【2021年】1級建築施工管理技士 第二次検定対策-施工経験記述(建設副産物)

2021年度の1級建築施工管理技士の第二次検定対策の施工経験記述対策、今回は『建設副産物』です。

昨年は『施工の合理化』が出題され、例年通りの順番ならば今年は『建設副産物』ですね。

 

ゼネコン勤務の方なら比較的取り組みやすいこの課題ですが、専門工事の方だと少し苦手な方もいるんじゃないでしょうか?

ただこの建設副産物は5つの用語の理解で、その意味の違いを理解すれば比較的に取り組みやすい問題だといえます。私の受検の時に出題されたのはこの『建設副産物』です。

本記事のポイント

・過去11年の出題分野を知る。
・どういう問題が出題されるか?
・建設副産物とは?
・記述例

過去11年分の出題分野は?

ここ11年の出題された内容は下記の通りとなっています。

2020年(令和2年)施工の合理化⇦new!
2019年(令和元年)品質管理
2018年(平成30年)建設副産物
2017年(平成29年)施工の合理化
2016年(平成28年)品質管理
2015年(平成27年)建設副産物
2014年(平成26年)品質管理
2013年(平成25年)施工の合理化
2012年(平成24年)建設副産物
2011年(平成23年)品質管理
2010年(平成22年)施工の合理化

過去11年で、

品質管理    4回
建設副産物   3回
施工の合理化  4回
が出題されています。2年連続同じテーマでの出題はないので、単に可能性だけで言うと、①建設副産物②品質管理③施工の合理化の順番での出題確率となりそうです。
ただし、上記3つはどれもきっちり訓練して記述出来るようにしておくと、必然的に記述力は大幅に上がります。
どれかの出題テーマは捨てるという判断はあまりお勧めできません。

出題内容1(平成30年)

2年前に実施された試験の経験記述の出題内容を例に取りましょう。

建設業においては、高度成長期に大量に建設された建築物の更新や解体工事に伴う建設副産物の発生量の増加が想定されることから、建設副産物対策への更なる取組みが求められている。 あなたが経験した建築工事のうち、施工に当たり建設副産物対策を施工計画の段階から検討し実施した工事を1つ選び、工事概要を具体的に記述したうえで、次の 1.及び2.の問いに答えなさい。
なお、建築工事とは、建築基準法に定める建築物に係る工事とし、建築設備工事を除くものと する。

そして上記に続く実際の問いの内容は、(工事概要の記載部分は省略する)

1.  工事概要であげた工事において、あなたが実施した建設副産物対策に係る 3 つの事例をあげ、それぞれの事例について、次の①から④を具体的に記述しなさい。
ただし、3つの事例の③及び④はそれぞれ異なる内容の記述とする。
なお、ここでいう①建設副産物対策は、発生抑制再使用又は再生利用とし、重複して選択してもよい。
① 建設副産物対策(該当するものを1つ○で囲むこと。)
② 工種名等
③ 対策として実施したことと実施に当たっての留意事項
④ 実施したことによって得られた副次的効果

記述が必要な内容は、

  1. 建設副産物対策(発生抑制・再使用・再生利用から選択する)
  2. 工種名等
  3. 実施した内容留意事項
  4. 実施した事による副次的効果

以上4つとなっています。

建設副産物とは?

「建設副産物」とは、建設工事に伴い副次的に得られたすべての物品であり、その種類としては、「工事現場外に搬出される建設発生土」、「コンクリート塊」、「アスファルト・コンクリート塊」、「建設発生木材」、「建設汚泥」、「紙くず」、「金属くず」、「ガラスくず・コンクリートくず(工作物の新築、改築又は除去に伴って生じたものを除く。)及び陶器くず」又はこれらのものが混合した「建設混合廃棄物」などがあります。

一般社団法人 土リサイクル協会HPより引用

簡単にいうと工事現場で発生した物の中で工事中あるいは工事終了後その現場内では使用の見込みがないものの事をいいます。そして建設リサイクル法では、

特定建設資材(コンクリート(プレキャスト板等を含む。)、アスファルト・コンクリート、木材)を用いた建築物等に係る解体工事又はその施工に特定建設資材を使用する新築工事等であって一定規模以上の建設工事(対象建設工事)について、その受注者等に対し、分別解体等及び再資源化等を行うことを義務付けています
環境省ホームページより引用

つまりは1級建築施工管理技士になるに当たって、建設副産物への取り組みと正しい知識の習得がコンプライアンス的にも必須とも言えます。

また循環型社会形成推進基本法では、廃棄物の処理の優先順位が法定化されています。

  1. 【発生抑制】⏩リデュース(現場へ持ち込む発生材を減らす)
  2. 【再使用】⏩リユース(資材などをそのまま再使用する)
  3. 【再生利用】⏩リサイクル(引き取って原材料として生まれ変わる)
  4. 熱回収】⏩サーマルリサイクル(熱源として利用・回収する)
  5. 【適正処分】⏩その名の通り適正に廃棄処理を行うこと。

この建設副産物対策で最初にすべき事はこの5つの用語をきっちり理解しましょう。

一番重要なのはそもそも発生材を減らしてね、なので①の発生抑制の取り組みが一番重要です。

ここ2回の出題を見る限り、発生抑制・再使用・再生利用・適正処分に関する出題がなされています。

『熱回収』に関する対策を経験している人は少ないのではないでしょうか?

そういう方は、これに関しては記述例を参照するしかなさそうですね。(私も一応覚えた)

 

建設副産物の考え方として、いかに現場に持ち込む発生材を減らすか?または現場での発生材を工夫して再使用・再生利用などによって、廃棄物をいかに減らしたかを記述出来ることがポイントです。

また残った混合廃棄物は適正に法に基づいて処分しているか、ということが理解できているかが重要ですね。

建設副産物の記述例

  1. 建設副産物対策(該当するものを1つ○で囲むこと。)
  2. 工種名等
  3. 対策として実施したことと実施に当たっての留意事項
  4. 実施したことによって得られた副次的効果
解答例①

発生抑制
②型枠工事
③床の合板型枠を工事監理者の承認を得て、フラットデッキ型枠に変更して型枠の廃材の発生を抑制した。また施工時には所定のかかり代を確保し、割付図面通りにフラットデッキを配置した。
④フラットデッキ工法にしたことで、支保工も大幅に削減出来て現場内での作業性は改善され、型枠の解体作業もなかったので工期短縮にもつながった。

解答例②

再生利用
②内装工事(プラスターボード)
③間仕切りとして利用したプラスターボードのカットした端材は分別して、湿気と水分で濡れないように留意しながら保管・分別して、納入業者に引き取らせた。
④メーカーでプラスターボードに再生されただけでなく、廃棄処分費用が削減され、また現場は材料毎にコンテナを設けて分別することにより整然と作業性の良い環境となった。

解答例③

再使用
②土工事
③基礎工事の際に堀削で発生した発生土は良質土であったため、同じ市内の別の現場に搬送し再使用を行った。現場間でスケジュールと搬送量などを緊密に調整を行い、無駄を省いた。
④同じ市内の現場で再使用することにより、発生土の廃棄を最小限に押さえる事が出来ただけでなく、処分費用のコスト削減にもつながった。

以上3つ、かなり月並みなテキストにも載っていそうな平凡な解答例です(笑)
インターネットなどで情報を調べると再利用という言葉でもよく使われていますが、この技術検定においては、
再生利用=リサイクル・生まれ変わる
再使用=リユース・そのままの状態で他の場所・用途で使う。
この2つの違いをよく理解し、再利用という言葉は使わないようにしましょう。
上記以外では再使用は、梱包材・ベニヤなどを養生材として使ったりしますね。自分の経験で、どんな内容が記述できそうか考えてみてください。

経験記述は論理構成をしっかりと

先ほど挙げた問題は、平成30年に出題されたものだが、平成27年は下記のような問題が出題されています。

1.工事概要であげた工事において、あなたが計画し実施した建設副産物対策のうちから発生抑制 について 2 つ再生利用について 1 つあげ、次の①から③の事項についてそれぞれ具体的に記述 しなさい。 ただし、②の計画「実施した内容」はそれぞれ異なる内容の記述とする。
①工  種  名
②計画・実施した内容
③結果と波及効果

という出題だった。平成27年と30年の出題を比較すると、

②(平成30年)対策として実施したことと実施に当たっての留意事項→(平成27年)計画・実施した内容
③(平成30年)実施したことによって得られた副次的効果→(平成27年)結果と波及効果

③は問題の内容としては大きく変わりませんが、②は実施に当たっての留意事項の記載が出来ていなければ減点となりますね。

このように全く同じ問題は出ませんので、文章を問題内容に応じて変えていく必要があります。ここ最近は留意事項を問われる傾向が強いですね。

 

また平成30年は、発生抑制・再使用・再生利用から3つ重複してもOK)

平成27年は発生抑制が2つ、再生利用が1つと内容が指定されていたのが特徴です。

ですので各用語について安全を期すならば2つ書けるようにしておくとベストです。(さすがに熱回収を2つ書けという出題の可能性は低いと思われます。)

※個人的には、

・発生抑制と再生利用は2つ、それ以外は1つの記述を用意する。

私ならこんな準備をすると思います。

まとめ

建設副産物は、建設リサイクル法でいろいろ決められているように、建設現場において廃棄物をどのように捉えているか、という観点ではとても重要な知識です。

  1. 発生抑制・再使用・再生利用・熱回収・適正処分の言葉とその意味を正しく理解する。
  2. 例年の出題傾向としては、その波及効果(副次的効果)がきっちり記述できる事が重要
  3. さらに実施した際の留意した事項が書ける準備が必要。

という感じですね。

上記の発生抑制や再使用・再生利用をすることにより、

  • 品質の向上につながった。
  • 工期短縮につながった。
  • 作業性が向上した。
  • コスト削減にもつながった。
  • 現場の省力化にもつながった。

波及効果とは、当初予定した以上の効果として上記のような例が考えられます。

この論理構成が準備出来れば、建設副産物は完璧だと思います。

 

 

上記以外に建設副産物対策の事例をいくつかまとめてみました↓

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