令和3年(2021年)2級建築施工管理技士 第二次検定 問題4~5(問題&解答例)

さて前回の、

の前半戦に続いて、後半戦の問題4と問題5です。
問題5は建築・躯体・仕上げと自分の受検種別に応じて見てください。
では後半の問題スタートです。

問題4 建築法規(四肢一択)

問題4   次の1. ~ 3. の各法文において,(  )に当てはまる正しい語句又は数値を下に該当する枠内から1つ選びなさい。
1. 建設業法(検査及び引き渡し)
第24条の4 元請負人は、下請負人からその請け負った建設工事が 1⃣ )した旨の通知を受けたときは、当該通知を受けた日から( 2⃣ )日以内で、かつ、できる限り短い期間内に、その( 1⃣ )を確認するための検査を完了しなければならない。
解答・解説
(解答)1⃣    2⃣ 
(解説)建設業法24条の4
元請負人は、下請負人からその請け負った建設工事が完成した旨の通知を受けたときは、当該通知を受けた日から20日以内で、かつ、できる限り短い期間内に、その完成を確認するための検査を完了しなければならない。
※問題の内容は異なりますが、平成30年(2018年)もこの24条の4の条文は出題されています
文脈的には①~④の選択肢の意味合いはほぼ同じですが、法規は正しい語句を記憶しておくしかないですね。

 

2. 建築基準法(工事現場における確認の表示等)

第89条 第6条第1項の建築、大規模の修繕又は大規模の模様替の工事の( 3⃣ )は、当該工事現場の見易い場所に、国土交通省令で定める様式によって、建築主、設計者、工事施工者及び工事の現場管理者の氏名又は名称並びに当該工事に係る同項の確認があった旨の表示をしなければならない。
2 第6条第1項の建築、大規模の修繕又は大規模の模様替の工事の( 3⃣ )は、当該工事に係る( 4⃣ )を当該工事現場に備えておかなければならない。

解答・解説
(解答)3⃣     4⃣ 
(解説)建築基準法 第89条 第6条第1項の建築、大規模の修繕又は大規模の模様替の工事の施工者は、当該工事現場の見易い場所に、国土交通省令で定める様式によって、建築主、設計者、工事施工者及び工事の現場管理者の氏名又は名称並びに当該工事に係る同項の確認があった旨の表示をしなければならない。
 第6条第1項の建築、大規模の修繕又は大規模の模様替の工事の施工者は、当該工事に係る設計図書を当該工事現場に備えておかなければならない。
89条の1は平成28年(2016年)にも出題されている条文ですが、89条の2は初めてですね。

3. 労働安全衛生法(事業者等の責務)

第3条 ( 略 )
2 ( 略 )
3 建設工事の注文者等仕事を他人に請け負わせる者は、施工方法、( 5⃣ )等について、安全で衛生的な作業の( 6⃣ )をそこなうおそれのある条件を附さないように配慮しなければならない。
解答・解説
(解答)5⃣ ②    6⃣ ④
(解説)労働安全衛生法 第3条
3 建設工事の注文者等仕事を他人に請け負わせる者は、施工方法、工期等について、安全で衛生的な作業の遂行をそこなうおそれのある条件を附さないように配慮しなければならない。
※これはここ最近では初めての出題です。

問題5 施工管理(四肢一択)

問題5-A

※ 受検種別:建 築の受験者は解答してください。

問題5-A 次の 1. から 8. の各記述において,(  )に当てはまる最も適当な語句又は数値を、下の該当する枠内から一つ選びなさい。
1. 図面に示される通り芯は壁芯であることが多く、壁工事が行われるために墨を打つことができない。そのため壁芯から離れた位置に補助の墨を打つが、この墨のことを( 1⃣ )という。
解答・解説
(解答) 
(解説)逃げ墨とは、障害物のせいで実際に墨出しできない場合に、一定の距離を記載して打つ墨(印)のこと。寄り墨とも言います。
ちなみに親墨とは、建築物などに墨出しをする際の基準として最初に出す墨のこと。 元墨とも呼び、基準墨になる。
※wikipediaより引用
2. 埋戻し工事における締固めは、川砂及び透水性のよい山砂の類の場合は水締めとし、上から単に水を流すだけでは不十分なときは、埋戻し厚さ( 2⃣ )程度ごとに水締めを行う。
解答・解説
(解答)
(解説)締固めは、川砂及び透水性のよい山砂の類の場合は水締めとし、透水性の悪い山砂の類及び粘土質の場合はまき出し厚さ約300mm程度ごとにローラー、ランマー等で締め固めながら埋め戻す。
※建築工事監理指針より
3. 鉄筋工事における鉄筋相互のあきは、粗骨材の最大寸法の1.25倍、25mm及び隣り合う鉄筋の平均径の( 3⃣ )のうち最大のもの以上とする。
解答・解説
(解答)
(解説)これは1級建築でも頻出の鉄板の内容です。確実に覚えておきましょう。
鉄筋相互のあきは、次の値のうち最大のもの以上とする。
(ア)粗骨材の粗骨材の最大寸法の1.25倍
(イ) 25mm
(ウ) 隣り合う鉄筋の径の平均の 1.5倍
公共建築工事標準仕様書より

 

4. 鉄骨工事における柱脚アンカーボルトの締付けは、特記がない場合、ナット回転法で行い、ボルト頭部の出の高さは、ねじが2重ナット締めを行っても外に( 4⃣ )以上出る事を標準とする。
解答・解説
(解答) 
(解説)ボルト頭部の出の高さは、二重ナット締めを行っても外にねじが3山以上出る事を標準とする。
※建築工事監理指針より

 

5. ウレタン系塗膜防水の通気緩衝シートの張付けに当たって、シートの継ぎ目は、( 5⃣ )とし、下地からの浮き、端部の耳はね等が生じないように注意して張り付ける。
解答・解説
(解答) 
(解説)通気緩衝シートは、接着剤を塗布し、塗布した接着剤のオープンタイムを確認して接着可能時間内に、隙間や重なり部をつくらないようにシート相互を突き付けて張付け、ローラー転圧をして接着させる。
※建築工事監理指針より
6. 大理石は、模様は色調などの装飾性を重視することが多いため、磨き仕上げとすることが多く、壁の仕上げ材に使用する場合は( 6⃣ )を用いることが多い。
解答・解説
(解答)
(解説)大理石を壁で使用する際は、平滑でつやがあり石材本来の色や柄が出る本磨きが良いと思われます。
粗磨きは光沢はなくざらついた感じで、水磨きは光沢少なめでつやがなく、仕上げがやや粗い。
7. 塗装工事において、塗膜が平らに乾燥せず、ちりめん状あるいは波形模様の凹凸を生じる現象を( 7⃣ )といい、厚塗りによる上乾きの場合などに起こりやすい。
解答・解説
(解答) ②
(解説)塗装の際、塗膜の乾燥、硬化時においてちりめん状あるいは波形模様の凸凹を生じる現象しわといいます。(リフティングともいう)
※だれは、垂直面に施工した塗材が乾燥までに部分的に流れて厚さに不均一を生じる現象。複層仕上塗材の上塗材には半円状、つらら状、波紋状などの模様となって現れる。
8. 内装工事において使用される( 8⃣ )せっこうボードは、両面のボード用原紙と心材のせっこうに防水処理を施したもので、屋内の台所や洗面所などの壁や天井の下地材として使用される。
解答・解説
(解答)②
(解説)
①強化せっこうボード・・・心材のせっこうに無機質繊維などを混入したもの。(防火・準耐火・耐火・遮音構造)
シージングせっこうボード・・・両面の紙と心材のせっこうに防水処理を施したもの。(湿気のある屋内の壁、天井下地など)
③化粧せっこうボード・・・ボードに化粧加工した紙やシートを張り合わせたもの(仕上げ処理不要の壁・天井仕上げ)
④構造用せっこうボード・・・くぎ側側面抵抗を向上させたもの。(耐力壁用の面材として)
※建築工事監理指針より

問題5-B

※ 受検種別:躯 体の受験者は解答してください。

問題5-B 次の 1. から 4. の各記述において,(  )に当てはまる最も適当な語句又は数値を、下の該当する枠内から一つ選びなさい。
1. 建築物の高さ及び位置の基準となるものを( 1⃣ )という。高さの基準は隣接の建築物や既存の工作物に、位置の基準は一般に建築物の縦、横2方向の通り心を延長して設ける。工事測量を行うときの基準のため、工事中に動くことのないよう2箇所以上設けて、随時確認できるようにしておく。
また、建築物の位置を定めるため建築物の外形と内部の主要な間仕切の中心線上に、ビニルひも等を張って建築物の位置を地面に表すことを( 2⃣ )という。このとき、建築物の隅には地杭を打ち地縄を張りめぐらす。
解答・解説
(解答)1⃣ ③   2⃣ ①
(解説)
ベンチマーク・・・建築物等の高低及び位置の基準。
縄張り・・・建築物の位置を決定するために、建築物外周の柱心、壁芯が分かるよう縄などを張る事。
遣り方・・・基礎に先だち、建築物の位置及び水平の基準を明確にするための仮設物
※建築工事監理指針より
2. 鉄筋工事において、コンクリートの中性化や火災等の高温による鉄筋への影響を考えた鉄筋を覆うコンクリートの厚さを「かぶり厚さ」といい、建築基準法施行令で規定されており、原則として、柱又は梁にあっては( 3⃣ )mm以上、床にあっては20mm以上となっている。
また、かぶり厚さを保つためにスペーサーが用いられ、スラブ筋の組立時には、( 4⃣ )のスラブ用スペーサーを原則として使用する。
解答・解説
(解答)3⃣  ②    4⃣  
(解説)
建築基準法施行令 第79条
鉄筋に対するコンクリートのかぶり厚さは、耐力壁以外の壁又は床にあっては2cm以上、耐力壁、柱又は梁にあっては3cm以上、直接土に接する壁、柱、床若しくははり又は布基礎の立上り部分にあっては4cm以上、基礎(布基礎の立上り部分を除く。)にあっては捨コンクリートの部分を除いて6cm以上としなければならない。
よって3⃣は②の30mmです。建築工事監理指針より
スラブのスペーサーは、コンクリート打込み時の鉄筋の脱落を考慮し、原則として鋼製とする。
3. コンクリート工事において、日本産業規格(JIS)では、レディーミクストコンクリートの運搬時間は、原則として、コンクリートの練混ぜ時間を開始してからトラックアジテータが荷卸し地点に到着するまでの時間とし、その時間は( 5⃣ )分以内と規定されている。このため、できるだけ運搬時間が短くなるレディーミクストコンクリート工場の選定をする。
また、コンクリートの練混ぜ開始から工事現場での打込み終了までの時間は外気温が25℃未満の場合( 6⃣ )分以内、25℃以上の場合90分以内とする。
解答・解説
(解答)5⃣  ④   6⃣  ②
(解説)
JIS A5308より
レディーミクストコンクリートの運搬時間 は,生産者が練混ぜを開始してから運搬車が荷卸し地点に到着するまでの時間とし,その時間は1.5時間以内とする。

公共建築工事標準仕様書より
コンクリートの練混ぜから打込み終了までの時間は、外気温が 25℃以下の場合は120分以内とし、25℃を超える場合は 90分以内とする。
4. 木造在来軸組工法において、屋根や上階の床などの荷重を土台に伝える鉛直材である柱は、2階建てでは、1階から2階までを通して1本の材を用いる通し柱と、各階ごとに用いる( 7⃣ )とがある。
一般住宅の場合、柱の断面寸法は、通り柱は、( 8⃣ )cm角、( 7⃣ )では10.5cm角のものが主に使用されている。
解答・解説
(解答)7⃣  ④   8⃣  
(解説)各階ごとに建っている柱は管柱と言います。そして通り柱は12㎝角、管柱は10.5㎝角のものが使用されます。

問題5-C

※ 受検種別:仕上げの受験者は解答してください。

問題5-C 次の 1. から 4. の各記述において,(  )に当てはまる最も適当な語句又は数値を、下の該当する枠内から一つ選びなさい。
1.  改質アスファルトシート防水トーチ工法において、改質アスファルトシートの張付けは、トーチバーナーで改質アスファルトシートの( 1⃣ )及び下地を均一にあぶり、( 1⃣ )の改質アスファルトシートを溶融させながら均一に押し広げて密着させる。改質アスファルトシートの重ねは、2層の場合、上下の改質アスファルトシートの接合部が重ならないように張り付ける。
出隅及び入隅は、改質アスファルトシートの張付けに先出ち、幅( 2⃣ )mm程度の増張りを行う。
解答・解説
(解答)1⃣  ②   2⃣  
(解説)公共建築工事標準仕様書より
・改質アスファルトシートの張付けは、トーチバーナーで改質アスファルトシート裏面及び下地を均一にあぶり、裏面の改質アスファルトを溶融させながら均一に押し広げて密着させる。
・ 出隅及び入隅は、改質アスファルトシート張付けに先立ち、幅200mm程度の増張り用シートを張り付ける。
2. セメントモルタルによるタイル張りにおいて、密着張りとする場合、タイルの張付けは、張付けモルタル塗付け後、タイル用振動機(ビブラート)を用い、タイル表面に振動を与え、タイル周辺からモルタルがはみ出すまで振動機を移動しながら、目違いのないよう通りよく張り付ける。
張付けモルタルは、2層に分けて塗り付けるものとし、1回の塗付け面積の限度は、2㎡以下、かつ( 3⃣ )分以内に張り終える面積とする。また、タイル目地詰めは、タイル張付け後( 4⃣ )時間経過した後、張付けモルタルの硬化を見計らって行う。
解答・解説
(解答)3⃣  ②   4⃣  
(解説)公共建築工事標準仕様書より
・張付けモルタルは2層に分けて塗り付けるものとし、1層目はこて圧をかけて塗り付ける。
なお、張付けモルタルの1回の塗付け面積の限度は、張付けモルタルに触れると手に付く状態のままタイル張りが完了できることとし、2㎡/人以内、かつ、20 分以内に張り終える面積とする。
・タイル張付け後、24 時間以上経過した後、張付けモルタルの硬化を見計らって、目地詰めを行う。
3. 軽量鉄骨天井下地において、鉄筋コンクリート造の場合、吊りボルトの取付けは、埋込みインサートにねじ込んで固定する。野縁の吊下げは、取り付けられた野縁受けに野縁を( 5⃣ )で留め付ける。
平天井の場合、目の錯覚で天井面が下がって見えることがあるため、天井下地の中央部を基準レベルよりも吊り上げる方法が行われている。この方法を( 6⃣ )といい、室内張りのスパンに対して、1/500から1/1000程度が適当とされている。
解答・解説
(解答)5⃣  ③  6⃣  ②
(解説)公共建築工事標準仕様書より
・野縁の吊下げは、吊りボルト下部の野縁受ハンガーに野縁受を取り付け、これに野縁をクリップで留め付ける。※建築工事監理指針より
・部屋の中央を若干高くすることをむくりと言い、感覚的に平面に見えることが知られている。
4. 床カーペット敷きにおいて、( 7⃣ )カーペットをグリッパー工法で敷き込む場合、張り仕舞いは、ニッキッカー又はパワーストレッチャーを用い、カーペットを伸展しながらグリッパーに引っ掛け、端はステアツールを用いて溝に巻き込むように入れる。
グリッパーは、壁際からの隙間をカーペットの厚さの約( 8⃣ )とし、壁周辺に沿って均等にとり、釘又は接着剤で取り付ける。
解答・解説
(解答)7⃣     8⃣  
(解説)
・グリッパー工法を利用するのは織じゅうたん又はタフテッドカーペット。
上記選択肢を考慮すると、織りカーペットの1種であるウィルトンカーペットが正解となる。
またグリッパーは壁際からの隙間をカーペット厚さの約2/3とし、壁周辺に沿って均等にとり、釘又は接着剤で取り付ける、とされています。

まとめ

以上、最新の令和3年度の問題を自分でも取り組んでみました。

個人的に少し難しいなあと思ったのが問題5の受検種別の仕上げです。

四肢一択とは言え、下手すると6割ギリギリな感じでした(笑)

私は1級建築施工の資格者ではありますが、2級建築施工管理技士の検定とは言えど、勉強しないと合格は難しそうです。

しっかり過去の出題内容とその傾向を把握した上で試験に臨んでいきましょう。

最新情報をチェックしよう!