【2級】第二次検定対策・施工経験記述(工程管理)の問題1-2の記述方法

2級建築施工管理技士・第二次検定の試験攻略のポイントいつも言う通り、『施工経験記述』です。

2級の第二次検定対策として、『品質管理』、『施工計画』、『工程管理』の施工経験記述のポイント(問題1-1)については既に取り上げて記事にしています。

今回は工程管理問題1-2について取り上げたいと思います。

この工程管理の問題1-2は、

  • 工期短縮が可能な工法や材料の見直しなど

の一般的な知識としていくつか持っておくと良いでしょう。

皆さん、いつも工程管理には苦労していると思います。それらのノウハウをここで出していきましょう。

施工経験記述の問題1-2について

この施工経験記述における問題1-2は、

工事概要であげた工事及び受検種別にかかわらず,あなたの今日までの建築工事の経験に照らし,
これ、1級も2級も建築施工管理技士の施工経験記述の問題は、まったく同じなんです。(1級は受検種別はないが)
ちなみに、施工経験記述の問題構成は、
  • まず自分の経験した工事の工事概要(工事名他)を記述する。
  • 問題1-1の経験記述は上記の工事概要で経験した内容の記述をする。
  • 問題1-2工事概要以外の内容での工事経験の記述でも良い

となっています。これは『品質管理』や『施工計画』の問題も全く同様です。(さっきも書いたが1級も)

問題1-1は『工事概要』で取り上げた工事の実施した(経験した)工事の内容について正しく記述する。
問題1-2は上記にあげた工事にかかわらず、自分の工事経験を踏まえて、一般的にそう思われる事実や、あなたの経験や考えを問われる問題が出題されています。
そして受検種別が『躯体』であっても『仕上げ』について書いても良いとされています。
では『施工管理』における過去の出題を見ていきましょう。

過去3回分の問題1-2の検証

ここ最近で『工程管理』の問題は令和2年、平成29年、平成26年の3回出題されているので、その3回分の問題1-2を検証してみましょう。

令和2年(2020年)の問題

工事概要であげた工事及び受検種別にかかわらず,あなたの今日までの建築工事の経験に照らし,工程を短縮するために有効な方法や手段を 2つ具体的に記述しなさい。 また,それらがもたらす工程の短縮以外の工事への良い影響を,それぞれ具体的に記述しなさい。
工期短縮に有効な方法や手段と、工期短縮以外の工事への良い影響を記述する問題です。この良い影響というのは、1級で言うと副次的効果という形で同じような出題がなされている傾向があります。
工法を見直す事により、工期短縮が可能になり、
  • 品質もより良くなった。
  • 安全性の向上にもつながった。
  • 産業廃棄物の発生の抑制にもつながった。

これらが工期短縮以外の良い影響の例ですね。

平成29年(2017年)の問題

工事概要であげた工事及び受検種別にかかわらず,あなたの今日までの建築工事の経験に照らし,工期を短縮するための有効な方法や手段を 2つ具体的に記述しなさい。 また,それらがもたらす工期短縮以外の工事への良い影響を,それぞれ具体的に記述しなさい。
はい、平成29年も同じ問題ですね。

平成26年(2014年)の問題

⼯事概要にあげた⼯事及び受験種別にかかわらず,あなたの今⽇までの建築⼯事の経験を踏まえて,⼯期を短縮するための合理化の⽅法とそれが⼯期短縮となる理由について⼯種名とともに 2つ具体的に記述しなさい。また,その合理化の⽅法を⾏うことにより派⽣する効果について,それぞれ具体的に記述しなさい。
平成26年の問題は、
合理化の方法+理由
派生する効果
と平成29年、令和2年の問題と比べると、理由を書く必要がありますね。派生する効果というのは、工期短縮以外の良い影響とほぼ同義語と考えて良いでしょう。
  • 良い影響
  • 派生する効果
  • 副次的効果
  • 波及効果

下の2つは1級でも使われている言葉ですが、このあたりはほぼ同じ意味でとらえて良いでしょう。

令和2年及び平成29年の記述例

では具体的に書いてみます。

(有効な方法や手段)
鋼製建具の改修による交換工事は既存枠・建具の交換ではなく、枠は解体せずに新たに枠を被せるカバー工法で建具改修を行うことにより工期短縮が可能となる。
(良い影響)
枠の解体がなくなることにより、枠解体に伴う枠の発生材及び周辺壁の補修が不要となり、廃棄物の抑制及び費用の削減にもつながる。
(有効な方法や手段)
アスファルト防水改修工事は改質アスファルト防水・トーチ工法に変更することで、既存の防水層の撤去が不要で下地処理のみ行うことにより新規の防水を被せることで工期短縮となる。
(良い影響)
溶融釜の準備が不要になり、煙や臭気の発生が抑えられCO2の削減につながるだけでなく、既存防水層の撤去がなくなることで発生材の抑制にもつながる。
(方法や手段)
ウレタン塗膜防水をウレタン圧送システムを採用する事により、攪拌、荷上げ、荷下げの手間が省け工期短縮につながる。
(良い影響)
自動攪拌で品質も安定し、またリサイクル可能なドラム缶を利用するので、発生材の抑制にもつながる。
良い影響の事例としては、
  • コスト削減につながる。
  • 安全性の向上
  • 品質の安定化
  • 第三者災害の防止
  • 発生廃材の抑制

この当たり、自分の経験に基づいた『良い影響』を考えてみましょう。自分の工事経験の中でもあるはずです。

平成26年(2014年)の記述例

次に平成26年の記述例です。上記の令和2年や平成29年の記述に理由を追加するだけでも良いでしょう。

(合理化の方法と理由)
各事務室内の天井の高さが同じ場合、軽量鉄骨下地のLGSは天井高さに合わせて事前にプレカットで納入する事によって、現場で加工切断がなくなる事で省力化及び工事短縮につながるため
(派生効果)
現場でに切断加工がなくなる事により、LGSの端材の大幅な発生抑制にもなり、現場の作業性の向上にもつながる。
(合理化の方法)
合板スラブ型枠を型枠替わりのフラットデッキスラブにすることで、スラブ型枠の手間がなくなり工期短縮につながるため。
(派生効果)
合板型枠の切断加工に伴う端材や木くずの発生がなくなることで、建設副産物の発生抑制にもつながる。
一般的な工期短縮の方法は、
  • 工法の見直し、変更
  • 材料の見直し、変更
  • 現場加工をやめて完成品を納入
  • 工業製品化した建材の納入
  • プレカット

などが考えられますね。(1級の施工の合理化にも使えます)

まとめ

さて令和4年の施工経験記述は、『品質管理』が出題されました。

なので令和5年度の施工経験記述は『施工計画』またはこの『品質管理』の出題の可能性が高いです。

 

ただ、昨年の『品質管理』の問題1-2は少し問題が例年と異なり、少し難易度の高いものでした。

例年は、工程短縮(施工の合理化)の方法とその良い影響でしたが、昨年の1級の施工の合理化で出題されたように、

・工期短縮(現場作業の軽減)なる施工方法
・それを実施した場合に、低下が懸念される品質とその対策

と言った問題なども考えられます。また、昨今の建設業の課題になっている、人手不足や熟練工不足の問題を取り上げて、

・高齢化に伴う人手不足に対応するための現場作業軽減の方法
などのような問題も考えられます。

2級建築施工管理技士の第二次検定は、1級ほど問題をひねってはきませんが、決して簡単ではありません。

しっかりした勉強は必要ですし、1本だけに絞った対策だけではうまくいく時もあればうまくいかない場合もあるかと思います。

また先ほども書いた通り、最終的な目標を1級建築施工管理技士の資格取得を目指している場合はある程度幅広く学習しておくと、その次が多少楽になります。

当サイトは1級もかなりの記事数があるので参照ください。

また、施工経験記述は添削サービスを8月よりサービス開始しています。1級向けサービスはほぼ目途が立ち、現在、2級も申し込みが順調に入っています。
まだ受け入れ余裕はありますので、気になる方は懇切丁寧にレベルアップのサポートを致します。
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