【過去問】平成24年 1級建築施工管理実地試験(問題と解答例)問題4〜6

前回の

に続いて、今回は平成24年(2012年)1級建築施工管理技術検定試験 実地試験問題と解答例(問題4〜問題6) です。

問題4 仕上げ工工事
問題5 工程管理(バーチャート工程)
問題6 建築法規

について取り組んでいきましょう。

問題4 仕上げ工事

問題4, 次の 1. から 4. の問いに答えなさい。
ただし,留意事項は,それぞれ異なる内容の記述とし,材料の保管,作業環境 (気象条件等),安全に関する記述は除くものとする。

1. 鉄筋コンクリート造建物のアルミサッシの枠回り目地に,2成分形変成シリコーン系シーリング材を充填するときの施工上の留意事項2つ具体的に記述しなさい。
ただし,被着面の確認及び清掃,充填後の養生に関する記述は除くものとする。

解答例
(1)目地への打始めは、目地の交差部又は角部から行い、隙間、打残し、気泡が入らないよう目地の隅々まで充填する。
(2)シーリングの打継ぎ箇所は、目地の交差部及び角部を避けて、そぎ継ぎとする。

2. 壁のタイル張り下地モルタル面に,陶磁器質タイル (小口タイル) を密着張りで張るときの施工上の留意事項2つ具体的に記述しなさい。
ただし,下地の調整,張付けモルタルの調合,タイルの割付けに関する記述は除くものとする。

解答例
(1)張付けモルタルの1回の塗付け面積の限度は、2㎡以内、かつ、20 分以内に張り終える面積とする。
(2)目地の深さは、タイル厚さの1/2以下とし、目地詰め後、モルタルの硬化を見計らい、目地ごて等で仕上げる。

3. 鉄筋コンクリート造建物 (階高 4m 程度) に,間仕切壁の軽量鉄骨下地を取り付けるときの施工上の留意事項2つ具体的に記述しなさい。ただし,施工箇所の点検,修正及び墨出しに関する記述は除くものとする。

解答例
(1)スタッドの間隔は、プラスターボード2枚張りの場合は450mm 程度とし、1枚張りの場合は300mm程度とする。
(2)振れ止めは、床面ランナー下端から約 1.2mごとに設ける。ただし、上部ランナー上端から400mm以内に振れ止めが位置する場合は、その振れ止めを省略することができる。

4. 内装床工事において,ビニル床シートを平場部に張り付けるときの施工上の留意事項2つ具体的に記述しなさい。
ただし,下地の調整・補修,張付け後の清掃に関する記述は除くものとする。

解答例
(1)ビニル床シートは、張付けに先立ち、仮敷きを行い、巻きぐせを取る。
(2)張付けは、接着剤を所定のくし目ごてを用い、下地面へ均一に塗布する。また、必要に応じて裏面にも塗布し、空気だまり、不陸、目違い等のないように、べた張りとする。

問題5 工程管理(バーチャート工程)

問題5,  市街地での事務所ビルの建設工事における右に示す工程表に関し,次の問いに答えなさい。 なお,解答の旬日は,上旬,中旬,下旬で記述しなさい。

〔工事概要〕
構造・規模:鉄骨造5階建,地下鉄筋コンクリート造1階,延べ面積 3,000 ㎡ とし,地業は,アースドリル杭とする。
山留め:山留め壁は,親杭横矢板工法で外部型枠兼用とし,親杭は引き抜かないものとする。 支保工は,水平切梁工法とする。
乗入構台:解体は,建逃げ方式 (屏風建て) による鉄骨建方と平行して行うものとする。
外壁仕上げ:金属パネル張りとし,アルミニウム製横連窓建具とする。
屋上防水:アスファルト防水の上,保護コンクリート仕上げとする。

1. 表中の A及び Bに該当する作業名をあげなさい。

解答・解説
(解答)A 2次根切り・床付け  B 本締め
(解説)Aは1次根切り〜切梁架け〜2次根切り・床付け〜杭頭処理の流れとなる。床付けは地盤面を水平に掘り揃えることです。

2. 作業の終了日が工程上最も不適当な作業名を表の中より選び,適当な工程となるように,その終了日を月次と旬日で定めなさい。

解答・解説
(解答)【不適切】外壁下地鉄骨組み 【終了日】7月下旬
(解説)外壁下地鉄骨組みが外部建具・ガラス取付や外壁金属パネル取付より終了日が遅くなっているのは明らかにおかしいですね。それ以前に終了しておく必要があるので7月下旬としています。

3. 内装工事の床仕上げ張り (主にビニル床シート張り) 作業の工程は未記入となっている。 適当な工程となるように,床仕上げ張り作業の開始日及び終了日の期日を月次と旬日で定めなさい。

解答・解説
(解答)【開始日】9月中旬 【終了日】11月上旬
(解説)床仕上げは最後の仕上げ作業です。終了日は清掃や完了検査前の11月上旬、開始は天井・壁ボードが開始されその後内部塗装がある程度進んだ9月中旬程度が良いかなと思います。

問題6 法規

問題6,  次の問いに答えなさい。

1. 請負関係を示した下図において,「建設業法」 上,施工体制台帳の作成等及び技術者の設置に関する次の問いに答えなさい。
ただし,下図の A社から O社のうち K社及び N社以外は,建設工事の許可業者であり,A社が請け負った工事は建築一式工事とし,B社~O社が請け負った工事は,建築一式工事以外の建設工事とする。

1-1 施工体制台帳を作成し,工事現場ごとに備え置かなければならないすべての建設業者を,会社名で答えなさい。

1-2 書面等により再下請負通知を行う再下請負通知人に該当するすべての建設業者を,会社名で答えなさい。

1-3 下請負人である J社から O社のうち,工事現場に施工の技術上の管理をつかさどる主任技術者を置かなければならないすべての下請負人を,会社名で答えなさい。

解答・解説 ※すでに建設業法改正されているため、参考として
1-1  A社・C社
1-2  D社・E社・I社 (B社は施工体制台帳不要なのでF社も再下請負通知は不要)
1-3  J社・L社・M社・O社 (K/N社は建設業許可業者ではない)当時の建設業法24条7の施工体制台帳及び施工体系図の作成等はある一定の請負金額以上で作成する事が定められていました。
政令で定める金額は、3,000万円とする。ただし、特定建設業者が発注者から直接請け負った建設工事が建築一式工事である場合においては、4,500万円とする。
⇒これが平成28年6月1日の改正で、
政令で定める金額は、4,000万円とする。ただし、特定建設業者が発注者から直接請け負つた建設工事が建築一式工事である場合においては、6,000万円とする。という事で上記解答は、当時の建設業法での解答となりますので参考程度に留めておいてください。

2. 「労働安全衛生法」 上,( ① )( ② )( ③ ) に当てはまる語句を記入しなさい。

建設業に属する事業の ( ① ) 事業者は,土砂等が崩壊するおそれのある場所,機械等が転倒するおそれのある場所その他の厚生労働省令で定める場所において ( ② ) の労働者が当該事業の仕事の作業を行うときは,当該 ( ② ) が講ずべき
当該場所に係る危険を防止するための措置が適正に講ぜられるように,( ③ ) 上の指導その他の必要な措置を講じなければならない。
解答・解説
(解答)① 元方 ② 関係請負人 ③ 技術
(解説)労働安全衛生法29条の2(元方事業者の講ずべき処置)からの出題。平成27年もこの条文は出題されています。

総括

平成24年度の実地試験は以上です。

印象的な問題は問題6 法規の施工体制台帳を読み取る問題です。

この年以降は出題されていませんが、現在は建設業法も少し変わっていますが、施工体制台帳など必要な請負金額などはきっちり覚えておきたいですね。

建設業法についてはまた試験までに最新情報を含めまとまたいと思っています。

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