令和4年(2022年)2級建築施工管理技士 第二次検定 問題1~3(問題&解答例)

さて、今回は令和4年の2級建築施工管理技士の第二次検定の問題を解説付きで取り組んでいきたいと思います。

この過去問シリーズは2014年(平成26年)~2021年(令和3年)までは既にリリース済みです。

 

独学でのサポートになれば幸いです。

今回は、

問題1 施工経験記述
問題2 施工管理(用語)
問題3 施工管理(工程)
以上3つの問題を前半戦として編集しております。

問題1 施工経験記述(品質管理)

問題1 あなたが経験した建築工事のうち、あなたの受検種別に係る工事の中から、品質管理を行 った工事を 1 つ選び、工事概要を具体的に記入したうえで、次の 1.及び 2. の問いに答えなさい。なお,   建築工事とは,   建築基準法に定める建築物に係る工事とし,   建築設備工事を除くものとする。
〔工事概要〕
イ. 工事名
ロ. 工事場所
ハ. 工事の内容
(新築等の場合:建築用途,構造,階数,延べ面積又は施工数量,主な外部仕上げ,主要室の内部仕上げ
改修等の場合:建築用途,建築規模,主な改修内容及び施工数量)
ニ. 工期 (工期又は工事に従事した期間を年号又は西暦を年月まで記入)
ホ. あなたの立場
ヘ. あなたの業務内容
1,    工事概要であげた工事であなたが担当した工種において,   施工の品質低下を防止するために取り組んだ事例を 3 つ選び,   次の①から③について具体的に記述しない。ただし,   ①は同一でもよいが,   あなたの受検種別に係る内容とし,   ②及び③  はそれぞれ異なる内容とする。また,   ③の 行 ったことは「設計図書どおりに施工した。」等行ったことが具体的に記述されていないものや品質管理以外について記述したものは不可とする。
  1. 工種名又は作業名等
  2. 品質低下につながる不具合とそう考えた理由
  3.  ②の不具合を発生させないために 行ったこととその際特に留意したこと
工事概要例 ※住所・工事名は架空です
工事名:六本木レジデンス大規模修繕工事
工事場所 :東京都港区六本木三丁目98ー7
工事内容 :店舗兼共同住宅、鉄筋コンクリート造、地下1階、地上8階建、延べ面積 9,876㎡
外壁塗装改修 2,400㎡ 、屋上塗膜防水工事 1,156㎡ 外壁タイル改修 1,050㎡
シーリング工事 980m 、鋼製建具塗装工事 30か所
工期:令和2年9月~令和3年4月
業務内容 :施工管理全般
事例-1
① 塗装工事
② 外壁の塗装工事は、11月末~1月の冬場の寒い時期の予定だったので、低い気温下での塗装は結露により塗装の早期剥がれの不具合の恐れがあり、早期に建物の劣化及び漏水につながるため。
③ 日々の気温管理で5℃以下の場合は施工を行わないことし、また施工前に下地に結露がなくしっかり乾燥状態であることを確認して施工を行った。
事例-2
① 外壁タイル改修工事
② 外壁タイル張替えにおいて、下地が乾燥していると張付けモルタルの硬化不良によるタイルの接着力不足の恐れがあり、早期にタイルの剝落につながるため。
③ 既存タイル撤去後、下地の清掃を行い、吸水調整剤を塗布した上でモルタル塗りを行いタイル施工を行った。施工2週間後に引張強度試験を行い、所定の接着力を確保していることを確認した。
事例-3
① 塗装工事(鋼製建具)
② 既存の鋼製建具の塗装工事の際、下地の素地こしらえの不良は密着不良の恐れがあり、塗膜が早期にはがれてしまい、耐久性の低下につながるため。
③ 施工前にペーパーやスクレイパーでのケレン作業を行った箇所を目視で確認後、チェックリストに記載してから塗装工事を行い、所定の膜厚を確保した。

 

2,    工事概要であげた工事及び受検種別にかかわらず,   あなたの今日までの建築工事の経験を踏まえて,   施工の品質を確保するために確認すべきこととして,   次の①から③をそれぞれ 2つ具体的に記 述 しなさい。ただし,   ①は同一でもよいが, ②及び③はそれぞれ異なる内容とする。また,  ②及び③は「設計図書どおりであることを確認した。」等確認した内容が具体的に記 述 されていないものや 1.  の②及び③と同じ内容を記 述 したものは不可とする。
  1. 工種名又は作業名等
  2. ①の着手時の確認事項とその理由
  3. ①の施工中又は完了時の確認事項とその理由
事例-1
① ウレタン塗膜防水工事
② 屋上の塗膜防水工事の際、事前に下地の含水率を確認した。下地の乾燥度が十分でないと、早期に塗膜のふくれなどが発生して、耐久性や防水性能を確保できないため。
③ 施工後は、膜厚測定器で膜厚を確認して〇mm以上確保している事を確認した。膜厚不足は塗膜の剥離につながり早期劣化につながる恐れがあるため。
事例-2
① フローリング工事(直貼り工法)
② フローリングの下地の不陸が1mにつき2mm以下であることを確認した。不陸が大きいと床鳴りの発生や歩行感が不快になる可能性があるため。
③ 施工後は、水平器でレベル確認を行い、その後歩行検査で浮きや床鳴りがないことを確認した。引き渡し後、床の傾きや床鳴りが発生すると居住者よりクレームとなり信用を失う恐れもあるため。

問題2 施工管理(用語)

問題2 次の建築工事に関する用語の一覧表 の中から 5 つ用語を選び、解答用紙の用語の記号欄の記号にマークしたうえで、選んだ用語欄に用語を記入し、その用語の説明施工上留意すべきことを具体的に記 述 しなさい。ただし、a及びj以外の用語については、作業上の安全に関する記述は不可とする。また、使用資機材に不良品はないものとする。

用語の一覧表

用語の記号 用      語
足場の壁つなぎ
帯筋
親杭横矢板壁
型枠のセパレーター

壁のモザイクタイル張り

先送りモルタル
セッティングブロック
タイトフレーム
天 井 インサート
ベンチマーク
防水工事の脱気装置
マスキングテープ
木構造のアンカーボルト
溶接のアンダーカット
記述例-1
(用語)a 帯筋
(説明)鉄筋コンクリート構造の柱の軸方向の主鉄筋を取り囲むように、一定の間隔で帯状に巻く横方向の鉄筋。(柱に作用するせん断力に抵抗する鉄筋)
(留意)帯筋の上下のフック位置が同じ位置にならないようにし、帯筋間隔は通常100mm間隔で配筋を行う。
記述例-2
(用語)d 型枠のセパレーター
(説明)せき板相互の間隔を正しく保つ役割をしている金具
(留意)コンクリートの最大側圧に基づき、セパレータのビッチ間隔を設定し、かつ金具を選定する。
記述例-3
(用語)e 壁のモザイクタイル張り
(説明)小口未満のタイルをユニット化したもので、下地に張付けモルタルを塗り台紙にまとったタイルを張る工法
(留意)張付けモルタルの1回の塗付け面積の限度は、3㎡/人以内、かつ、20 分以内に張り終える面積とする。
記述例-4
(用語)f 先送りモルタル
(説明)コンクリート打設に際し、流動性確保のために輸送管内壁の潤滑膜を形成し、また吸入・吐出弁内部のシールをするためのモルタル。
(留意)先送りモルタルは低強度なため、圧送後は打ち込みには使わずに廃棄する。
記述例-5
(用語)k 防水工事の脱気装置
(説明)防水下地面の湿気や水蒸気を外部に逃がし、防水層に膨れを低減させる装置。
(留意)平場に取り付ける脱気装置は25~100㎡に1個程度設置する。(立上り部は長さ10m間隔に1個程度)

問題3 施工管理(工程)

問題3 鉄骨造2階建て店舗兼商品倉庫建物の新築工事について,   工事概要を確認のうえ,   右の工程表及び出来高表に関し,   次の 1.   から 3.   の問いに答えなさい。工程表は,  予定出来高曲線を破線で表示している。また,   出来高表は,  4月末時点のものを示しており,   実績出来高の累計金額は記載していない。なお,  各作業 は一般的な手順に従って施工されるものとする。
〔工事概要〕
用      途:店舗及び事務所(1階)、 商品倉庫(2階)
構造・規模
鉄骨造地上2階、延べ面積 350 m2
鉄骨耐火被覆は、耐火材巻付け工法、外周部は合成工法
外部仕上げ
外壁は、ALC パネル張り、防水形複層塗材仕上げ
屋根は、折板葺屋根
内部仕上げ
店舗、事務所
床は、コンクリート金ごて仕上げ、ビニル床シート張り
壁は、軽量鉄骨下地、せっこうボード張り、塗装仕上げ
天井は、軽量鉄骨下地、化粧せっこうボード張り
商 品 倉 庫
床は、コンクリート金ごて仕上げ、無機質系塗床材塗り
壁は、軽量鉄骨下地、せっこうボード張り、素地のまま
天井は、折板葺屋根裏打材
そ の  他
荷物用油圧エレベーター設置
内部建具は化 粧 扉

1、 工程表の鉄筋コンクリート工事のⒶ、塗装工事のⒷに該当する作 業 名を記 入 しなさい。

解答・解説
(解答)A   1F 床躯体          B  1F 内壁塗装
(解説)
Aの工程は少し悩みましたが、令和3年の工程の問題から見ると、
2,3,RFの床躯体の後、1F床の工事を施工しているのがあるので、この解答も1F床躯体で良いかと思いました。(少し難しい)
Bは塗装工事になっていますので、塗装工事で該当するのは、外壁塗装と1F(店舗・事務所)の内壁塗装のみなので、ここは1F内壁塗装で良いと思います。

2、 出来高表 から、1月末までの実績出来高の累計金額を求め、総工事金額に対する比率をパーセントで記 入 しなさい。

解答・解説
(解答)13%
(解説)1月末までの出来高は60+390+190+50+90=780万円となります。780万÷6000万=13%となります。
計算間違いに注意して丁寧に計算しましょうね。

3、 工程表は工事計画時に作成していたものであるが、工程上 、完了時期が不適当な作業があり、出来高表 についても誤った月次にその予定金額と実績金額が記載されたままとなっている。これらに関して、次の①から③について答えなさい。

① 工程上、完了時期が不適当な作業名を記 入 しなさい。

解答・解説
(解答)耐火被覆
(解説)これは一目瞭然ですね。耐火被覆工事については、1F、2Fの壁天井(LGS)工事の後に行うのは至難の業ですね。

② ①の作 業 の適当な完了時期を記入しなさい。ただし、作業完了時期は月次と旬日で記入し、旬日は、上旬、 中旬、 下旬とする。

解答・解説
(解答)3月中旬
(解説)上記①でも書いた通り、1Fの壁天井軽鉄下地、2F壁の軽鉄下地の前に完了しておく必要があるので3月中旬が正しいですね。

③ 作業の適当な完了時期に合わせて出来高表の誤りを修正したうえで、3月末までの実績出来高の累計金額を記 入 しなさい。

解答・解説
(解答)4,250万円
(解説)上記①②の解答から鉄骨工事の60万円は3月に修正する必要があります。
1月は780万円、2月は1,820万円、3月は上記の60万をプラスして1,650万円、この3つの合計は4,250万円となります。

前半戦終了

さて、次は

に続きます。

施工経験記述は、さっくりと書いたので参考程度にとどめてくださいね。

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