4ヶ月遅れの令和2年度の実地試験は4ヶ月遅れの2月21日に実施されました。私も先程、実地試験問題を確認しましたが、思った以上に例年と傾向が変わっていないことに少し安心しました。
一方で想定外の記述を求められる部分もあったので、少し苦戦した人もいるかもしれませんね。
解答・解説まで少し時間がかかってしまうため、今回は施工経験記述だけ取り上げたいと思います。
令和2年 実地試験問題
今年の試験問題です。
問題1 施工経験記述
順番通りの施工の合理化に関する出題でした。
問題1, 建築工事の施工者は, 設計図書に基づき, 施工技術力, マネジメント力等を駆使して, 要求された品質を実現させるとともに, 設定された工期内に工事を完成させることが求められる。 あなたが経験した建築工事のうち, 品質を確保したうえで, 施工の合理化を行った工事を 1 つ 選び, 工事概要を具体的に記述したうえで, 次の 1.及び 2.の問いに答えなさい。 なお, 建築工事とは, 建築基準法に定める建築物に係る工事とし, 建築設備工事を除くものとする。
① 工種又は部位等
② 実施した内容と品質確保のための留意事項
③ 実施した内容が施工の合理化となる理由
④ ③の施工の合理化以外に得られた副次的効果
- 記述例
- ①左官工事
②床の左官工事はモルタルの金ゴテ仕上げから熟練工を必要としないセルフレベリング材で施工を行い、施工の際は、強い風や直射日光が入らないよう、また適切な養生期間を確保するよう留意して、床の平坦性を確保した。
③手配の難しかった熟練工を必要とせず、施工もレベリング材は自然と平滑となり、金ゴテ仕上げも不要で左官工事より1日あたりの施工量も多く、工期短縮と職人の省人化につながるため。
④セルフレベリング材の使用は工期短縮だけでなく、流し込むだけで均一なレベルを形成する性質を持っているので、職人の熟練度に平滑さにばらつきを生じることもなく、平滑な床の仕上がりにもつながった。
② 施工の合理化が必要となった原因と実施した内容
③ 実施する際に確保しようとした品質と留意事項
④ 実施したことにより施工の合理化ができたと考えられる理由
なお, コスト削減には, コスト増加の防止を含む。
ただし2つの事例は, 1. ②から④とは異なる内容のものとする。
- 記述例
- ①金属工事(壁軽量鉄骨下地)
②住居の各界壁の壁は天井の高さが全て同じだったので、軽量鉄骨下地は工場で全て天井高に合わせてプレカットしたものを現場に搬入した。プレカットにより現場での切断加工作業がなくなり、労務の人数を減らせるだけでなく、現場での端材が発生することなく発生材の抑制に繋がり、労務費と廃棄及び車両費用の削減によりコストの削減につながるため。
①施工方法
②その理由
というものでした。
・労務の削減(省人化)
・発生材の抑制(廃棄費とそれに伴う車両費の削減)
まとめ
来週には問題2〜6の記述例や解答をまとめたいと思います。
問題2は安全管理に関する出題。コンクリートポンプ車に少し戸惑った方もいるかもしれませんね。
問題3は躯体工事の正誤問題でした。学科試験の知識と過去問題である程度の解答が出来る問題が出題されていました。
問題4は仕上げ工事の施工上の留意事項。これも比較的オーソドックスな工事の出題だったように思います。ある程度過去問に取り組んでおれば対応出来ますね。
問題5は4年連続のネットワーク工程で仕上げに関する問題。こちらも3での計算間違いに注意すれば過去問演習でわかる内容でした。
問題6は法規、で(3)の労働安全衛生法が10条で初めての出題でした。それ以外は過去に出題されていますが、空欄が異なっているのもあり簡単ではなかったかもしれませんね。
問題をざっと見た感じそんな印象です。
やはり経験記述をしっかり記述出来るようにすること、そして問題2-6は過去の出題傾向を理解しながら過去問に注力することが重要だと感じだ2020年の試験でした。
本年度より試験制度が変わりますが、引き続き資格取得に関する情報を発信していきたいと思います。