本記事は、令和3年の第二次検定向けに作成した記事です。
先日、令和4年受検者向けの出題内容とその傾向と対策の記事は下記にまとめています。
最新版なのでぜひお読みください。
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そして10月に実施される第二次検定も新たな施工管理法の知識問題が新たに出題されますが、まずは昨年までの出題の傾向をきっちり把握することからスタートしましょう。
これは昨年多く読まれた記事です。
今年は試験制度の改正により、新たなに書き下ろしました。
今回は昨年までの実地試験内容+新たな問題を加えてまとめたいと思います。
本記事は、内容を定期的にアップデートしていきます。
・第二次検定の試験基準
・従来の問題の傾向と対策(実地試験)
・新分野の問題はどうなる?
第二次検定の出題基準
ほかの記事でも書いていますが、今年からの第二次検定の試験基準は下記の通りとなっています。
施工管理法 | 1 監理技術者として、建築一式工事の施工の管理を 適確に行うために必要な知識を有すること。 |
2 監理技術者として、建築材料の強度等を正確に把握し、及び工事の目的物に所要の強度、外観等を得るために必要な措置を適切に行うことができる高度の応用能力を有すること。 | |
3 監理技術者として、設計図書に基づいて、工事現場における施工計画を適切に作成し、及び施工図を適正に作成することができる高度の応用能力を有すること。 |
今年度に新たに加わったものは1です。これは、第一次検定に合格して『技士補』の資格を取得後、しばらくして第二次検定を受検する事も想定して従来の学科試験の知識の確認の問題と思われます。
今までは学科試験を合格しての実地試験と連動していましたからね。
この1は施工管理法の管理知識問題として選択式(五肢一択)の問題として出題される予定です。
2021年受検者向けに第二次検定対策のテキスト・問題集選びに参考にして欲しい記事です。
出題内容及び構成
まずは昨年までの実地試験の出題内容及び構成です。
- 施工経験記述
- 安全管理・仮設計画の一般記述
- 躯体工事
- 仕上げ工事
- 施工管理(工程)
- 建築関連法規
いつからかは調べてないので不明ですが、長らく出題構成は変わっていません。
そして2021年の第二次検定はこれに加えて、
- 施工管理法 知識問題(五肢一択)
が出題される事になっています。
さてこの問題が出題される事により、従来の問題はどれかなくなるか?という部分が気になるところですが、
先日実施された第一次検定の問題構成を見る限り、第二次検定も従来の問題構成は維持しながら、問題1~6の一部の問題数を調整するのではないかと思います。(第一次検定も総出題問題数は変わらなかった)
実際の出題は?
- 施工経験記述
- 安全管理・仮設計画の一般記述
- 施工管理(ネットワーク工程)
- 躯体工事
- 仕上げ工事 ⇒五肢一択の問題に変更
- 建築関連法規 ⇒五肢一択の問題に変更
という結果でした。
要するに従来の問題が五肢一択形式になったという事です。問題数も変わらずでした。
※来年は躯体工事が五肢一択になった、仕上げ工事が施工上の留意事項の記述問題になるのかな?
ちなみに昨年までの過去問11年分はこちらの記事でまとめています。
旧実地試験・問題1〜6の傾向と対策
問題1 施工経験記述
第二次検定で最も重要な問題はみなさんご存じ施工経験記述です。
1級建築施工管理技士の資格の大きなポイントは、指導監督的実務経験です。単なる知識を持っているだけではダメですよ、というのがこの資格です。
そして自分が建築工事で経験してきた指導監督的実務経験を表現するのがこの施工経験記述の問題です。
この問題がほとんど記述できない場合、合格できる公算は極めて低いと思われます。
出題されるテーマはここ10年は3つに絞られています。
- 施工の合理化
- 品質管理
- 建設副産物
そしてここ10年の出題順番は、
2020年(令和2年) | 施工の合理化 |
2019年(令和元年) | 品質管理 |
2018年(平成30年) | 建設副産物 |
2017年(平成29年) | 施工の合理化 |
2016年(平成28年) | 品質管理 |
2015年(平成27年) | 建設副産物 |
2014年(平成26年) | 品質管理 |
2013年(平成25年) | 施工の合理化 |
2012年(平成24年) | 建設副産物 |
2011年(平成23年) | 品質管理 |
※平成30年の臨時試験は『施工の合理化』でした。
基本的には、ほぼローテーションは守られているのですが、2016年は『施工の合理化』だと思っていたら、『品質管理』が出題されました。
個人的には3つのテーマは記述できるようになることを薦めています。この3つの問題が記述出来るようになると、ある程度記述のコツみたいなのがわかってきます。
現実的には、私の知る限り2年連続の同じテーマで出題がされた例を知らないので、今年は①建設副産物 ②品質管理 の出題可能性が高いと思います。(絶対的な保証は出来かねますが)
試験に合格するならば最低2つの出題の取組み、出来れば3つの取組み推奨ですね。
※施工経験記述の書き方がわからない、また見てもらえる人がいない方向けに下記サービスを開始しています。
【参考記事】
テーマ毎の施工経験記述の内容。
問題1-2の対策
施工経験記述ネタにご活用ください。
問題2 仮設計画・安全管理
問題2は一般記述問題です。
2020年の出題は『設備又は機械を安全に使用するための留意事項を2つ』を記述する安全管理の問題でした。
- 外部枠組足場
- コンクリートポンプ車
- 建設用リフト
そして2019年の出題は、『設置計画の作成に当たり検討すべき事項を2つ』を記述する仮設計画の問題でした。
- 荷受け構台
- 鋼板製仮囲い(ゲート及び通用口を除く)
- 工事用エレベーター
この『安全管理』と『仮設計画』に交互に出題されています。
順当に行けば、2021年(令和3年)は『仮設計画』の出題確率が高そうですね。
過去に出題された内容などをまとめた記事はこちら↓
問題3 躯体工事
次に躯体工事に関して。
ちなみにこの躯体工事と問題4の仕上げ工事の出題方式は同じで2種類が交互に出題されます。
- 施工上の留意事項を記述する(4問✖️2コ)
- 誤りの語句・数値を見つけて正しい語句・数値に正す。(8問)
そして躯体工事が①の留意事項の問題であれば、仕上げ工事は②の正誤問題が出題される形式が続いています。
2020年(令和2年)の躯体工事の問題は、②の正誤問題でした。
- つり足場の作業床
- 土工事
- 既製コンクリート杭工事(埋込工法)
- 鉄筋工事
- 型枠工事の型枠支保工
- コンクリート工事(シュート)
- 鉄骨工事の高力ボルト
- 鉄骨工事の現場溶接
3つの下線(語句・数値)から誤りを1つ見つけて、正しい語句や数値を記述する問題となっています。
そして2019年(令和元年)の問題は、
- 山留め支保工
- 鉄筋の組み立て
- コンクリート打ち込み
- 鉄骨の建入れ直し
4問が出題され、それぞれの施工上の留意事項を2つ記述する問題となっています。
奇数年・・・施工上の留意事項を2つ記述する問題(4問✖️2)
※但し2009年に出題された内容が多く、難しいと感じた人も多かったように思います。
問題4 仕上げ工事
次の仕上げ工事は先ほど書いた通り、躯体工事と対の関係になっています。
2020年(令和2年)の出題内容は、施工上の留意事項を2つ記述する問題。
- 有機系接着剤を用いた外壁タイル張り
- 金属製折板屋根葺(屋根工事)
- せっこうボード下地にロックウール化粧吸音板張り
- 断熱工事で吹付け硬質ウレタンフォームの吹付け
この4問です。過去の出題傾向を見ても2問は確実に答えたいところですね。
次に2019年(令和元年)は正誤問題です。
- アスファルト防水密着工法
- 外壁タイル後張り工法
- 金属製折板葺き
- 軽量鉄骨工事
- セメントモルタル下地の表面仕上げ
- 防炎シャッター
- パテ処理の工法
- せっこうボード直張り工法
この8問でした。例えば問題1の場合だと、
- 解答・解説
- (解答)③ 240℃(※〜260℃までは正解になると思う)
(解説)『低煙・低臭タイプアスファルトの溶融温度の上限は、溶融粘度が低いことと煙の発生を抑制するために240℃〜260℃とされている』と建築工事監理指針に記載されている。
2021年はこの正しい語句・数値を記述する正誤問題が出題される可能性が高そうです。
問題5 施工管理(工程)
問題5は工程の問題です。昨年含めてここ4年間はネットワーク工程が出題されています。
私が受検した時代はバーチャート工程の問題です。
個人的にはネットワーク工程だけ勉強すればいいんじゃない?とは思うものの、一応過去10年の問題は取り組んだ方がよいでしょうね。
【バーチャート工程】
過去問題10年のうち6年がバーチャート工程です。鉄骨造・鉄筋コンクリート造それぞれの工程の流れを理解しながら問題を解くことを繰り返してみてください。そのうちどういう施工の順番が正しいのか、おかしいのかわかってきます。
私の時代は過去10年分の工程をひたすら眺めていました(笑)
そうすると徐々に苦手な工種であっても、工程の違和感を感じ正解を導くことが可能になります。
【ネットワーク工程】
2020年度の実地試験の合格者24名にアンケートをさせて頂きましたが、このネットワーク工程が苦手で試験でもうまくいかなかった人の割合が高かったです。
取り組むにあたってはまずこの記事をさくっと読んで欲しいのですが、
第二次検定で重要になってくるのは、
- クリティカルパスの概念
- フリーフロー
この2つです。
第二次検定におけるネットワーク工程に関する解説記事です。
どうしても試験の際に、苦手分野が生まれるのは仕方ないと思います。ただこのネットワーク工程は点数を確保する問題として取り組んでほしいですね。
問題6 建築法規
例年ならば最後の問題6は建築法規の問題です。
- 建設業法
- 建築基準法施行令
- 労働安全衛生法
この3問構成です。(1問に2つの空欄があり正しい語句・数値を記入する)
上記の法規は多くの条文がありますが、出題される範囲はかなり絞られています。
新分野の出題(施工管理法の知識問題)
そして今年から出題される施工管理法の知識問題です。
第一次検定では施工管理法の応用能力問題(施工管理技士補になりうる)が新分野の問題として出題されました。
昨日実施の1級建築施工管理技士の第一次検定
施工管理法の応用能力問題は6問の出題でしたね。
(予想は大外れ)・6問×60%だと4問正解しないと不合格?
・五肢二択で2問正答しないと正解にならない。6問で4問だと少し厳しいですね。
— Kensuke@1級建築施工技士資格取得のサポーター (@1kansekou2020) June 14, 2021
10問は最低出題されるのでは?と思っていたら6問でした。
こちらでも詳細を振り返っています。
ということで、第二次検定も6問程度だろうと思っています(笑)
まあ一応4問~8問くらい?という程度で。
というのは、過去に出題されている旧実地試験の問題は6問。
ここから施工管理技士になるために不要な問題はなく、バランスの取れた出題構成となっています。
なので従来の6問を出題しながら、この知識問題も出題したいところだと思います。
これは昨年までの配点予想ですが、また2021年向けの配点を分析しておきたいと思います。
そしてこの施工管理法の知識問題ですが、
- 躯体工事の問題
- 仕上げ工事の問題
- 上記の施工計画・仮設・品質・工程・安全管理などの問題
が出題されると思われます。
学科試験の上記問題の反復、実地試験の正誤問題の反復などを取り組めば問題ないでしょう。
学科試験は四肢一択、第一次検定は五肢二択でしたが、この第二次検定は五肢一択です。
新しく何かを学ぶ必要はなく、従来の試験の中での知識の学びで問題ないでしょう。
まとめ
昨年もこの出題傾向とその対策の記事は、多くの方に読んで頂きました。
受検者が勉強を進めるうえで、まず知ってほしい出題内容とその傾向です。
また専門学校は費用がかかりすぎる、独学では不安だという方は、通信講座の選択もありだと思います。
なので上記に関連する記事のリンクはあまり貼らず、徐々に記事をアップデートしたいと思います。
試験まで1ヶ月となりましたね〜。
試験1ヶ月前で、勉強が遅れ気味な人はまだ間に合うか、ということについてコラムをまとめています。
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