【2020年度】1級建築施工管理技士 実地試験の出題内容について(傾向と対策)

2020年度(実施されるのは2021年)の1級建築施工管理技士の実地試験は終了しました。

資格取得や受験などの勉強で、合格するための鉄則として『出題内容の傾向と対策』を把握して、そこにある程度注力しながら知識を習得しておくことはとても重要です。

つまりは成功するためには、正しく情報収集をして勉強計画を効率的かつ集中的に行うことです。今回は、そんな実地試験対策の『出題内容の傾向と対策』をまとめています。

昨年までの実地試験の対策は引き続き読んでください。2021年度の第二次検定の対策を読みたい方は下記のリンクから入ってください。

特に試験日程が近づくと、

勉強が遅れ気味の場合は、より重点分野への勉強に注力する。
かなり捗っているならば、より広い範囲もチェックする。

などの勉強の配分を検討することが可能です。

実地試験問題の出題内容

実地試験における科目及び基準は、受検の手引きに記載されています。(法令は令和2年1月1日以降のもの)

受検科目試験基準
施工管理法1.建築材料の強度等を正確に把握し、及び工事の目的物に所要の強度、外観等を得るために必要な措置を適切に行うことができる高度の応用能力を有すること。
2.設計図書に基づいて、工事現場における施工計画を適切に作成し、及
施工図を適正に作成することができる高度の応用能力を有すること。

学科試験の基本的な知識に加えて、適正な品質を維持するべく建築工事に関して高度の応用能力が求められる試験です。

そして出題内容は、毎年変わらず6問出題される。

  1. 施工経験記述
  2. 安全管理・仮設計画の一般記述(3問)
  3. 躯体工事
  4. 仕上げ工事
  5. 施工管理(工程)
  6. 法規

この内容を見る限り、各問題で求めているものは、

  1. 資格者にふさわしい実務経験(指導監督的立場の経験)
  2. 安全に工事を遂行するための経験・知識
  3. 躯体工事に関する各種工事の施工上の正しい知識
  4. 仕上げ工事に関する各種工事の施工上の正しい知識
  5. 工程の流れが十分に理解出来ているか(工程管理の能力)
  6. 正しい法律を持って現場全体を管理できる十分な知識

以上の基本的な知識から十分な経験に基づく知識・知見が求められる問題までさまざまです。

簡単に知識と書いているけど、知識を生かして現場の施工管理にそれを適切に生かせる能力を有しているか、ということが重要なポイントだと思います。

(参考記事)過去10年分の実地試験過去問まとめと、8年分の解答例がまとまっています。

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実地試験問題1〜6の傾向と対策

問題1 施工経験記述

初めて受検する方にとって、まずは問題1の施工経験記述に慣れることが一番重要です。

試験の配点については公表はされていませんが、経験記述の配点は全体の30%〜40%程度(個人的には32点と思っています)あるのではと言われています。ここを完璧に押さえると、他の2〜6の問題の勉強が精神的にとても楽になります。逆にここで点数が取れないと、合格への道は極めて厳しいものとなります。

1級建築施工管理技士の大きな要件(受検資格)として、最終学科等に応じた実務経験年数指導監督的立場での実務経験(1年以上)が必要です。つまり実務経験、指導的立場に見合った施工経験記述が書ける事が必須だと思ってください。

過去の傾向から言うと、ここ最近の出題テーマは3種類に絞られています。

□施工の合理化 □品質管理 □建設副産物 となっており昨年の令和元年は品質管理の出題でしたね。

過去10年(2010年〜2019年)の出題内容を整理すると、

2019年(令和元年)品質管理
2018年(平成30年)建設副産物
2017年(平成29年)施工の合理化
2016年(平成28年)品質管理
2015年(平成27年)建設副産物
2014年(平成26年)品質管理
2013年(平成25年)施工の合理化
2012年(平成24年)建設副産物
2011年(平成23年)品質管理
2010年(平成22年)施工の合理化

基本的に3つのテーマを規則正しいローテーションで出題されていました。

しかし平成28年は施工の合理化の順番でしたが、出題されたのは品質管理でした。

ですので、出題順番に依存した絞った勉強の対策はとても危険で、今はこの3つの課題についてはどれも書けるように準備しなければなりません。2020年度は例年の流れから言うと、『施工の合理化』のテーマが出題される可能性が高いです。ただし経験記述の中でも『施工の合理化』は特に似た回答パターンが多くなりがちで、出題側も悩ましいのではないかと推測されます。

ですので、『施工の合理化』・『建設副産物』・『品質管理』がそれぞれ書ける準備をしていく事は必要です。但し多少の勉強時間の優先準備はつけて良いと思います。

基本的な記述をする内容ですが、問題1-1は上記の3つの出題テーマから自分が施工管理をした工事の経験を振り返って

  • 自分が経験した工事の工事概要を記述する。(どんな立場でどんな工事を施工管理したのか)
  • 実施した具体的内容、留意した内容などをまとめる。
  • またそれが品質を確保出来た理由や施工の合理化になった理由などを記述する。

ざっとそんな内容が問われる内容が出題されます。

問題内容(出題者の意図)を十分に理解して、丁寧に記述する事が高得点の秘訣です。多くの記事でも書いていますが、このサイトや対策本の例文の丸暗記はNGです。全く同じ問題ではなく、少しずつ問題の問われている内容(実施した内容・留意した事項・理由)が年度により変わるからです。

問題1-2は工事概要であげた工事に関わらず、自分の工事経験に照らして、

  • 一般的な事実
  • 自分の考え

のどちらかを記述する問題が例年の傾向になっています。

下記記事で具体的な内容について書いています。『品質管理』が出題されている年は、『組織的な品質管理活動はどう取り組むべきか』と自分の普段の取り組みや考えを文章にして記述しなければなりません。

工事概要・施工経験記述の各具体的な対策は下記のリンクを参照してみてください。

【工事概要の書き方】
施工経験記述・工事概要の書き方

問題2 仮設計画・安全管理(一般記述)

問題2の一般記述問題は、『仮設計画』と『安全管理』に関する出題が年度毎に交互に出題されています。
令和元年度(2019年度)は、

  1. 荷受け構台
  2. 鋼板製仮囲い(ゲート及び通用口を除く)
  3. 工事用エレベーター

について検討すべき事項と留意点を2つ記述するというい仮設計画に関する出題

平成30年度(2018年)は、

  1. 墜落、転落による災害
  2. 電気による災害
  3. 車両系建設機械による災害

上記の災害が発生する恐れのある内容と、それを防止する対策(いわゆる安全管理に関する出題)を2つ書くというものでした。

毎年交互に出題されているので、その流れだと今年度は安全管理に関する出題の可能性が高いと言えそうです。

参考記事↓

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基本的に過去問を中心に知識を増やしていき、記憶した知識を自分の文章で書けるようになるまで練習を繰り返しましょう。

問題3 躯体工事 問題4 仕上げ工事

令和元年度(2019年)の出題は、

躯体工事は工事における施工上の留意事項を2つ書くというもの。
  1. 山留め支保工
  2. 鉄筋の組み立て
  3. コンクリート打ち込み
  4. 鉄骨の建入れ直し

以上の4問が出題されています。上記の内容について、施工上の留意事項を文章で2つ記述しなければなりません。

 

仕上げ工事は語句や数値の誤り(正誤)を見つけ、適切な語句や数値を書くというもの。

  1. アスファルト防水密着工法
  2. 外壁タイル後張り工法
  3. 金属製折板葺き
  4. 軽量鉄骨工事
  5. セメントモルタル下地の表面仕上げ
  6. 防炎シャッター
  7. パテ処理の工法
  8. せっこうボード直張り工法

以上の8問が出題されています。3つの語句・数値で誤っているものを一つ見つけ、正しい語句・数値を記述する問題ですね。

 

2019年(令和元年)は上記の内容の出題でしたが、2018年(平成30年)はその逆でした。

躯体工事・・・誤りを見つけ、正しい語句・数値を記述する問題✖️8問
仕上げ工事・・施工上の留意事項を2つ記述する問題✖️4問
上記の通り、例年交互に出題されています。(躯体工事は、奇数年は留意事項の問題、偶数年は正誤問題

この例年の傾向から言うと2020年度の実地試験は、

  • 躯体工事・・・正誤問題8問
  • 仕上げ工事・・・留意事項4問✖️2

が出題される可能性が高いと言えるでしょう。

上記の傾向によって勉強の仕方は大きく変わってきます。

躯体工事はより数値や用語を正しく記憶する。これは学科試験時の学習もかなり役に立ちます。

仕上げ工事は施工上の留意事項について文章で書けるようにすることが重要です。

躯体工事の出題に関する参考記事↓

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仕上げ工事の出題に関する参考記事↓

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問題5 施工管理(工程)

問題5は工事概要と工程表が出され、その工程を読み込みながら答えていく問題です。平成28年までは永らくバーチャート工程表の問題が出題されていましたが、平成29年からここ3年はネットワーク工程に関する出題。

平成29年に受検された方はさぞ頭を抱えたことでしょう。但し、学科試験の際の知識がある程度残っていれば、解ける問題でもありました。

そして以降は3年連続でネットワーク工程の問題が出題されています。

来年以降もネットワーク工程の出題が標準化される可能性が高そうですが、バーチャート工程ネットワーク工程の両方を理解しておきましょう。

10年間の過去問題に取り組む中で、バーチャート工程が7年分、ネットワーク工程が3年分出題されているので、この過去問題をきっちり取り組んで理解度を高めておきたいですね。

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またネットワーク工程は学科試験の基本知識を理解しておけば必ずわかるようになります。

問題6 法規

最後が法規ですね。例年、

  1. 建設業法
  2. 建築基準法施行令
  3. 労働安全衛生法 

基本的に上記の条文から問題が出題されています。

私は苦手でした(笑)

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この記事にも書いてある通り、

  1. 過去問を中心に解いて理解する。
  2. 過去問の条文の問題の中の他の語句・数値も記憶する。
  3. 同じ条文の同じ項も余裕があれば理解しておきたい。

3つ目は、例えば建設業法26条3項の問題ならば、他の項も読み込んで理解出来ればベストということです。

まとめ

1級建築施工管理技士の実地試験を受けられる方、みなさん現場を持ったりしながら勉強される方が大半だと思います。

必然的に勉強する時間も限られ、極力効率的に勉強をする必要があります。

ですので、過去の傾向と対策を見ながらそこを重点的に勉強し、特に過去問題を中心にきっちり押さえることが重要です。そこから余裕のある限り関連知識を押さえていけば尚良しです。

※1級建築施工管理技士の実地試験の予想配点を記載しています。

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これからの2ヵ月、ゴールを目指して頑張りましょう。

※あくまでも例年の傾向を分析したものであり、その出題が保証されたものではありません。

 

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