令和3年(2021年)2級建築施工管理技士 第一次検定対策を考える

先日に2級建築施工管理技士の令和3年の試験スケジュールが発表されましたね。そして来年度以降の資格制度の見直しにより、試験制度の再編も実施されます。

この記事は2020年12月に作成されたものに基づき、6月の第一次検定の結果を受けて2021年10月にアップデートしています。

ある程度、6月(前期)に実施された内容で対策が可能になるかと思います。

本記事のポイント

・資格制度の見直し(2021年より)
・昨年までの学科試験の内容(確認)
・今年度からの試験基準
・第一次検定対策

技術検定制度(資格制度)の見直し(復習)

ここは他の記事でも散々書いていますが、一応復習しておきましょう。

試験制度の変更

(旧制度)   (新制度)
・学科試験 ⏩ 第一次検定(6月・11月)
・実地試験 ⏩ 第二次検定(11月)

来年6月に実施するのは第一次検定、11月に実施するのは第一次・二次検定となります。

施工管理技士補という資格の誕生

第一次検定に合格すると、国家資格として『施工管理技士補』の称号が付与されます。

2級 第一次検定(合格) →2級施工管理技士補 → 第二次検定(合格)→2級施工管理技士
従来は学科試験⏩実地試験⏩この2つに合格して1級・2級施工管理技士でしたが、資格の階層が増えたのがポイントです。
2級建築施工管理技士補の資格に大きな効用はありませんが、満17才以上より受検資格が得られるので、まずこの資格を取得して実務経験を積む事も可能です。
現行の制度は学科試験合格後、実地試験に2度落ちると、再度学科試験からスタートでしたが、新しい制度は既に資格が成立するので、この第一次検定に合格後は2級建築施工管理技士の資格は第二次検定のみの受検で良いことになります。

受検資格の一部見直し

2級第二次検定合格者は、1級受検に必要な実務経験を積む前に1級第一次検定を受検が可能になります。

国土交通省HPより引用

2級の第二次検定に合格し、2級建築施工管理技士の称号を得ると、1級の第一次検定の受験が可能になります。(第二次検定は所定の実務経験が必要)。

うまく行けば2級資格取得後、翌年には第一次検定を合格すると1級建築施工管理技士補の称号を得られます。

そうなると来年度以降に監理技術補佐の業務につくことが可能になるのは大きなポイントですね。

1級建築施工管理技士を受検するための実務経験が足りない場合、このプロセスを踏むことが可能になるのは、とても大きなメリットとなります。

試験内容の見直し

上記の資格制度の見直しにより、試験制度も少し変わります。それは次々項にて触れたいと思います。

令和2年度までの学科試験の出題内容

本年度までの検定基準は施工検定技術に定められています。

検定科目 検定基準
建築学 1 建築一式工事の施工に必要な建築学、土木工学、電気工学、電気通信工学 及び機械工学に関する概略の知識を有すること。
2 設計図書を正確に読み取るための知識を有すること。
施工管理法 建築一式工事の施工計画の作成方法及び工程管理、品質管理、安全管理等工事 の施工の管理方法に関する概略の知識を有すること。
法規 建設工事の施工に必要な法令に関する概略の知識を有すること。

基本的には上記に関する知識の有無の判定を行うのが、学科試験です。

本年度までの出題内容は下記の通りになっています。

検定科目 出題数 解答数
建築学等 環境工学 14問 9問
一般構造
構造力学
建築材料
設備 3問 3問
施工管理法 施工 15問 12問
法規 各種法規 8問 6問
施工管理法 施工計画 10問 10問
品質管理
工程管理
安全計画
合計 50問 40問
試験時間:2時間30分
合計50問出題のうち40問の解答が必要
出題は全て四肢一択(マークシート方式)
合格ラインは、令和元年度(後期)で23問以上の正答
例年の出題を確認してみると、1級建築施工の学科よりは易しい問題が多いが、過去問を繰り返し学ぶ必要はある内容となっています。

令和3年度以降の試験基準

新しい試験制度で求められるもの

新しい技術検定は、下記の必要な能力を判定するために、試験内容も含めて見直しを行っています。

国土交通省より引用
第一次検定・・工事施工の管理を適確に行うために、必要な基礎的な知識及び能力を判定
第二次検定・・主任技術者として、工事施工の管理を適確に行うために、必要な知識及び応用能力を判定
2級技士補になるための、『基礎的知識と能力』そして2級技士になるための、主任技術者としての『知識と応用能力』を判定するための試験と国土交通省は説明しています。

第一次検定の試験基準

試験制度の見直しに伴う来年度の第一次検定の試験基準は下記の通りに発表されました。
主に文面の一部修正と赤文字の追加です。

建築学 建築一式工事の施工の管理を適確に行うために必要な建築学、土木工学、電気工学、電気通信工学及び機械工学に関する概略の知識を有すること。
建築一式工事の施工の管理を適確に行うために必要な設計図書を正確に読み取るための知識を有すること。
施工管理法 建築一式工事の施工の管理を適確に行うために必要な施工計画の作成方法及び工程管理、品質管理、安全管理等工事の施工の管理方法に関する基礎的な知識を有すること。
2 建築一式工事の施工の管理を適確に行うために必要な基礎的な能力を有すること。(四肢二択の出題)
法規 建設工事の施工の管理を適確に行うために必要な法令に関する概略の知識を有すること。

※(一財)建設業振興基金のホームページり引用

前提条件として、第一次検定に合格すると『技士補』の資格が得られる事がポイントです。

建築一式工事の施工の管理を適確に行うため  ⬅️資格者になる事が前提
・必要な基礎的な能力を有する事        ⬅️現場管理ができる前提
本年度までは『学科試験』は合格への第1ステップでしたが、『第一次検定』の合格は資格を一つ得られることになります。つまり業務を行う上(施工管理)で必要な知識と能力が必要という試験制度になるということがわかります。

出題のポイントは?

上記の改正から読み取れる事は、

・実地試験で出題されていた施工管理法の記述問題の一部が第一次検定に移行されて出題される
・ただしそれは記述式ではなく、マークシート(四肢二択)の解答方式となる。

今後知りたい情報としては、

・試験時間は今年度の2時間30分から変わるのか? →例年通りで同じ
・現在、学科試験は40問解答/50問だが、来年度はどうなるのか? ⇒2021年6月の第一次検定(前期)は同様に40問解答/50問出題と例年と同じだった。

さて6月6日(日曜日)に2級土木施工管理技士の第一次検定が実施されました。

2級土木施工管理技士も建築同様の制度の技術検定ですが、

  • 例年と同じ問題数 61問
  • 例年と同じ選択解答数 40問
  • 新たな施工管理法の基礎能力問題 8問

という形で実施されていました。

ちなみに同日に2級管工事及び電気通信の技術検定も実施されていますが、問題数及び選択解答数は例年と同じでした。よって出題数は変わらない感じですね。

そして管工事及び電気通信の試験は、施工管理法の基礎能力問題は4問しか出題されていません。

と考えると2級建築施工管理技士もほぼ似た形(4~8問)になるものと推測されます。⇒結果4問が出題された

ちなみに第一次検定の合格基準は60%と発表されています。(国土交通省HP参照)

令和3年の第一次検定問題はこちらのページを参照する。

第一次検定対策を考える

11月に実施される後期の第一次検定対策としては、例年通りと同じで良いでしょう。

基本的には第一次検定と第二次検定対策の勉強の範疇からの出題です。

1、従来の学科過去問対策(過去7年程度の反復とその知識勉強)
2、第二次検定対策の問題2と5をしっかり取り組む。
出題のメインはあくまでも従来通りなので、これは過去問中心の取り組み全く問題ないでしょう。
また応用能力問題は下記の問題レベルを選択肢方式に問題が変わるのみだと思われます。
・問題2は建築用語の説明と施工上の留意事項
例)スタッド溶接・天井インサートなど
・問題5は躯体・仕上げなどの正誤問題
1級建築施工管理技士の第一次検定は、この施工管理法の応用能力問題のみで60%(今年は50%になった)以上取らないと、他の問題が合格点であっても関係なく不合格になりますが、
2級は従来通り、あくまでも40問のうち24問正答すれば合格です。特段従来通り以上の対策は不要かと思います。

試験まで1か月

合格への道は、過去問の反復です。しっかり取り組みましょう。

ちなみに令和3年(今年)の6月に実施された第一次検定の50問の出題分野はこちらです。

参考までに。

 

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