さて2021年に入りました。昨年来のコロナはおさまる事もなく、世界は経済を含めて動くことすらままなりません。私自身も昨年の1月年明けに海外渡航をしたきり、それ以降はずっと日本にいます。今年は少しずつでも良くなることを強く願っています。⇒相変わらず2022年もこの状態が続いていますね。
そんな中、2020年度の建築・電気の1級技術検定は2月に実施され、そして2021年度の技術検定は予定通り6月に新しい資格制度を伴って実施しました。
これにより昨年度より1級建築施工管理技士補の称号が生まれております。
令和3年(2021年)の資格の制度改正について
本年より大きく変わる技術検定制度については、このサイトでも色んな記事で触れています。
令和3年に書いたこの記事を令和4年向けにアップデートします。 令和3年度より、施工管理に関する技術検定の試験・資格制度が変わり予定通り第一次検定及び第二次検定という名称で実施されました。 大きなポイントは『施工管理技士補』という[…]
建設業法の改正のポイントは下記の通りです。
公共性のある施設若しくは工作物又は多数の者が利用する施設若しくは工作物に関する重要な建設工事で政令で定めるものについては、前2項の規定により置かなければならない主任技術者又は監理技術者は、工事現場ごとに、専任の者でなければならない。ただし、監理技術者にあつては、発注者から直接当該建設工事を請け負つた特定建設業者が、当該監理技術者の行うべき第26条の4第1項に規定する職務を補佐する者として、当該建設工事に関し第15条第2号イ、ロ又はハに該当する者に準ずる者として政令で定める者を当該工事現場に専任で置くときは、この限りでない。
前項ただし書の規定は、同項ただし書の工事現場の数が、同一の特例監理技術者がその行うべき各工事現場に係る第26条の四第一項に規定する職務を行つたとしてもその適切な実施に支障を生ずるおそれがないものとして政令で定める数を超えるときは、適用しない。
第26条の4第1項に規定する技術上の管理及び指導監督であつて監理技術者がその職務として行うべきものに係る基礎的な知識及び能力を有すると認められる者として、建設工事の種類に応じ国土交通大臣が定める要件に該当する者。
法第26条第4項の政令で定める数は、2とする。
- 専任が必要と規定されている現場が補佐を専任で置いた場合、監理技術者が選任が必ずしも必要でなくなった。
- 監理技術者を補佐するものは、国土交通大臣が定める要件に該当する者とする。(これが施工管理技士補)
- 特例監理技術者は2つの現場を兼任できる。
ということです。
2つの現場があっても、それぞれの技士補が専任で配置することにより、特例監理技術者は2つの現場の兼任が可能になっています。
この特例監理技術者になりうる資格があるのが、『1級施工管理技士』であり、監理技術者補佐の資格があるのが、『1級施工管理技士補』となっています。
今年の試験は上記の資格制度の見直しにより、今までの学科試験・実地試験から『第一次検定』と『第二次検定』が実施されます。
第二次検定(合格) → 技士資格取得
資格制度の見直しにより良くなること
現行の資格制度の課題(2020年まで)
ここで私個人の話をすると、私はゼネコン勤務ではなかったので仕事を進める上で絶対的に『1級建築施工管理技士』の資格は必須と言うわけではありませんでしたが、プロジェクト等を進める上で資格があると信用は高まるなという感じはありました。
ただし、資格取得に関するハードルはとても高かったです。
・仕事は多忙だった。
・学科・実地と7ヶ月程度の勉強が必要だった。
・合格する自信はあまりない。
新しい資格制度のメリット①
一番大きなメリットは、下記につきますね。
・そしてその資格は『監理技術者補佐』になりうる資格である。・またその後に1級施工管理技士を目指すためには、第二次検定のみを合格すれば良い。
新しい資格制度のメリット②
そしてもう一つ大きなメリットは、実務経験による受検資格です。

今までの受検資格を、大学卒という観点でみてみましょう。
2級実地・・・・(指定学科)卒業後1年以上の実務
(指定学科以外)卒業後1年6ヶ月以上の実務
1級学科・実地・(指定学科)卒業後3年以上の実務
(指定学科以外)卒業後4年6ヶ月以上の実務
(2級施工合格者)合格後5年以上の実務
※1級は上記に加えて1年以上の指導監督的実務経験が必要
この受検資格の見直しは、2級の第二次検定に合格することにより、すぐに1級の第一次検定の受検が可能になるので、技士補の資格が早期に得ることが可能になりますね。
『1級施工管理技士補』の資格を得て、その後その立場で実務経験を積みながら、次の第二次検定を目指すことが可能になるわけです。
(二次検定は従来通りの実務経験が必要)
これが新たなこの資格制度の利点でもあります。
資格の意義と価値
先ほど書いた通り、資格試験への取り組みへのハードルが大きく下がった事が一番の利点と言えるのではないでしょうか。
資格を目指す個人の視点として、
・『とりあえず技士補資格のために第一次検定だけでも受検してみるか』と少し気楽にチャレンジ。
・監理技術者の確保も必要だが、補佐となる『技士補』もそれ以上に確保しておきたい。
監理技術者補佐2名 の計3名の資格者が必要

・専任すべき現場の補佐として1級施工管理技士補の資格者の確保が必須。
・若い時より2級から計画的にキャリアアップが目指しやすい(個人)
・企業としてせめて『技士補』の資格は必須(企業)
・入社後より早期に2級より資格取得のステップアップを強く奨励する。(企業)
まとめ
さて今年の1月下旬より、施工管理技士の技術検定の受検申し込みがスタートします。
- 昨年まで受検の踏ん切りがつかなかった方々。
- 仕事が多忙すぎて長期間の勉強は厳しい。
- 記述式の試験はしんどいな
といった悩みを持っていた人も多いと思います。
まさにそんな人々のやる気を変える資格制度の見直しだと思います。
まずは『技士補』の資格を目指して、少しでも多くチャレンジする人が増えればと私自身は思います。
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