前回に続いて、今回は
です。
問題5 施工管理(工程)
問題6 法規
問題4 仕上げ工事
ただし,解答はそれぞれ異なる内容の記述とし,材料の保管,作業環境 (気象条件等) 及び作業員の安全に関する記述は除くものとする。
1. 屋上アスファルト防水工事において,平場部にアスファルトルーフィング類を張り付ける場合の,施工上の留意事項を 2つ,具体的に記述しなさい。
ただし,下地及び増張りに関する記述は除くものとする。
- 解答例
- (1)アスファルトルーフィング類の継ぎ目は水下側が下になるように張付け、重ね幅は長手・幅方向ともに100mm以上とする。
(2)アスファルトルーフィングは水勾配に逆らわないように張り、かつ上下層のかさ継ぎ目は、同一箇所にならないようにする。
2. 外壁コンクリート面を外装合成樹脂エマルション系薄付け仕上塗材 (外装薄塗材 E) 仕上げとする場合の,施工上の留意事項を 2つ,具体的に記述しなさい。ただし,材料の調合に関する記述は除くものとする。
- 解答例
- (1)セメントモルタルの下地表面の仕上げは金ゴテ仕上げか木ゴテ仕上げとする。
(2)吹付工法にて塗装を行う場合は、製造所に指定により異なるが、2回吹きとし1回目を下吹き、2回目を仕上げ吹きとする。
3. パラペット天端にアルミニウム笠木を設ける場合の,施工上の留意事項を 2つ,具体的に記述しなさい。
ただし,下地清掃及び防水層に関する記述は除くものとする。なお,パラペットは現場打ちコンクリートとする。
- 解答例
- (1)笠木は天端の水勾配が正しく保持されるように、レベルを調整しながら取り付け、固定金具は1.3m程度の間隔で取り付ける。
(2)笠木の取り付けはコーナー部分を先行して取付け、直線部材についてはパラペット全体の形状を勘案しながら定尺で取り付ける。
4. 外壁下地モルタル面に小口タイルを改良圧着張りとする場合の,施工上の留意事項を 2つ,具体的に記述しなさい。
ただし,下地清掃,張付けモルタルの調合,タイルの割付け及びタイル面洗いに関する記述は除くものとする。
- 解答例
- (1)張付けモルタルは1回の塗り付け面積を2㎡以内とし、モルタル練りからタイル張り施工完了までを60分以内とする。
(2)タイル裏面の張付けモルタルは、1〜3mm程度の厚さにならし、直ちに下地面に押さえつけタイル用ハンマーなどで、タイルの周辺からモルタルがはみ出るまで入念にたたき押えを行う
問題5 施工管理(ネットワーク工程)
工程表は作成中のもので,検査や設備関係の作業については省略している。
各作業の内容は作業内容表のとおりであり,A で始まる作業名は A工区の作業を,B で始まる作業名は B工区の作業を示すが,作業 A8 及び作業 B8 については作業内容を記載していない。
なお,各作業は一般的な手順に従って施工されるものとする。
また,各作業を担当する作業班は複数の作業を同時に行わず,各作業は先行する作業が完了してから開始するものとする。
用途 :事務所
構造・規模:鉄筋コンクリート造地下1階,地上6階,延べ面積 3,200 ㎡
仕上げ :床は,フリーアクセスフロア下地タイルカーペット仕上げ
間仕切り壁は,計量鉄骨下地せっこうボード張りクロス仕上げ,ソフト幅木取付け
天井は,システム天井下地吸音板取付け
1. 作業 A8 及び作業 B8 の作業内容を記述しなさい。
- 解答・解説
- (解答)ソフト幅木取付
(解説)オフィスの内装仕上げの最後は幅木取付ですね。この問題はわかりやすいですね。
※工事概要から読み取れる問題ですね。
2. (始) から (終) までの総所要日数を記入しなさい。
ただし,各作業班は工程に影響を及ぼさないだけの班数が確保できているものとする。
また,この日数で工事を行うときに,作業 A1 及び作業 B1 について最低限手配すべき班数を記入しなさい。
- 解答・解説
- (解答)総所要日数 17日 班数 1班
(解説)クリティカルパスの工程は A1 ⇒B1 ⇒ B2 ⇒ B3 ⇒B4 ⇒ B5 ⇒ B6 ⇒B7 ⇒ B8 ⇒ C で17日が総所要日数となる。
また、A1とB1は日程が被っていないので1班で問題ない。(A1の作業後そのままB1の作業が可能)
3. 作業 A3 及び作業 B3 を担当する作業班が 1班しか手配できないことが判ったため,工程を見直すこととなった。
このときの,次の記述の ( あ )( い )( う ) に当てはまる語句又は数値をそれぞれ記入しなさい。
このため,総所要日数は ( い ) 日,作業 B2 のフリーフロートは ( う ) 日となる。
- 解答・解説
- (解答)あ A3 い 18日 う 1日
(解説)B3は壁せっこうボード張りで1班しか用意できないので、同様のA3の作業完了後でないと開始できない事になる。
また1班なのでA3作業完了後B3作業開始となる。クリティカルパスとしてはA1→A2→A3→B3→B4→・・・Cを合算すると18日となる。
B3の最早開始時刻は5日、B2の最早開始時刻は2日で作業日数は2日なので、フリーフロート(余裕日数)は5日-(2日+2日)=1日となる。
問題6 法規
1. 「建設業法」 に基づく建設工事の見積り等に関する次の文章において,( ① )( ② ) に当てはまる語句を記入しなさい。
- 解答・解説
- (解答)① 請負契約 ② 経費
(解説)建設業法第20条(建設工事の見積り等)第1項からの出題。一応この第20条は理解しておきましょう。
2. 「建築基準法施行令」 に基づく仮囲いに関する次の文章において,( ③ )( ④ ) に当てはまる語句又は数値を記入しなさい。
工事期間中工事現場の周囲にその地盤面 (その地盤面が工事現場の周辺の地盤面より ( ④ ) 場合においては,工事現場の周辺の地盤面) からの高さが 1.8m 以上の板塀その他これに類する仮囲いを設けなければならない。
ただし,これらと同等以上の効力を有する他の囲いがある場合又は工事現場の周辺若しくは工事の状況により危害防止上支障がない場合においては,この限りでない。
- 解答・解説
- (解答)③ 2 ④ 低い
(解説)建築基準法第136条の2の20の条文からの出題。第136条2の20、3、4、5、6、7、8の工事現場の危害の防止に関する条文を理解しておくと良いでしょう。
3. 「労働安全衛生法」 に基づく事業者等の責務に関する次の文章において,( ⑤ )( ⑥ ) に当てはまる語句を記述しなさい。
- 解答・解説
- (解答)⑤ 工期 ⑥ 条件
(解説)労働安全衛生法第3条第3項の条文からの出題。こちらも第3条は一通りチェックしておきましょう。
※過去問題で出題された条文については、同じ条文の同じ項も読んでいくのも効率的な勉強法です。
まとめ
平成30年(2018年)の実地試験の出題内容は以上です。
この年の仕上げ工事の施工上の留意事項を記述する問題、個人的には少し苦手な内容でした。
躯体工事より仕上げ工事の方が施工上の留意事項の出題範囲も広く難しいですね。
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