1級建築施工管理技士の技術検定(第二次検定)に合格すると、まず最初にやっておきたいのは、監理技術者資格者証の公布を受けておくことです。
この資格者証を持つことにより、特定建設業者が発注者から直接請け負った元請負人で合計4,500万円(建築一式工事の場合は7,000万円)以上の下請契約を締結した工事に監理技術者として配置されることが可能になります。
※第二次検定に合格しただけでは監理技術者にはならないので要注意です。
・監理技術者について
・監理技術者講習の受講
・監理技術者の有効期限
・監理技術者の価値
監理技術者
監理技術者とは?
下記の記事に1級建築施工管理技士の資格取得の意義と監理技術者についてはまとめています。
建築業に携わる方の多くが資格を取得しようとする場合、一級建築士か1級建築施工管理技士の資格取得を目指す方が多いのではないでしょうか。そして中でも現場において施工管理の業務に携わっている方の場合はまずは1級(もしくは2級)建築施工管理技士が目[…]
元請負の特定建設業者が当該工事を施工するために締結した下請契約の請負代金総額が4,500万円以上(建築一式工事は7,000万円以上)になる場合に当該工事現場に専任で配置される、施工の技術上の管理をつかさどる技術者のことです。
※一般財団法人建設業技術センターより引用
※令和5年1月1日より請負代金の額が改正されています。(それまでは4,000万及び6,000万だった)
端的に言うと、監理技術者になると施工上の管理をつかさどる技術者として工事規模の上限がなくなるとも言えますね。
昨今はこの監理技術者が不足しており、監理技術者確保のため必要な実務経験を満たしてないにも関わらず、企業が認定して受検する不正受検問題についてニュースでも良く見かけることがあります。
資格者不足に悩む特定建設業者はこの監理技術者を必要としています。
監理技術者の資格要件
監理技術者資格者証を取得するには、次のいずれかの資格が必要である。
- 1級国家資格者→建築業の場合は、一級建築士・1級建築施工管理技士
- 大臣特別認定者(現在新規認定は行われていない)
- 実務経験者(建築業などの指定建設業7業種では実務経験では認定されない)
以上のように、原則的に建築業種の場合は一級建築士か1級建築施工管理技士の資格が必要となります。
詳しくはこちらを参照してください。
監理技術者資格者証
監理技術者としてある建設工事に専任で配置される場合は、監理技術者資格者証の交付を受け、かつ、監理技術者講習を修了していることが必要です。工事現場においては監理技術者証の携帯が義務づけられ、発注者の請求があったときは提示しなければなりません。

資格取得後に監理者技術講習を受講すると、こちらの監理技術者資格証が発行されます。
監理技術者講習
では実際に監理技術者講習はどこで受講出来るのか。
公共工事の専任の監理技術者になろうとする者は、国土交通大臣の登録を受けた講習を受講していなければならないことが定められています。
(※建設業法第26条4項)
これは、国民の税金を使用する公共工事の適正な施工の確保を図る観点から、その専任の監理技術者には、施工技術、施工管理等についての高度な理解や最近の動向に関する知識が求められているためです。従来、監理技術者講習は指定講習機関が行ってきましたが、平成16年3月1日より、国土交通大臣の審査を受けて登録された登録講習実施機関が行うこととなりました。
監理技術者講習実施期間一覧
登録番号 | 機関の名称 | 受講料(インターネット) |
1 | (一財)全国建設研修センター | 9,500円 |
2 | (一財)建設業振興基金 | 9,500円 |
5 | (一社)全国土木施工管理技士会 | 9,500円 |
7 | (株)総合資格 | 8,500円 |
10 | (株)日建学院 | 9,000円 |
12 | (公社)日本建築士会連合会 | 9,500円 |
2020年11月現在、上記の通り6つの機関で監理技術者講習の受講が可能となっています。インターネットで申込の際の受講料も入れてみたが、金額が異なっており民間機関(総合資格・日建学院)の方がリーズナブルになってますね。
※郵送での申込の際は値段が異なる機関が多いので個別に確認をしてください。
上記機関によって開催場所も異なるので、料金・日程・受講場所で自分に合致した場所を選べます。
監理技術者講習の内容
基本的に受講しなければならない科目は決まっています。
・講習科目:
(1)建設工事に関する法律制度(1.5h)
(2)建設工事の施工計画の作成、工程管理、品質管理その他の技術上の管理(2.5h)
(3)建設工事に関する最新の材料、資機材及び施工方法に関し必要な事項(2.0h)
合計6時間の受講となっています。
建設業振興基金の時間割

総合資格の時間割
監理技術者資格者証
監理技術者講習は先ほど記載した6つの機関で受講出来て、講習修了証が公布されるが、監理技術資格者証の発行機関は別に定められています。
発行機関・・・一般財団法人建設業技術者センター
仕組み的に少しわかりにくいが下記のフローで進めなければなりません。

資格取得後、
・並行して監理技術者講習を申込みを行い、講習を受講して『監理技術者講習終了履歴ラベル』を受領。
・『監理技術者資格証』を受領したら、上記の講習終了ラベルを資格証の裏面所定位置に貼付け。
※資格証の公布申請と、技術者講習申込はどちらが先でも問題なし。
ちなみに、この監理技術者講習はオンラインでの受講も可能になっています。
例えば、建築・電気の試験実施機関である建設業振興基金では既にオンライン講習の対応が可能になっています。
オンライン対応している機関と未対応の機関があるようなので、確認してみてください。
ちなみにこのオンライン講習は、
- 通信環境
- パソコン
- WEBカメラ(PC内蔵含む)
が必要です。要するに受講状況はチェックされるようですね。
いわゆる好きな日時にE-ラーニングで受講するというよりも、決まった日時にパソコン前で受講する形態のようです。
私的にはこれだと返って窮屈な感じがするので、受講会場に行きますかね。
有効期限について
監理技術者講習を受けたら、ずっと監理技術者?を維持できるわけではありません。
ここは自動車の免許証と同じで有効期限があります。
これも建設業法の改正により令和3年1月1日より、
講習を受講した日から受講した年の5年後の12月31日までとなります。
※昨年までは受講した日から5年間だった。
監理技術者の価値
さて皆さんもご存じの通り、令和3年4月1日からは新たに、第一次検定と第二次検定を実施し、
技術検定の合格者に与えられる称号は、第一次検定に合格すると『技士補』とし、第二次検定に合格すると『技士』という資格制度になっています。
監理技術者補佐には、主任技術者の要件を満たし、21年度に再編される技術検定の1級第1次検定に合格した「1級技士補」の有資格者を充てることができる。現場経験の少ない監理技術者を監理技術者補佐として配置することもできる。


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