【2級】第二次検定対策・施工経験記述(施工計画)の問題1-2の記述方法

2級建築施工管理技士の第二次検定の攻略ポイント『施工経験記述』です。

2級の第二次検定対策として、『品質管理』、『施工計画』、『工程管理』の施工経験記述のポイント(問題1-1)については既に取り上げて記事にしています。

今回は施工計画の問題1-2について取り上げたいと思います。

2019年(令和元年)の施工計画の問題1-2は『建設副産物』の問題が出題されました。

昨年の令和4年の問題1-2は『品質管理』の問題が出題されていますね。今年は『工程管理』の可能性が高そうですが、この『施工計画』についても準備をしておく必要はあるかと思います。

 

施工経験記述の問題1-2について

この施工経験記述における問題1-2は、

工事概要であげた工事及び受検種別にかかわらず,あなたの今日までの建築工事の経験に照らし,
これ、1級も2級も建築施工管理技士の施工経験記述の問題は、まったく同じなんです。(1級は受検種別はないが)
ちなみに、施工経験記述の問題構成は、
  • まず自分の経験した工事の工事概要(工事名他)を記述する。
  • 問題1-1の経験記述は上記の工事概要で経験した内容の記述をする。
  • 問題1-2工事概要以外の内容での工事経験の記述でも良い

となっています。これは『品質管理』や『工程管理』の問題も全く同様です。(さっきも書いたが1級も)

問題1-1は『工事概要』で取り上げた工事の実施した(経験した)工事の内容について正しく記述する。
問題1-2は上記にあげた工事にかかわらず、自分の工事経験を踏まえて、一般的にそう思われる事実や、あなたの経験や考えを問われる問題が出題されています。
そして受検種別が『躯体』であっても『仕上げ』について書いても良いとされています。
では『施工管理』における過去の出題を見ていきましょう。

過去3回分の問題1-2の検証

平成28年、令和元年、令和3年の過去3回分の出題を取り上げたいと思います。

平成28年(2016年)の問題

工事概要であげた工事及び受検種別にかかわらず,次の項目の中から 2つ選び,あなたの今日までの工事経験に照らして,検討すべき事項とその理由及び対応策を,工種名をあげて具体的に記述しなさい。
ただし,解答はそれぞれ異なる内容の記述とし,1. の解答とも重複しないものとする。
[項目] 「品質低下の防止」
「工程遅延の防止」
「公衆災害の防止」
これは、品質工程安全についての記述をせよ、という事ですね。

令和元年(2019年)の問題

工事概要であげた工事及び受検種別にかかわらず,あなたの今日までの建築工事の経験に照らし,建設現場で発生する産業廃棄物を減らすため,①有効な方法や手段と,その方法や手段を実際に行う場合に留意すべきことを,2つの事例について具体的に記述しなさい。
ただし,方法や手段が同一の記述及び 1. の実際に行ったことと同一の記述は不可とする。
まさに建設副産物の問題ですね。1級建築施工管理技士の試験は建設副産物は出題される必須取り組みの問題ですが、2級からするとまさに初見でびっくりしたことでしょう。これは書けない人が多かったのではないでしょうか。
ちなみに建設副産物を減らす有効な方法は、『発生抑制』か『再生利用』を取り入れることですね。
こちらの1級の対策記事も参照してください。

令和3年(2021年)の問題

品質低下の防止」及び「工程遅延の防止」について,それぞれ①及び②を具体的に記述しなさい。
① 施工の計画時に検討することその理由
② 防止対策とそれに対する留意事項
昨年の問題は、令和元年の問題と似ていますが、「公衆災害の防止」の記述はなく、「品質低下の防止」及び「工程遅延の防止」の2つの記述となっています。
あとは留意事項が加わったのが、平成28年の問題との違いですね。

令和3年(2021年)の記述例

では昨年の問題の記述例より。

「品質低下の防止」
工種名;ウレタン塗膜防水工事
検討する事と理由:防水層の下地の乾燥が十分であるかを検討した。乾燥度合いが不十分だと防水層のふくれが起こり漏水の可能性があるため。
防止策と留意事項;施工前に高周波水分計で計測し、水分率が8%以下であることを確認した上で、防水施工を行った。その際塗膜厚の確保にも留意した。
「工程遅延の防止」
工種名;金属工事(軽量鉄骨壁下地工事)
検討することと理由:軽量鉄骨壁下地工事は、現場での加工や切断作業をなくし工期短縮を図るため、各所毎の天井の高さに合わせてプレカットを検討した。
防止策と留意事項;天井の高さがそれぞれ5つの高さがあったので、フロアと番号を割り振って搬入を行い、作業の手戻りがないように留意した。
上記のような記述方法でまとめてみましょう。自分の工事経験の中でもあるはずです。

平成28年(2016年)の記述例

では次に平成28年の同じ系統の問題より。

「品質低下の防止」
工種名;外壁塗装工事
検討事項と理由:夏期の塗装工事は塗装に色ムラや膨れが起こる恐れがあったので、施工環境の実施条件を検討した。
対応策;まず天候が強風や降雨のない日に実施することとし、常に湿度計を携帯し湿度が85℃を超える場合は作業を中止した。
「工程遅延の防止」
工種名;鉄筋工事
検討事項と理由:ガス圧接継手は天候が雨の場合は施工出来ないため、鉄筋の継手の工法について検討した。
対応策;監理者の承認を得て、ガス圧接継手から機械式継手に変更することにより、雨天も施工可能となり工期を厳守出来た。
「公衆災害の防止」
工種名;外壁タイル張替え工事
検討事項と理由:外壁タイルの斫りや穴あけ作業等の振動音により居住者より苦情になる恐れがあったので、音出し時間について検討した。
対応策;管理組合と協議の上、音出し及び振動作業は10時~12時及び14時~16時に行うこ承認を得たうえ工事を行った。
  • 品質低下を防ぐために実施したこと(検討とその理由)
  • 工期を厳守するために実施したこと(検討とその理由)
  • 災害防止のために実施したこと(検討とその理由)
上記のような記述方法でまとめてみましょう。自分の工事経験の中でもあるはずです。

令和元年(2019年)の記述例

さて次は建設副産物ですね。

産業廃棄物を減らすため,①有効な方法や手段と,②留意すべきこと について書いてみます。

記述例-1
(①方法・手段)廊下の長尺塩ビシート張り工事は、現場における省力化も兼ねて材料を割付図に基づきプレカットで搬入し施工することで現場でのシートの廃棄物の抑制につながる。
(②留意事項)現場で2名体制で間違いの内容採寸を行い、割付図を作成した上でメーカーに発注する。
記述例-2
(①方法・手段)壁間仕切工事で使用した石膏ボードにおいて現場で切断加工した端材は、専門業者に引き取りを依頼して再生利用を行う。
(②留意事項)石膏ボードは雨や湿気に弱いので、再生利用できるよう雨、湿気に濡れないよう、また異物が混ざらないよう分別保管を徹底する。
記述例-3
(①方法・手段)木製建具の搬入は、梱包材での搬入をやめて建具の四方に角当てをつけて搬入することで梱包材の発生を減らせる。
(②留意事項)建具は塗装済の完成品なので布で養生して搬入することで傷などを防いだ。
こんな感じでしょうか。
基本的に建設副産物を減らす取り組みは、
  1. 発生抑制・・・現場に持ち込むごみ(発生材)を減らす
  2. 再使用・・・資材をそのままの状態で他の用途に使う。(ベニヤを床養生)
  3. 再生利用・・・一般的に言われるリサイクルですね。原料として生まれ変わります。

1級向けの記事ですが、こちらも参照頂ければと思います。

将来的に1級建築施工管理技士の資格取得も目指している人は必須の内容です。

まとめ

2級建築施工管理技士の第二次検定は、1級ほど問題をひねってはきませんが、決して簡単ではありません。

しっかりした勉強は必要ですし、1本だけに絞った対策だけではうまくいく時もあればうまくいかない場合もあるかと思います。

また先ほども書いた通り、最終的な目標を1級建築施工管理技士の資格取得を目指している場合はある程度幅広く学習しておくと、その次が多少楽になります。

当サイトは1級もかなりの記事数があるので参照ください。

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