面は工場で仕上げ済みの ALCパネルとする。

1. 工程表中の鉄骨工事の A及び内装工事の Bに該当する作業名をあげなさい。

解答・解説
(解答)A, アンカーボルト設置  B, 床仕上げ
(解説)A 鉄骨工事のB1F鉄骨建方・本締めの前に行われるのはアンカーボルト設置です。
B   壁・天井ボードを貼って壁クロスの後の作業は床仕上げになりますね。

2. 作業の終了日が工程上最も不適当な作業名を工程表の中より選び,適当な工程となるように,その終了日を月次と旬日で定めなさい。

解答・解説
(解答)【不適当な作業名】クライミング式ジブクレーン  【終了日】8月中旬
(解説)この問題は少し迷いましたが、問題の【工事概要】PC カーテンウォールの取付けは、クライミング式ジブクレーンで行う
と明記されているので、PCカーテンウォール取付けの完了日にならないとおかしいですね。

3. 建具工事における 2~5F 外部建具取付けの作業工程は,未記入となっている。 適当な工程となるように,その作業の開始日及び終了日の期日を月次と旬日で定めなさい。

解答・解説
(解答)【開始日】7月下旬 【終了日】8月中旬
(解説)外部建具取付けはPCカーテン取付後〜ガラス取付前に行うのがベスト。

問題6 法規

問題6. 次の 1. から 3. の問いに答えなさい。

1. 「建設業法」 に基づく主任技術者及び監理技術者に関する次の文章において,( ① )( ② ) にあてはまる語句を記入しなさい。

主任技術者及び監理技術者は,工事現場における建設工事を適正に実施するため,当該建設工事の ( ① ) の作成,( ② ),品質管理その他の技術上の管理及び当該建設工事の施工に従事する者の
技術上の指導監督の職務を誠実に行わなければならない。
解答・解説
(解答)① 施工計画 ② 工程管理
(解説)これは旧建設業法26条3項です。令和2年10月1日に改正されていますが、今年度の出題は令和2年1月1日に有効なものとあるので、改正建設業法26条3項については来年以降の出題に反映されます

2. 「建築基準法施行令」 に基づく建て方に関する次の文章において,( ③ )( ④ ) にあてはまる語句を記述しなさい。

建築物の建て方を行なうに当たっては,( ③ ) を取り付ける等荷重又は外力による ( ④ ) を防止するための措置を講じなければならない。
解答・解説
(解答)③ 仮筋かい ④ 倒壊
(解説)建築基準法施行令第136条の6(建て方) 建築基準法施行令については第136条のうち、工事現場の危害の防止についての内容は一通り読んでおきたいですね。(過去の問題は基本そこから出題されています)

3. 「労働安全衛生法」 に基づく健康診断に関する次の文章において,( ⑤ )( ⑥ ) にあてはまる語句を記述しなさい。

事業者は,( ⑤ ) な業務で,政令で定めるものに従事する労働者に対し,厚生労働省令で定めるところにより,( ⑥ ) による特別の項目についての健康診断を行わなければならない。
解答・解説
(解答)⑤ 有害 ⑥ 医師
(解説)労働安全衛生法第66条2項(健康診断) 1〜5項まであるので一通りチェックしておきましょう。

まとめ

平成28年(2016年)の実地試験の出題内容は以上です。

この2016年までの実地試験の問題5 施工管理(工程)の問題はバーチャート工程でした。

そして翌年以降の2017年〜2021年の5年間はネットワーク工程の問題が出題されています。

取り組みの重点はネットワーク工程で問題ないと思いますが、一応このバーチャート工程も5年分の過去問は極力取り組んでおきたいですね。

過去の出題傾向については下記の記事にまとめています。

勉強にあったテキスト・問題集選びをしましょう。

 

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