毎日暑いですね。そしてオリンピックも開催され、私もしばらくはスポーツ応援モードです。
ただこんな時期ではありますが、そろそろ試験対策の準備を進めたいところです。
独学で進めている方、また補助的にテキストが必要な方はどんな本を選んでいますか?
※令和4年(2022年)版の選ぶべきテキスト・問題集の記事をまとめました。
・どのような順番で勉強を進めるか?により選ぶテキストは異なる
・私がチェックした問題集・テキスト
・知識補足の参考書
勉強の手順を考える
昨年までの1級建築施工管理技士の実地試験の問題構成はほぼ固定されていました。
- 施工経験記述
- 仮設計画・安全管理
- 躯体工事
- 仕上げ工事
- 施工管理(工程)
- 建築関連法規
- ※施工管理法の知識問題(本年度より)
基本的に上記の問題1〜6に加えて新たに7が今年の試験対策に取り組むべき内容です。
(2021年は実際にこのような出題構成になるかは分かりませんが、あくまでも取るべき対策の話です)
そして勉強の進める手順は大きく2つ。
- 上記の⑦つの出題分野を分野ごとに勉強を仕上げていく。(多くの人はこれだと思います)
- 分野関係なく、年次毎の過去問を進めていく。
多くの人はどちらかの勉強方法で進めていくと思います。
専門学校や通信講座、そして多くのテキストは出題分野毎に勉強を進める形になっています。
ただしある程度の建築知識と経験がある人は、過去問をやるのみ、というやり方もあるでしょう(あまり多くはいないと思います)
まずは独学で資格を取得しようと考えているなれば、どちらの種類のテキストを選択するかを考えてみてください。
また上記の過去問ベースのテキストとは異なり、補助資料として参考書も一応持っておいた方が良いでしょう。
過去問集・テキスト選び
日建学院
【過去問年】2020年(令和2年)〜2011年(平成23年)の計10年分
【解答・解説】問題1-1の施工経験記述例は3つまとまっている。
それ以外の記述問題の解答は所定の数の解答例+解説にいくつか事例がまとまっている。
【総評】ある程度知識があり、最後の過去問のまとめとして使うのは良いと思うが、これをベースに勉強をするのはあまり進めない。
(上級者は別ですが)
地域開発研究所
短期講習でもお馴染み一般社団法人地域開発研究所のテキストです。
【過去問年】2020年(令和2年)〜2011年(平成23年)の計10年分
【解答・解説】問題1-1の施工経験記述例は躯体工事✖️4例、仕上げ工事✖️4例でまとまっている。
※建設副産物は✖️各6例
他の問題についても全て解説は丁寧に記載されている。
ただし全てモノクロで、ポイントがまとまっているというより淡々と解説文が入っているので、ある程度は知識がある人に向いているように思う。
【その他】過去問とその解説は最初の200ページ程度、あとの400ページは各工種別に過去に出題されそうなポイント(材料・施工・検査などの留意内容)をまとめた参考書として利用できる。非常に重要なポイントがしっかりまとまっているので、これを理解できればほぼ完璧だと思うが、なかなかそこまでやり切るのは難しいのではと思う。
※公共建築工事標準仕様書、建築工事監理指針などのポイントをまとめた感じ。
【総評】過去問と参考書の両面を持っており、内容も充実している。ただし独学で初めての挑戦で少し知識が不足している場合はこのテキストは少々ハードルが高いと思う。ただしこれをこなす事が出来れば問題なく合格できるだろう。
とても良書だが、初受検の際の私なら挫折したと思う(笑)
GET研究所
8月16日に発売されたばかりのGET研究所の対策本です。私の手元にも届いたので早速レビューしてみたいと思います。
【過去問年】2020年(令和2年)〜2011年(平成23年)の計10年分
【解答・解説】基本的には分野毎に過去10年の問題を解説付きで進めていく形式だが、そこに至るまで多くの学びが得られるようになっている。学習手順のガイダンス、最新問題の解答の要点をまとめたリストがあり、そこから各章ごとに進めていく。
施工経験記述は記述にあたってのポイント、例を上げながら説明してくれるので、初心者でも何となく書けるだろう。
また問題2〜問題6の章も最初に重要項目集で概略のまとめがあるので、最低限の知識を持って過去問に進めるのが特徴となっている。
それ以外には模試が2回分、そして施工管理法の知識問題の対策としての重要項目のまとめと、第二次検定対策としての一通りの必要な内容がまとまっている。
【総評】完全に独学で進めたい、かつ苦手な分野も多い場合は最もお勧めのテキストだと思う。またYOUTUBEで動画解説も公開しているのでテキストのみで理解できない部分の学習も可能。過去問を解説でしっかり理解した上で、精選模試で仕上げると完璧だと思う。施工経験記述の記述例は著者も言っている通り、エッセンスのみを書いているので、そこからの文章の骨組みは自分で考える必要がある。
秀和システム
【過去問年】2020年(令和2年)〜2013年(平成23年)の計8年分
【解答・解説】
・受検のガイダンス⏩ざっと試験の概要と出題傾向を簡潔にまとめている。
・その後分野別の過去に出題された内容をもとにポイントを絞った解説と記述で編集されている。(施工経験記述の記述例は多め)
・最後に8年分の過去問が取り上げられている。
【総評】この書籍は一から学ぶというより、記述対策に必要な要点がまとまっている。施工経験記述の書き方・ポイントにもかなりページを割いており丁寧である。問題2~4の記述対策でもこの書籍のまとめ方はとても覚えやすいと思う。
書籍は黒文字と赤文字の2色構成でわかりやすいと思う。
ある程度ベースがあれば、重点項目に絞ったこの本はとてもお薦めだと思う。
彰国社
【過去問年】2020年(令和2年)〜2016年(平成28年)の計5年分
【解答・解説】まず最初に過去問をベースとした施工経験記述の解説と記述例にかなりのページを割いている。また記述の際のポイントも押さえているので、施工経験記述がさっぱりという人には良いと思う。
問題2~6の対策としては、各問題毎の要点をまとめた後、分野毎に合計問題293問を解きながら学ぶ方式。ざっと見た感じ過去に出題された内容+αの知識は学べる。ただし知識の整理には使いやすいと思うが、体系的に一から学ぶ場合は少し使いにくく感じるかもしれない。
【総評】上記にも書いた通り、施工経験記述例は豊富なので、基本的な記述のポイントは学べると思う。
その他
基本は上記の中のテキストを購入したら、それに取り組むで良いと思います。
気休めに持っておいたも良い書籍だけ紹介します。
私がサイト運営上でもよく参考にしているのはこの建築工事監理指針です。工事監理者向けの書籍ですが、施工上の留意事項などの解答はこちらを参考にします。公共建築工事仕様書と異なり、監理者側からのポイントがまとまっており情報量も豊富です。
今年の第二次検定の『施工管理法の知識問題』の対策はこちら。
基本的には学科の復習でも問題ないのですが、持っておいても良いでしょう。
独学者の施工経験記述の対応
市販のテキストには、施工経験記述の多くの記述例が出ているものもあります。
まあいわゆる汎用的な解答です。記述方法がわからない場合、それを参考にして文章の書き方などを学ぶのはとても良いと思いますし、私も色々参考にしました。
ただ、解答例には工事概要とは別のくくりでまとまっています。
つまり同じ内容の記述をしてそれが正解になるかというと、それは違います。採点者はまず、受検生の工事概要を熟読して、それをイメージしながら本文を読みます。
実際に内容は良いんだけど、記載している工事の内容と少し違和感感じる記述というのは結構あります。
私が多く経験してきた添削指導のポイントはそこにあります。
自分の経験した工事と、記述内容がうまくマッチングできるようになり、施工経験記述で確実に得点を取りませんか?
・記述した内容を覚えて試験に望むのではなく、応用が効く記述にする。
まとめ
私が受検した際の第二次検定(当時の実地試験)での悩みは、正解と不正解の境界線がよくわからないことでした。
どんな施工経験記述を書けば良いの?
どれだけ空欄を埋めたら良いか?
そんなことを悩みながら、情報をインターネットでも集めていましたが、正解はわかったようなわからないような。
上記で紹介したテキストにおいても、多くの施工経験記述の記述例がまとまっています。
じゃあその通りを記述すれば満点を取れるか?というとそんな簡単な事でもありません。
自分が経験した工事概要と内容がきっちり違和感なくマッチしているか?
また記述例はエッセンスなどをまとめただけのものも多いです。(当サイトの例も同じ)
記述例を参考にしながらも、自分のリアルな経験内容を色んな要素に組み入れる事が出来れば良い解答になります。
そういった前提で多くの解答例を参考にしながら、構成をしっかり自分のものにしてほしいと思います。