【2023年】1級建築施工管理技士 第二次検定対策-過去に出題された法規まとめ

私が1級建築施工管理技士の実施試験対策の勉強をしている時、あまり得意ではなかったのが『法規』の問題です。実際に試験の際も正答は6問中2問か3問だったように記憶しています。

その原因は正しい用語・語句を記憶していなかったからです。

私が法規で勉強したのは過去問のみですが、どうも記憶があやふやで取り組んだ記憶があります。

法規の対策は下記の記事でまとめていますが、

昨年度より、この問題は五肢一択の選択問題に変わりました。詳細は上記の記事を参照してください。

今回は具体的に過去12年分の出題内容をチェックして、

記事のポイント

・過去12年分の出題はどんな法規が出題されているか?
・試験の範囲(具体的にどの条文がよく出題されているか)

についてまとめています。

今になって考えるとこの『法規』の問題は、他の出題内容と比べると範囲も限られ、用語・数値を記憶すれば6問中4問は確実に解答出来る感じがします。

出題内容

問題6は最近は下記の3つの建築関連の法規より出題されています。

建設業法
建築基準法
労働安全衛生法
問題例を一つ挙げると、
 建設業者は,建設工事の請負契約を締結するに際して,工事内容に応じ,工事の種別ごとに材料費,労務費その他の ( ① ) の内訳を明らかにして,建設工事の見積りを行うよう努めなければならない。
建設業者は,建設工事の( ② )から請求があったときは,請負契約が成立するまでの間に,建設工事の見積書を提示しなければならない。
(解答)① 経費 ② 注文者

この問題は、建設業法20条1項、2項(建設工事の見積り等)より出題されています。

基本的に法規の問題は上記のように、条文をそのまま出題し、1つの問題に対して2つの空欄を埋める問題です。ですのでこれは応用力ではなく、あくまでも知識の問題なので語句や数値などを正しく記憶する必要があります。

例えば上記の問題②は発注者などと記述するとNGだと思います。私の受検の際、そのようなミスをしたのでよく覚えています。

 

上記3つの法規を全て覚えることは不可能ですが、過去に出題されている条文から、少し範囲を広げて勉強するのも有効な方法と思われます。各法規毎に出題条文を明記していきたいと思います。

 

過去13年の出題された問題内訳(法規別)

2010年〜2022年までの出題された問題の法規を表にまとめました。

年次 問題(1) 問題(2) 問題(3)
2011年(平成23年) 建設業法 建設業法 労働安全衛生法
2012年(平成24年) 建設業法 労働安全衛生法
2013年(平成25年) 建設業法 建築基準法施行令 労働安全衛生法
2014年(平成26年) 建設業法 建築基準法施行令 労働安全衛生法
2015年(平成27年) 建設業法 建築基準法施行令 労働安全衛生法
2016年(平成28年) 建設業法 建築基準法施行令 労働安全衛生法
2017年(平成29年) 建設業法 建築基準法施行令 労働安全衛生法
2018年(平成30年) 建設業法 建築基準法施行令 労働安全衛生法
2019年(令和元年) 建設業法 建築基準法施行令 労働安全衛生法
2020年(令和2年) 建設業法 建築基準法施行令 労働安全衛生法
2021年(令和3年) 建設業法 建築基準法施行令 労働安全衛生法
2022年(令和4年) 建設業法 建築基準法施行令 労働安全衛生法

過去の基本パターンとして、

問題(1)(2)(3)の3問でその中に2個の空欄を埋める計6問の問題が出題されています。

2012年のみ問題(1)(2)でそれぞれ3個の空欄を埋めて計6問の出題になっています。

  • 〜2009年まで 建設業法のみの出題
  • 2010年〜2012年 建設業法労働安全衛生法の出題
  • 2013年以降 建設業法・建築基準法施行令・労働安全衛生法の出題

となっています。

またどこかのタイミングで変わるかもしれませんが、全てがいきなり変わることはないと思います。

法規別出題内容

では各法規はどの条文が出題されているか整理してみます。

建設業法は何度かにわたって改正されており、第24条5が24条6になったり変わっているので、令和5年3月段階での最新の建設業法の条に合わせています。(なのでテキストと合わない部分がある場合もありますが、了承下さい)

建設業法

建設業法は2010年、2011年は2問、2012年以降は1問が出題されています。

建設業法 令4 令3 令2 令元 平30 平29 平28 平27 平26 平25 平24 平23
第4条
第19条の2
第20条
第24条
第24条4
第24条6
第24条7
第24条8
第26条4
【建設業の許可】
・第4条・・・付帯工事
【建設工事の請負契約】
(通則)
・第19条2・・現場代理人に選任等に関する通知
・第20条  ・・建設工事の見積等
(元請人の義務)
・第24条・・・請負契約とみなす場合
・第24条4・・検査及び引渡し
・第24条6・・特定建設業者の下請代金の支払期日等
・第24条7・・下請負人に対する特定建設業者の指導等
・第24条8・・施工体制台帳及び施工体系図の作成等
【施工技術の確保】
・第26条4・・主任技術者及び監理技術者の職務等
ここ12年で出題されている問題は上記の条文より出題されています。
私の感じだと、上記の条文は他の項の文章もあったりするので、そこは読み込んでおきたいと思います。
それ以外だと、第18条〜24条の8迄、と第26条は重要な語句はチェックしておけばベストですね。(と言ってもそれなりにボリュームはあります)
→まああまり時間をかけるより、あくまでも過去問重視で良いとは思います。
※ちなみに平成24年(2012年)の第24条8の出題は条文の空欄を埋めるのではなく、施工体系図もとにを建設業法に基づき、問題に答える少し難しい問題になっています。

建築基準法施行令

次に建築基準法施行令です。こちらは平成25年からの出題です。(合計9年)

令4 令3 令2 令元 平30 平29 平28 平27 平26 平25
第136条2の20
第136条3の6
第136条の5
第136条の6
工事現場の危害の防止
・第136条2の20・・・仮囲い
・第136条3の6・・・・・根切り工事、山留め工事等を行う場合の危害の防止
・第136条5・・・・・落下物に対する防護
・第136条6・・・・・建て方
建築基準法施行令は、『第七章の八 工事現場の危害の防止』から出題されています。
第136条2の20〜8までを押さえておくと良いと思います。

労働安全衛生法

最後に労働安全衛生法です。これは平成22年から出題されています。(平成23年よりまとめています)

労働安全衛生法 令4 令3 令2 令元 平30 平29 平28 平27 平26 平25 平24 平23
第3条
第10条
第29条
第29条の2
第30条
第59条
第60条
第66条
・第3条 ・・・ 事業者等の責務
・第10条・・・統括安全衛生管理者
・第29条・・・元方事業者の講ずべき措置等
・第29条の2・  元方事業者の講ずべき措置等
・第30条・・・特定元方事業者等の講ずべき措置
・第59条・・・安全衛生教育
・第60条・・・安全衛生教育
・第66条・・・健康診断
令和2年は第10条が初めて出題されました
労働安全衛生法は上記過去問をベースに、25条の2、29条、61条、あたりでしょうか。
上記含めて建設業関連の条文はチェックしておきたいですね。

まとめ

以上、1級建築施工の第二次検定における問題6の法規の出題された問題が、第○条のものかについてまとめました。

ざっと私も振り返りましたが、

・建設業法
・建築基準法施工令

この2つはある程度絞りやすく感じましたが、

・労働安全衛生法

は少し難しい感じです。

法規の対策としては、

・第一次検定の過去問で上記法規のみ取り出して勉強する。
第二次検定10年分の過去問の反復練習
・今回まとめた関連法規の読み込み(キーワードの語句の暗記)

と言ったところでしょうか。

さて、最初にも書いた通り、一昨年よりこの問題は五肢一択の選択問題になっています。細かく用語を徹底的に暗記する必要性は少しなくなりましたが、より広範な範囲が出題される可能性もあります。この当たりはしばらく様子を見ないとわかりませんが、、、

→現状は、学科試験時代からは変わっていない。

また同じ条文が出題されたとしても、埋めるべき空欄が同じとは限りません。なので出題された条文の他のキーワード・数値もきっちり理解しておきましょう。

今まで出題されたことのない条文への対策はやりだすとキリがないので、まずは過去に出題されたものを確実に覚える、これが大切です。そして余裕があるのなら上記でまとめた関連する法規に取り組みましょう。

出題される法規はウェブで簡単に調べられるので、本などの購入は不要です。

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