令和3年度の1級建築施工管理技士の第二次検定が10月17日に実施されました。
試験が終わるまで、今年からの新たな試験制度に対して色んな予測をしてきましたが、大きな変革ではなく問題の出題方式の見直しというところが着地点だったようです。
今後も踏まえて、そんな試験の振り返りをしたいと思います。
施工管理法の知識問題
今年の技術検定の目玉は資格試験の改正による試験制度の見直しでした。
学科試験が第一次検定となり、実地試験が第二次検定となりました。
第一次検定に合格すると『技士補』の称号を得られます。なので資格者に必要な、『施工管理法の応用能力問題』(五肢二択)が出題されることになり、
第二次検定は、『施工管理法の基本的な知識を問う問題』(五肢一択)が新たに出題される、という発表もありました。
難易度は?
客観的に出題内容を見ると、
難しい問題もあったし、比較的に取り組みやすい問題もあったから総合的には例年と難易度は大きく変わらないな、
というのが第一印象です。
それは、
問題5(仕上げ工事)や問題6(法規)は五肢一択で選択肢から選べるようになった。
・実施した内容及びその確認方法又は検査方法
・その内容をネットワーク工程に書き込む。
合格するために必要な取り組みを考える
令和元年(2019年)に出題された施工経験記述の品質管理の問題を見てみましょう。
1. 工事概要であげた工事で,あなたが重点的に品質管理を実施した事例を 2つあげ,次の①から③について具体的に記述しなさい。ただし,2つの事例の工種名は同じでもよいが,他はそれぞれ異なる内容の記述とする。
① 工種名,要求された品質及びその品質を実現させるために設定した品質管理項目
② ①の品質管理項目を設定した理由
③ ①の品質管理項目について,実施した内容及び留意した内容
1. 工事概要であげた工事で, あなたが現場で重点をおいて実施した品質管理の事例を 2 つあげ, 次の①から④について具体的に記 述 しなさい。ただし, 2 つの事例の②から④は, それぞれ異なる内容を記 述 するものとする。
① 工種名
② 施工に当たっての品質の目標 及びそれを達成するために定めた重点品質管理項目
③ ②の 重点品質管理項目を定めた理由及び発生を予測した欠陥又は不具合
④ ②の 重点品質管理項目について, 実施した内容及びその確認方法又は検査方法
昨年の『施工の合理化』も同様に、同じ出題のされ方は昨今はほぼなく、異なる問われ方をする傾向がより強くなっています。
現在の試験実施団体及び国土交通省の考えは、
問題2 過去問対策の知識で対応
問題3 過去問の取組み+しっかり考えて計算して解答する必要がある
問題4 過去問対策だが10年以上前
問題5 五肢一択の選択問題(知識)
問題6 五肢一択の選択問題(知識)
問題5と問題6が知識問題になったことにより、他の問題はより応用能力を問う問題に変わってきたともいえるでしょう。
おそらく来年度以降も問題によりメリハリはつけるものの、総合的な難易度は変わらないという基本スタンスになると思います。
但し、その難易度基準は、
・問題に対して柔軟に記述する力。
・受検資格に応じた経験の有無とその表現力。
・出題内容とその意図を十分に理解しているか?
まとめ
来年度以降の対策としては、
・施工経験記述は展開力のある内容を構築する。
・ネットワーク工程は過去問に取り組み理解していることが前提。
・知識問題は割り切って暗記に注力。
ですね。
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