1級建築施工管理技士 実地-経験記述(品質管理)

ここ最近の1級建築施工管理技士・実地試験の経験記述においては下記3テーマがメインに出題されています。

  • 建設副産物
  • 施工の合理化
  • 品質管理

過去には施工計画・工程管理・安全管理の出題もありましたがここ最近はありません。

『品質管理』の問題はここ10年のうち、令和元年、平成28年、平成26年、平成23年と4回出題されています。

昨年も出題されているので、連続の出題の可能性は高くはないかと思いますが、『品質管理』・『建設副産物』・『施工の合理化』の課題は記述出来るよう準備しておきたいところです。

出題内容 1

 建築工事の施工者に対して、建築物の施工品質の確保が強く求められている。 あなたが経験した建築工事のうち、発注者や設計図書等により要求された品質を実現するために品質計画に基づき品質管理を行った工事を1つ選び、工事概要を具体的に記入したうえで、次の1.から2.の問いに答えなさい。
 なお建築工事とは、建築基準法に定める建築物に係る工事とし、建築設備工事を除くものとする。

実際の問いの内容は、

1.工事概要で上げた工事で、あなたが担当した工種において実施した品質管理活動の事例を2つ上げ、①〜3についてそれぞれ記述しなさい。ただし、2つの品質管理活動は、それぞれ異なる内容の記述とすること。

① 発注者や設計図書等により要求された品質及びその品質を満足させるため特に設定した品質管理項目を、工種名をあげて具体的に記述しなさい。
② ①で設定した品質管理項目について取り上げた理由を具体的に記述しなさい。
③ ①で設定した品質管理項目をどのように管理したか、その実施した内容を具体的に記述しなさい。

これが一つ目の問題です。記述する内容は、

  • 工種名
  • 要求された品質
  • 品質管理項目
  • 取り上げた理由
  • 実施した内容

平成26年は工種名の記載はありませんでしたが、重点品質管理目標の記述が必要でした。

品質管理とは?

品質管理、これはどの施工管理者も良い品質の建物を提供するために、もっとも重要なポイントの一つですね。
なぜなら品質が良くない建築物は、

・竣工後すぐの不具合の発生
・耐久性に影響が出てくる。
・剥落などで建築事故につながる。

などの事象が発生すると、クレームにつながったりその会社の信用の問題にもつながります。

ですので、

  1. この工事の品質を確保しないとどういう恐れがあるのかを理解する。
  2. そして品質を確保するために施工管理者としてどこを重点管理をするか?
  3. 実際それを実施して最終的にどういうチェック・記録を残していくか?

おそらく大なり小なり現実的にも上記のプロセスを踏んでいるのではないでしょうか?

工事が竣工し、引き渡し後に問題が発生した際に、原因を調べるのにどういった品質管理項目を設定して、それを実施して確認及び記録をするプロセスが残っていることがとても重要です。

品質管理の施工経験記述はそのポイントをきっちり押さえることができれば難しい課題ではないかと思います。

品質管理の記述例

では実際の例をあげながら考えていきましょう。

工種名

工種名、これは実施した工事です。

  • 外壁タイル工事
  • 屋上ウレタン塗膜防水工事
  • 鉄骨工事

などですね。例えば、ウレタン塗膜防水ではなくきっちり~工事と記述するのが安全でしょう。

要求された品質

設計者・工事監理者は建物を建築する際、色々要望事項や要件を持っているかと思います。また施工管理者の立場は設計図書を読み込んだ上で、特に重要な品質について読み取っていくことが重要です。

要求された品質はそれについて記述します。

例えば一般的な分譲・賃貸マンションで、入居したら隣室との音がすごく漏れて大問題になった、なんてことになると大変ですよね。

一般的には共同住宅などでは、

  • 隣室との部屋間の遮音性能の確保

はとても重要な要求事項ですよね。これが要求された品質の例です。

それ以外に、

  • 打ちっぱなしコンクリートの外観の美観の確保
  • 屋上の防水性能の確保(水漏れのない)
  • 外壁タイルの接着力の確保

などでしょうか。いずれも品質を担保しておかないと後から事故やクレームになりますね。

打ちっぱなしのコンクリートの外観が、打ち継ぎが目立ち過ぎたら困りもんです。

自分のよく実施する工事でもどういったことが設計者などから要求されているか考えてみましょう。

品質管理項目

次が品質管理項目。これは要求された品質、または良い品質を確保するためにどういったことを重点的に管理をするのかを記述します。

  • 隣室との部屋間の遮音性能の確保

を要求された品質とした場合、設計図書通りに施工したとしても施工品質的に隙間などがあっては遮音性能に影響します。ですので、

  • スラブ及びランナー部やボード突付け部の密閉管理

などが一例としてあげられます。

それ以外に鉄骨工事にて、鉄骨の建て入れ精度の確保を要求品質とした場合、

  • 建て入れ精度±1.5mmの確保

防水性能の確保(アスファルト防水の場合)だと、

  • 下地の乾燥度及び水勾配の確保

などが考えられます。

品質管理項目は要求された品質に対して、具体的にどういった部分を重点的にチェックして施工管理するのかを記述する。

取り上げた理由(定めた理由)

今回の品質管理に当たって、上記の要求された品質とその品質管理項目を守ることが重要だと思う理由をここで書きます。

例えば、先ほどの遮音性能を例にしてみます。

共同住宅間のLGS+プラスターボード(2重)の施工時のランナーやスラブ部に隙間が発生すると、十分な遮音性能を確保出来ないため、入居後の住民より隣室との音漏れより大きなクレームとなる恐れがあるため。

取り上げた工事が、その品質管理項目を守らず施工するとどういう恐れがあるのか?

  • 美観・見栄えが悪くなりかつ補修が効かないため。
  • 床に不陸が発生して、建具などの設置における精度が悪くなるため。
  • コンクリートにおけるコールドジョイントと言った不具合が発生し、ひび割れなどにつながる恐れがあるため。

回答方法の一例です。

あと気をつけて欲しいのは『理由』を問われている場合は文尾は『~のため』で締めましょう。

色んな回答を見ていると、問題通りの答えになっていない答えが必ず散見されます。

実施した内容

今回取り上げた工事について、品質管理項目を定めました。そして施工段階で実際に実施した内容をここで記述します。

ここでも遮音性能を例に記述しましょう。

天井及び床スラブとLGS壁・ボードとの隙間はシールにて密閉を行い、2重プラスターボードの突き付け部にはジョイントテープを貼り隙間を防ぎ、密閉することにより遮音性能を確保した。

と言った感じです。それ以外にも実施した内容としては、具体的な管理目標値があればそれを確認した事、また仕上がってしまい工事後は目視出来ない場所については写真記録などに残した、などの記述も良いでしょう。記述例としては、

  • かぶり厚さは柱・梁・壁やスラブの各所をスケールにて確認、適正なかぶり厚さの管理値を確認し、かつ写真にて記録した。
  • 高周波水分計にてコンクリートの下地の含水率が8%以下であることを確認して記録に残した。
  • トルシア高力ボルトにおいて、ピンテールの破断、マークのズレによるナット回転角・共回りおよび軸回りの有無を全数目視確認をし問題ないことを確認した。

 

回答例としては、少し短めの記述もありますが、実際の試験では8割程度を埋める記述は必要です。

あと注意して欲しいのが、記述した『品質管理項目』と『実施した内容』が異なるケースもあります。

『品質管理項目』ではコンクリートの型枠の精度管理と記述しながら、『実施した内容』ではコンクリートの打設の時間を~で実施した、というような記述です。

回答例についてはおいおい追加していきたいと思います。

 

まとめ

品質管理の記述については、普段皆さんがどのように良い品質を確保するために施工管理を実施しているのか?ということをきっちり記述していきましょう。

留意事項としては、

  • この品質管理に限らず経験記述は元請的立場で記述する。
  • 理由に関する問題は『~のため』で文章を締めましょう。
  • 『品質管理項目』と『実施した内容』がきっちりマッチするように気を付けましょう。

あと誤字の減点も避けましょう。

↓施工の合理化はこちら

建築施工管理技士への道

令和2年(実施されるのは令和3年)の1級建築施工管理技士の実地試験日まで近づいてきました。 各問題の対策への勉強と施工経…

↓建設副産物はこちら

関連記事

2020年度の1級建築施工管理技士の実地試験(2021年実施)の施工経験記述対策、今回は『建設副産物』です。例年の流れからの予想だと『施工の合理化』の可能性が高いですが、昨年度の出題は『品質管理』という事を考えると2番目に可[…]

 

【追記】令和元年の品質管理の出題内容

1.工事概要であげた工事で、あなたが重点的に品質管理を実施した事例を 2 つあげ、次の①から③について具体的に記述しなさい。

ただし、2つの事例の工種名は同じでもよいが,他はそれぞれ異なる内容の記述とする。

工種名、要求された品質及びその品質を実現させるために設定した品質管理項目

②  ①の品質管理項目を設定した理由

③  ①の品質管理項目について、実施した内容及び留意した内容

基本的には平成28年度と問われている内容はほぼ変わりないと言って良いでしょう。

③については、

〜のように実施し、また〜について留意した。
というような解答が出来れば、採点者にもわかりやすいですね。
問題1-2の出題の傾向とその対策は下記の記事にまとめています。
関連記事

さて、施工経験記述の問題1-2の傾向と対策シリーズです。『施工の合理化』と『建設副産物』に続き今回は『品質管理』の問題1-2の傾向とその対策についてまとめたいと思います。品質管理の問題は、10年間で令和元年、平成28年、平成[…]

最新情報をチェックしよう!