令和元年(2019年)2級建築施工管理技士 実地試験 問題4~5(問題&解答例)

前回の、

に引き続き、後半の問題4と問題5です。
問題4 法規
問題5 施工管理(正誤)
問題5は受検種別毎の回答です。建築種別の受検者は躯体と仕上げも演習として取り組んでおくと良いでしょうね。

問題5 法規

問題5 次の各法文の下線部の語句について,誤っている語句の番号1つあげ,それに対する正しい語句を記入しなさい。

1. 建設業法 (第 19 条の 2 第 1 項)

 請負人は,請負契約の履行①に関し,工事現場に現場代理人を置く場合においては,当該現場代理人の権限②に関する事項及び当該現場代理人の行為についての設計者③の請負人に対する意見の申出の方法 (第 3 項において 「現場代理人に関する事項」 という。) を,書面により設計者③に通知しなければならない。
解答・解説
(解答)③ 注文者
(解説)建設業法第19条の2からの出題です。正解は注文者です。基本的には請負者と注文者での請負契約のお話なので設計者ではおかしいです。(注文者が設計者に委託する場合は別)

2. 建築基準法施行令 (第 136 条の 3 第 3 項)

 建築工事等において建築物その他の工作物に近接して根切り①工事その他土地の掘削を行なう場合においては,当該工作物の外壁②又は地盤を補強して構造耐力の低下を防止し,急激な排水を避ける等その傾斜又は倒壊による危害③の発生を防止するための措置を講じなければならない。
解答・解説
(解答)② 基礎
(解説)建築基準法施行令第136条の3第3項からの出題。ちなみに1級建築施工管理技士は第136条の2の20〜第136条の8の工事現場の危害の防止から出題されることが多いので、このあたりを一通りチェックしておくと良いでしょう。

3. 労働安全衛生法 (第 60 条)

 事業者は,その事業場の業種が政令で定めるものに該当するときは,新たに職務につくこととなった職長①その他の作業中の労働者②を直接指導又は監督する者 (作業主任者を除く。) に対し,次の事項について,厚生労働省令で定まるところにより,安全又は衛生のための教育を行わなければならない。
1 作業方法の決定及び労働者の安全③に関すること。
2 労働者に対する指導又は監督の方法に関すること。
3 前 2号に掲げるもののほか,労働災害を防止するために必要な事項で,厚生労働省令で定めるもの
解答・解説
(解答)③ 配置
(解説)労働安全衛生法 (第 60 条)からの出題。法規の問題はもう覚えるしかありませんね。労働安全衛生法は1級建築施工管理技士でも出題されるので、気になる方はそちらの過去問もチェックしても良いでしょう。

問題5 施工管理(正誤)

問題5-A 建築種別

※ 受検種別:建 築の受験者は解答してください。

問題5-A 次の 1. から 8. の各記述において,下線部の語句又は数値が適当なものには○印を,不適当なものには適当な語句又は数値を記入しなさい。
1. 一般に 1階床の基準墨は,上階の基準墨の基になるので特に正確を期す必要がある。 2階より上では,通常建築物の四隅の床に小さな穴を開けておき,自動レベル①により 1階から上階に基準墨を上げていく。この作業を墨の引通しという。
解答・解説
(解答)下げ振り
(解説)建物などの垂直を確認する測定具が下げ振りですね。上記墨出しについては建築工事監理指針で言及されています。
2. 鉄筋の継手は,硬化したコンクリートとの付着により鉄筋の応力を伝達する機械式②継手と,鉄筋の応力を直接伝達するガス圧接継手や溶接継手などに大別される。
解答・解説
(解答)重ね
(解説)鉄筋の継手工法は重ね継手、ガス圧接継手、機械式継手、溶接継手がある。重ね継手は、短い鉄筋を重ねて一本の様に配置して、コンクリートと一体化することにより、鉄筋に生じる力を伝達する方法である。
3. 鉄骨のアンカーボルトに二重ナットを使用する場合,一般にボルト上部の出の高さは,ナット締め後のネジ山がナット面から 2③山以上とする。
解答・解説
(解答) 3
(解説)ボルト頭部の出の高さは、二重ナット締めを行っても外にねじが3山以上出ることを標準とする。
※建築工事監理指針より
4. 建設リサイクル法の対象となる木造住宅の解体工事においては,分別④解体の計画書を作成し,原則として屋根葺き材の撤去は手作業で行う。
解答・解説
(解答)○
(解説)床面積が80平米以上の建築物の解体は建設リサイクル法の対象となっており、事前調査に基づく調査に基づく分別解体等の計画の作成が必要です。
5. アスファルト防水において,平場と立上りのルーフィング類は,重ね幅を 100⑤mm 以上とって張り重ねる。
解答・解説
(解答)150
(解説)立上りと平場のアスファルトルーフィング類を別々に張り付ける場合は、立上り部のアスファルトルーフィング類は各層とも平場のアスファルトルーフィング類に 150mm以上張り掛ける。
ちなみに通常のアスファルトルーフィング類の重ね幅は、幅、長手方向とも原則として100mm以上である。
※公共建築工事標準仕様書より
6. 外壁の陶磁器質タイルを密着張りとする場合,張付けモルタルを塗り付けた後,タイルを下部⑥から一段おきに水糸に合わせて張り付け,その後,その間を埋めていくように張り付ける。
解答・解説
(解答)上部
(解説)密着張りは、タイル張り付けを上部より下部へと張り進めるが、まず1段置きに水糸に合わせて張り、そのあと間を埋めるように張る。
※建築工事監理指針より
7. 型板ガラスは,片側表面にいろいろな型模様をつけたガラスで,外部建具に用いる場合,型模様面を,一般に室外⑦側にして取り付ける。
解答・解説
(解答)室内
(解説)一般的知識として、内部側が模様の入った凸凹面、外部側がつるっとした表面となります。
8. 内装工事で使用されるシージング⑧せっこうボードは,両面のボード用原紙と心材のせっこうに防水処理を施したもので,屋内の台所や洗面所などの壁や天井の下地材として使用される。
解答・解説
(解答) ○
(解説)シージング石膏ボードは。普通石膏ボードと比較して、吸水時の強度低下が生じにくいので、湿気のある屋内の壁や天井下地に利用します。
※建築工事監理指針より

問題5-B 躯体種別

※ 受検種別:躯 体の受験者は解答してください。

問題5-B 次の 1. から 4. の各記述において,下線部の語句又は数値が適当なものには○印を,不適当なものには適当な語句又は数値を記入しなさい。
1. 土工事において,軟弱な粘土質地盤を掘削する場合に,根切り底面付近の地盤が山留壁の背面から回り込むような状態で膨れ上がる現象を液状化①という。
また,砂質地盤を掘削する場合に,根切り底面付近の砂質地盤に上向き②の浸透流が生じ,この水流によって砂が沸騰したような状態で根切り底を破壊する現象をボイリングという。
解答・解説
(解答)① ヒービング ②  ◯
(解説)軟弱粘性土地盤を掘削するとき、山留め壁背面の土の重量によって掘削底面内部に滑り破壊が生じ、底面が押し上げられて膨れ上がる現象はヒービングです。液状化とは、地震の際に、地下水位の高い砂地盤が振動により液体状になる現象です。
ボイリングは上向きの水流のため砂地盤の支持力がなくなる現象なので、上向きは正解です。
※建築工事監理指針より
2. 鉄筋 (SD345) のガス圧接継手において,同径の鉄筋を圧接する場合,圧接部のふくらみの直径は鉄筋径 d の 1.4倍以上とし,かつ,その長さを鉄筋径 d の 1.0③倍以上とする。
また,圧接面のずれは鉄筋径 d の 1/4以下,圧接部における鉄筋の中心軸の偏心量は鉄筋径 d の 1/4④以下,圧接部の折曲がりは 2度以下,片ふくらみは鉄筋径 d の 1/5以下とする。ただし,d は異形鉄筋の呼び名に用いた数値とする。
解答・解説
(解答)③ 1.1  ④ 1/5
(解説)ふくらみの長さは母材鉄筋径の1.1倍以上、直径は同様に1.4倍以上。
圧接面のずれは鉄筋径又は公称直径の1/4以下、圧接部における相互の鉄筋中心軸の偏心量は鉄筋径又は公称直径の1/5以下とする。
1級建築施工管理技士でも頻出の問題ですね。
※建築工事監理指針より
3. 鉄筋コンクリート造でコンクリートを打ち継ぐ場合,打継ぎ部の位置は,構造部材の耐力への影響が最も少ない位置に定めるものとし,梁,床スラブ及び屋根スラブの鉛直打継ぎ部は,スパンの中央又は端から 1/4⑤付近に設け,柱及び壁の水平打継ぎ部は,床スラブ及び梁の上端に設ける。
また,打継ぎ部の形状は,構造部材の耐力の低下が少なく,コンクリート打込み前の打継ぎ部の処理が円滑に行え,かつ,新たに打ち込みコンクリートの締固めが容易に行えるものとし,柱及び梁の打継ぎ面は主筋に平行⑥となるようにする。
解答・解説
(解答)⑤ ○ ⑥ 直角
(解説)梁及びスラブにおいては、そのスパンの中央又は端から 1/4 の付近に設け、柱及び壁においては、スラブ、壁梁又は基礎の上端に設ける。また打継ぎ面を部材の圧縮力を受ける方向と直角 にする。
※建築工事監理指針より
4. 鉄骨工事における露出形式の柱脚ベースプレートの支持方法であるベースモルタルの後詰め中心塗り工法は,一般にベースプレートの面積が小さく⑦,全面をベースモルタルに密着させることが困難な場合や建入れの調整を容易にするために広く使われている。
また,ベースモルタルの厚さは 100⑧mm以下,中心塗り部分の大きさは 200 ~ 300mm の角形又は円形とし,建て方中に柱脚に作用する応力に見合うものとする。
解答・解説
(解答)⑦ 大きく ⑧ 50
(解説)ベースプレートが大きい場合は、モルタルとの密着性に問題が出ることがあるため、後詰め中心塗り工法が普通である。また中心塗りモルタルは大きさ200~300mmの角形又は円形とし、塗厚は50mmが一般的である。
※建築工事監理指針より

問題5-C 仕上げ

※ 受検種別:仕上げ の受験者は解答してください。

問題5-C 次の 1. から 4. の各記述において,下線部の語句又は数値が適当なものには○印を,不適当なものには適当な語句又は数値を記入しなさい。
1. 鉄筋コンクリート造の外壁面をセメントモルタルによる磁器質タイル張りとする場合のタイル接着力試験は,夏季を除き,タイル施工後 2週間以上経過してから行うのが一般的である。
また,タイル接着力試験では,試験体のタイルの目地部分をダイヤモンドカッターでモルタル①面まで切り込みを入れ,周囲と絶縁した後,引張試験を行い,引張接着強度と破壊状況を確認する。
なお,試験体のタイルの数は,100㎡ ごと及びその端数につき 1個以上,かつ,全体で 2②個以上とする。
解答・解説
(解答)①  コンクリート ② 4
(解説)試験体の個数は、100m2ごと及びその端数につき1個以上、かつ、全体で3個以上とする。
そして試験体はタイルの周辺をカッターでコンクリート面まで切断したものとする。
※建築工事監理指針より
2. 木工事において,製材を加工して内装部材に使用する場合,角材の両面を仕上げる時は,両面合せて 5mm 程度の削り代を見込んだ仕上がり③寸法の製材を使用する。
また,敷居や鴨居に溝じゃくりを行う際に,溝じゃくりを行う面に木の表裏がある場合,木の性質として,木裏④側にそる傾向があるため,木裏④側に溝じゃくりを行う。
解答・解説
(解答)③  ひき立て ④ 木表
(解説)仕上がり寸法は実寸であり、実際にカンナなどで加工した後の寸法を言う。ひき立て寸法は工場出荷時のまだ未加工状態の寸法を指す。上記の場合、削り代を見込んでいるのでひき立て寸法が正しい。
一般的に、木を一枚の板にした場合、水分が抜けていくにつれて、木表側に反るようになっている。よって正解は木表。
3. JIS (日本工業規格/現日本産業規格) の建築用鋼製下地材を用いたせっこうボード壁下地の場合,スタッドは,スタッドの高さによる区分に応じたものを使用する。
また,せっこうボード 1枚張りの壁の場合のスタッド間隔は,450⑤mm 程度として上下ランナーに差し込み,半回転させて取り付ける。
なお,スタッドの建込み間隔の精度は,±15⑥mm 以下として,せっこうボードを張り付ける。
解答・解説
(解答)⑤ 300 ⑥ 5
(解説)スタッド感覚は下地張りない場合は300mm間隔とする。(下地張りがあれば450mmで良い)
スタッド建込み間隔の制度はは±5mm程度とする。(垂直の精度は±2mm)
※建築工事監理指針より
4. 塩化ビニル系床シートの熱溶接工法では,床シート張り付け後 12⑦時間以上の接着剤の硬化時間を置き溶接作業にかかる。
また,床シートの溶接部は,床シート厚さの 1/2 ~ 2/3 程度の深さで V字又は U字に溝を切り,熱溶接機を用いて床シートと溶接棒を同時⑧に溶融させて,余盛りができる程度に加圧しながら溶接する。
なお,余盛りは,溶接部が冷却した後に削り取る。
解答・解説
(解答)⑦ ○ ⑧ ◯
(解説)溶接作業は、床張り付け後に12時間以上経過して硬化を確認してから行い、溝は床シート厚の2/3程度とし、VもしくはU字型の均一な幅とする。そして熱溶接機を用いて、溶接部を材料温度160~200℃の温度で床シートと溶接棒を同時に溶融し、余盛りが断面両端にできる程度にか明日しながら溶接する。
※建築工事監理指針より

まとめ

以上、2019年度 2級建築施工管理技士 実地試験に取り組んできました。

私個人としては少しずつ慣れてきましたが、木工事関連は少し苦手ですね〜。

問題5は正誤問題ですが、大きい⇒小さい、とか並行⇒直角とか、わからない問題は逆の解答するのも一つの手ですね。

 

また次は2018年にチャレンジしたいと思います。

・今年の第二次検定の対策として、例年の出題傾向についてまとめています。

・今年の試験対策のテキスト選びは下記の記事を読んでみてください。

 

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