昨年もまとめましたが、令和4年度の1級建築施工管理技士の技術検定、国土交通省より合格発表後に受検者数・合格者数・合格率が発表されたので、その合格者の属性をまとめていきたいと思います。
昨年(令和4年)の1次・2次の合格者の年齢層や学歴、勤務先や性別がどうなっているか、ここで取り上げたいと思います。
残念ながら受検者の属性は発表されていないので、例えば年代別に合格率の高い低いはわかりません。
ただこの属性から見えてくることもあるので、それを少し分析したいと思います。
令和4年 第一次検定の合格者の属性
国土交通省より公表されているデータは、
合格者12,755名の年齢層(年代)・学歴・勤務先・性別です。(令和3年より合格者は4,000人以上多いです。)
受検者・合格者・合格率の推移は下記記事を参照願います。
年齢層
まずは合格者の年代別の表です。
29才以下が他年代よりかなり多いですね。大手建設会社は実務をクリアしたらすぐ受検するのでしょう。(但し令和3年は27.6%だった)
30~49才の年代は大体同じような合格者となっています。また60才以上は昨年は2.1%だったのが2.9%に上昇しています。高齢になってもチャレンジする方は増えている感じですね。
個人的には記憶の定着の早い若い年次に受けておくことをお勧めします。
学歴
次は合格者の学歴です。
数値的には昨年と大きく変わるところはありません。基本的には大卒が40%以上を占めています。
ただ学歴を気にする必要はないかと思います。(そもそも大学卒の受検者の割合が多いのも事実でしょう。)
基本的には20代、かつ大学卒の方は実務経験が取れ次第受検はした方が良いのはデータでも読めますね。
勤務先別
次に勤務先別の属性です。
こちらも昨年と比率はほぼ変わりません。
但し建設業といっても、ゼネコン、専門工事業(躯体~仕上げ)、改修工事専門、建材メーカー、建築もやる設備会社など多岐に渡っていると思います。
私も多くの指導をしてきましたが、少し特殊な専門工事会社でも、普通に皆さん合格しているので気にする必要はないでしょう。
男女別
まあこれは取り上げる必要もないかもしれませんが、女性も6.7%います。(昨年度より0.1%アップ)
おそらく年々少しずつではあるが比率としては増えてくるものと思われます。
1次検定はざっとこんなデータが公表されています。
データは国土交通省の下記のものを棒グラフ化しています。
令和4年 第二次検定の合格者の属性
次に先般発表のあったばかりの第二次検定の属性です。基本的には第一次検定と大きくは変わりません。
年齢層
まずは合格者の年齢層の分布です。
昨年は29才以下が25.7%だったのが、28.6%に上昇しています。40代が少し減った感じです。
60才以上は変わらずで2.3%、まあ全体として比率が大きく変わったところはありません。
学歴別
次が学歴です。
これは数値を見る限り、昨年と傾向は全く同じで、大学卒が第一次検定より数値を上げて、高校卒・中学卒が数値を下げています。
2次検定は記述問題が基本です。より高度な能力が求められる分、大学卒などの高学歴の方が優位にあるのは現実としてありそうですね。(20代大卒が有利)
勤務先
次に勤務先の属性です。
昨年と同様に、建設業の数値(比率)が少し下がり、他は少しずつ1次検定と比べると高くなっています。
設計事務所は官公庁などの勤務者はある程度明確な目的を持っているので、多少数値が上がるのは理解出来ますね。
男女別
次に男女別について
こちらも昨年と同様に、1次検定と比べると女性の比率が少し数値アップ。
そして昨年は7.1%だった女性の比率が8.4%と少し大きくアップしています。数年以内に女性比率が10%を超えそうですね。
2次検定のデータはこちらから。こちらも国土交通省リリースです。
まとめ
昨年より開始した属性データまとめですが、今年も概ね同じです。
試験合格者は20代の大学卒の比率が高いが、合格者も60才以上の方もいれば、中学卒でも合格しています。
また少しずつ女性比率が大きくなっているのも傾向としては読み切れそうです。
つまり、
『○○才だけど、試験受かるかな。』
『中学卒業してから勉強していないんだよな』
と躊躇する必要はないということです。
但しそれなりの勉強は必要なことは間違いありません。
参考になれば幸いです。
また企業担当者も年齢関わらず資格は推奨しても問題ないと思います。