【令和5年】1級建築施工管理技士 第二次検定に合格するために知っておきたい事

少しベタなタイトルですが、改めて今年(令和5年)の1級建築施工管理技士への合格するためには、どう勉強に取り組むべきかについて書いておきたいと思います。

以前、令和3年度の合格者へのアンケートを取ったのですが、勉強方法や勉強時間は人それぞれです。

ただ、独学での受検者は多くの場合、コツコツ毎日努力を積みあげているように思います。

そんな事例を取り上げながら紹介したいと思います。

1日の勉強時間は?

おそらく多くの方は8月下旬や9月上旬から勉強が徐々に本格化するものと思われます。

 

さて合格した人たちは、1日どれくらいの勉強時間を確保していたでしょうか?

平日3時間
休日4時間

と毎日かなり頑張っている方もいれば、

平日1時間
休日5時間

と休日にまとめて勉強する方、

平日、休日とも1時間

と割と短時間の方も少ないながらもいます。

ちなみに平均勉強時間をある程度平準化すると、

平日は、1時間から1時間半
休日は、4時間から6時間

だいたいこんな感じの受検生が多かったですね。

※平成2年にも同様にアンケートを取っていますが、勉強時間は平均するとこんな感じです。

またラスト2週間集中型の方もいらっしゃいました。

 

よほど、知識に自信のある方を除いては、この勉強時間を確保できるかを、まず自分の計画に折り込んでみると良いでしょう。

また集中できないとき、遊びたいときは切り替えても良いと思いますが、テキストを開かない日が3日続くと黄色信号だということを自覚しておきたいですね。

第一次検定対策との違い

6月に実施した第一次検定とは求められる知識は同様ですが、それに加えて、

・自分の経験値を正しく表現する力。(施工経験記述)
・知識や経験として覚えた内容を文章で記述する能力。
・工程表を読み込んで、学んだネットワーク工程を読み解き解答する力
・元請の施工管理者として、正しい法規とその関連用語の知識
上記の通り、テキスト読んでふわっと暗記するだけでは合格することが難しい試験となっています。
第一次検定ならば、必要な基本知識(各工事や法規に関する)を一通り履修すれば、その後は通勤時間などの隙間時間を活用して過去問に取り組むことでクリアが可能な試験です。
しかしながら第二次検定は、

自宅や勉強が可能な環境で、ノートと筆記具を用意して記述演習に取り組む時間をある程度確保する必要があります。

特に最後の2週間程度は、この勉強時間をどれくらい確保できるかがポイントになってきます。

 

若い人は別として、年齢が高くなればなるほど記憶の定着に時間を要します。(私もそこそこ時間を要しました)

記述練習なくして、記憶の定着は難しいと考えて良いでしょう。

全体計画を考えよう

ここは私の受検時代を振り返ってみましょう。

私は専門学校に通ったので、早めに施工経験記述を固めました。

・8月上旬〜9月中旬 施工経験記述練習をこの時期でほぼ内容を固めた。
・8月中旬〜9月下旬 専門学校の演習課題で問題2〜6をテキストを見ながら書いていって一通りの履修
・9月下旬〜試験    過去問ベースでひたすらノートで書いていった。(特に問題2、3を中心に)
私はだいたいこんなスケジュールでした。
私の場合、あまり早い時期から記述練習してもすぐ忘れるだろうなと思い、そこは最後に集中的にやりました。(覚えたら忘れない人は早めの着手も良いでしょう)
最低でも2週間は徹底的に、テキストをあまり見ずに文章を記述する練習を取り入れた方が良いでしょうね。
そして独学の場合は、自分の軸となるテキストを選ぶ必要があります。
ちなみに合格者アンケートを取ったところ、概ね上記テキストはバランスよく購入されている感じでしたが、
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この2つのテキストの利用者が多かったように思います。

勉強のリズム・習慣の構築

一般的に資格取得の成功するのは、この題名の通り勉強が習慣化されることです。

・体重を5kg減らしたい。

・筋トレとランニングを始めて、食べ過ぎないようにしよう。

・週3回のスクワットと腕立て伏せ、週3回は5kmずつ走る。

・夜ご飯だけ糖質制限しよう。

3ヶ月継続
これは一つの例ですが、きっちり継続すれば何らかの成果が出ると思います。
資格取得も同じですね。
1日3時間頑張ろうと意気混んで挫折するより、まずは1日30分でもやろうと継続させる事が大事だと思います。
私の経験でも3日くらいテキスト開くのやめると、あっと言う間に1週間何もしなかった、という事はままあります。
そういった意味でも、自分の苦手分野の勉強が嫌ならば、まずは得意分野をより伸ばすことに重点を置いた方が勉強が継続しやすいかもしれません。

合格するにはまず施工経験記述での得点が大切

私の推奨する勉強の手順は、まず施工経験記述からの取組みです。

直近3つのテーマの施工経験記述を記述に取り組んでみる。(品質管理・施工の合理化・建設副産物)
・ある程度の記述例に触れながら、自分なりの記述パターン(構成)を固める。
・ある程度記述できればその前の3年の施工経験記述にも取り組んでみる。
ここである程度、自信がつけば良いでしょう。
どうしてもうまく記述出来ない、先輩に見てもらっても、わかりにくいと言われるがうまく書けない。
この場合は、施工経験の添削サービスなどを依頼するのも一つの方法。
正直なところ、ここでの点数が取れないと合格は非常に厳しいと思って間違いありません。
当サイトでも施工経験記述添削サービスを実施しています。
書き方がよくわからない方や、第三者になかなか見てもらえない方は是非お申し込みを!
施工経験記述で、8割程度は得点が確保できそうだと自覚が生まれれば、自分なりに戦略を立てましょう。

この記事の最後で令和5年の第二次検定の配点を予想しています。

自分のシナリオで構いません。全体のバランスでどのように6割程度の得点を確保して合格できるかをシュミレートします。
その計画に基づいて、問題2〜6の重点の取り組みバランスを考える必要があります。
この記事でも触れていますが、私の場合、『施工経験記述である程度高得点を取って、他の問題2~6は正答率は半分でも良い』と考えると気が楽になりました。
そして過去10年の関連ある問題を中心に取り組み、過去問に出題されてないものは分からなくても良いと割り切ることが可能になりました。
この技術検定の成否の多くは『施工経験記述』です。
また逆に問題2~6は8割程度得点取る自信があるから、『施工経験記述』は大崩れしないように気を付けよう、という方もいるかもしれませんね。

施工経験記述では丁寧な記述で減点を避ける

私は多くの受検生の施工経験記述を見てきました。

実際の試験もマークシートと異なり、機械ではなく人間が採点します。

いつも指導の際には伝えるのですが、

  • 専門用語を使ってもわかりやすいシンプルな日本語(だれが読んでも理解できる文章)
  • 読みやすい文字

この要素がとても大切です。

文字は綺麗である必要はなく、

・丁寧であること。
・はっきりとわかりやすさを心がけて書くこと(続け字的に乱雑にならないこと)
急いで雑に書いてあり読みにくい字だと、微妙な漢字だと誤字判定したくなることがあります。(採点者の心理として)
また文章も長くなり、文章の接続が多くなると読みにくくなります。
わかりやすさを強調するには、必要に応じて文章を切っても良いと思いますし、専門用語以外の文章は建設業従事者でなくともわかりやすい平易な文章を心がけてください。
そして専門用語の誤字は避けたいですね。
誤字のとても多い人が、資格者に相応しいか?と問われると、やはり厳しいです。つい間違えがちなクセになっている誤字には注意しましょう。
施工経験記述に関しては下記に限らず、多くの記事がありますので目を通してください。
上記の記事では『施工経験記述』の記述のポイントの一部をまとめていますが、なかなか自分の文章は客観視しにくいと思います。
その場合、
・既に有資格者の先輩、同僚
・建設業従事者の知り合いなど
・全くの建設業に関係のない知り合い
・奥さんでもいいので誰かには見てもらおう
誰でも良いのでフィードバックをもらいましょう。
内容的なものは有資格者に見てもらうのが良いでしょうし、単純にわかりやすい文章になっているか、という観点では身近な知り合いや奥さんで全く問題ありません。
自分の文章を見てもらうことはとても大事です。
今日のスーツとワイシャツの組み合わせがおかしくないか見てもらう感覚で、身近な人からの客観評価はとても大事です。

1ヶ月を切ったら最後の追い込み

9月中旬くらいまでは、

・自宅では施工経験記述の演習
・隙間時間を使って問題2~問題6の知識のインプット
インプットは通勤時間や移動時間の有効活用ですね。
こういう時間を有効に使いたい方は、通信講座(e-ラーニング)を通勤時間等でスマホを活用して目と耳を活用する勉強の効果は高いと思います。
このベースを蓄えながら、最後の1ヶ月を切る頃より記憶の定着に進めることが出来ればベストです。
ここからはノートを用意して、
・仮設や安全管理における留意事項の記述演習
・躯体工事と仕上げ工事の施工上の留意事項の記述演習
・それ以外の過去問(問題3と問題6)も実際にノートに書いて覚える。
これを繰り返していきます。
さてこれをどこまでやるかは、個々の判断となります。
上記の記事にもまとめていますが、
  • 問題2 仮設計画か安全管理に関する出題
  • 問題4 躯体工事 と 問題5 仕上げ工事 は留意事項と選択問題が隔年交互

私の場合、仕事の兼ね合いや、また何とか施工経験記述で得点を稼ごうと考えていたので、例年の出題傾向を信じて過去問は10年のうち問題2〜4に関しては受検年の奇数年のみしか取り組みませんでした。

この当たりは、もう受検者の判断となりますね。不安であれば幅広く取り組んだ方が良いし、それとも割り切ってしまうかは個人の考え方であり、自己責任での判断となります。

ネットワーク工程と法規の問題

今年の合格者の方の声の中で、

・ネットワーク工程
・法規
この2つがなかなか得点が取れなかった、という人は多かったです。
法規の問題、これは出題内容全てを網羅するのはなかなか難しいですね。過去問だけはしっかり覚えて、後は割り切っても良いかもしれません。
ネットワーク工程は苦手意識を持つ人も多いのですが、これはしっかり取り組めば理解できるので、過去問を中心に取り組んで得点源にしてほしい問題でもあります。

まとめ

さて、暑い時期が続きますが、今回この記事を作成したのは、そろそろ勉強を本格化する準備に入ってもらいたいと思ったからです。

日が過ぎるのはあっという間ですが、合格するにはある程度の勉強量は必要だと思います。

 

当サイトでも合格者が増えるよう、引き続きわかりやすい解説を増やしていこうと思っていますので、どうぞよろしくお願いします。

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