令和2年12月18日付で、令和3年の技術検定(施工管理技士)の第一次・第二次検定のスケジュールが発表されたのは、下記の記事で紹介しました。
さて皆さんが一番気になるのは、例年と出題傾向が同じなのか、大きく変わるのかだと思います。
過去積み上げてきた技術検定の問題が大きく変わるのは、勉強する上での傾向と対策が非常に難しくなりますからね。
・資格制度の見直しに伴い試験はどう変わるか?
・第一次検定の試験基準
・第二次検定の試験基準
試験が近づいていますが、試験機関からは特段の問題に関する情報公開はないのである程度想定で準備する必要があるようです。
技術検定制度改正についてのまとめと復習
令和3年より変わる技術検定の制度改正について復習しておきましょう。
試験制度の変更
・学科試験 ⏩ 第一次検定
・実地試験 ⏩ 第二次検定

施工管理技士補という資格の誕生
第一次検定に合格すると、国家資格として『施工管理技士補』の称号が付与されます。
2級 第一次検定(合格) →2級施工管理技士補 → 第二次検定(合格)→2級施工管理技士
受検資格の一部見直し
2級第二次検定合格者は、1級受検に必要な実務経験を積む前に1級第一次検定の受検が可能になります。

上記の通り、2級の第二次検定に合格し2級建築施工管理技士の称号を得ると、1級の第一次検定の受験が可能になります。
(第二次検定は所定の実務経験が必要)。
うまく行けば2級資格取得後、翌年には第一次検定を合格すると1級建築施工管理技士補の称号を得られます。
そうなると来年度以降に監理技術補佐の業務につくことが可能になるのは大きなポイントですね。
2級建築施工管理技士へのチャレンジは実務経験が足りない場合のショートカットにもなります。(下記関連記事)
試験内容の見直し
2020年までの制度では、学科試験を合格しても資格は成立せずに、次の実地試験に進めるでした。
(その後実地試験に2度落ちると再度学科試験からの振り出しに戻ります)
令和3年度以降は上記にも書いた通り、
第二次検定(合格) →施工管理技士
試験基準の見直し
新しい試験制度で求められるもの
第二次検定・・施工技術のうち実務経験に基づいた技術上の管理及び指導監督に係る知識及び能力を有するかどうかを判定
(⏩国土交通省より引用)
また下記資料ではそれぞれ、監理技術者補佐・監理技術者として必要な知識と応用能力を有するか判定する試験になると記載されています。

基本的には、1次・2次の合格に求められる能力水準は、現行の技術検定に求められる水準と同程度となっているのが少し安心材料ですね。
では具体的に第一次・第二次毎に確認していきましょう。
第一次検定の試験基準
従来の学科試験の試験基準は、施工技術検定規則の別表第一に下記の通りに定められています。
試験科目 | 試験基準 |
建築学等 | 1 建築一式工事の施工に必要な建築学、土木工学、電気工学、電気通信工学及び機械工学に関する一般的な知識を有すること。 |
2 設計図書に関する一般的な知識を有すること。 | |
施工管理法 | 建築一式工事の施工計画の作成方法及び工程管理、品質管理、安全管理等工事の施工の管理方法に関する一般的な知識を有すること。 |
法規 | 建設工事の施工に必要な法令に関する一般的な知識を有すること。 |
上記の範囲から知識に関する問題が出題され、マークシート(四肢から一択する問題)方式でした。
→問題の多くは4つの文章から不適当なものを選ぶのが基本パターンでしたね。
今回の新しい第一次検定は、
試験科目 | 試験基準 |
建築学等 | 1 建築一式工事の施工に必要な建築学、土木工学、電気工学、電気通信工学及び機械工学に関する一般的な知識を有すること。 |
2 設計図書に関する一般的な知識を有すること。 | |
施工管理法 | 監理技術者補佐として、建築一式工事の施工計画の作成方法及び工程管理、品質管理、安全管理等工事の施工の管理方法に関する一般的な知識を有すること。 |
監理技術者補佐として、建築一式工事の施工の管理を適確に行うために必要な応用能力を有すること。※ | |
法規 | 建設工事の施工に必要な法令に関する一般的な知識を有すること。 |
(一財)建設業振興基金より引用
この第一次検定は赤文字の施工管理法の試験基準が見直されています。
②監理技術者補佐になるにふさわしい応用能力を有しているか?
②は実地試験で出題されている応用能力の問題の一部をこの第一次検定に移行してくるようで、マークシート(五肢二択)方式になるようです。
・上記の品質管理・工程管理・安全管理に関する問題

【追記】今年の第一次検定は何問出題されるだろうか?
国土交通省より合格基準は発表されています。
(施工管理法応用能力) 60%
第二次検定 60%
※試験の実施状況等を踏まえ、変更する可能性がある。
この内容だと、新たな応用能力を問う問題が60%を割ると不合格になるようですね。
昨年までの学科試験は
82問出題 60問解答 36問以上の正答で合格でした。
今年の第一次検定は、私の無責任な憶測では問題数は相対的に増えるのかなと思っていました。
しかし6月6日日曜日に実施された2級土木施工管理技士の第一次検定では、
・選択解答数はそのうち42問。(これも例年と同じ)
・2級の新分野問題である施工管理法(基礎的な能力)はそのうちから8問出題された。
また2級管工事や電気通信も例年と同じ選択解答数(40問)でそのうち、施工管理法(基礎能力)問題は4問でした。
では1級はどうなるのか?
・選択解答数も同じ60問
・施工管理法の応用能力の問題は10~15問程度?(あまり自信のない推測ですが) →6問でした。
(15問はさすがに多いのかなとも思います)
昨日実施の1級建築施工管理技士の第一次検定
施工管理法の応用能力問題は6問の出題でしたね。
(予想は大外れ)・6問×60%だと4問正解しないと不合格?
・五肢二択で2問正答しないと正解にならない。6問で4問だと少し厳しいですね。
— Kensuke@1級建築施工技士資格取得のサポーター (@1kansekou2020) June 14, 2021
第二次検定は第一次検定終了後にまた傾向対策分析をしたいと思います。
今回の試験内容についての内容をレビューしています。
さて令和3年の6月13日(日曜日)にコロナ禍ではありますが、当初の予定通り1級建築施工管理技士の第一次検定が実施されました。(同日は1・2級建築・電気が実施された) 今年の資格試験の大きなポイントは、新たな試験制度への変更に伴[…]
第二次検定の試験基準
次に第二次検定を確認してみましょう。まずは現行の実地試験の試験基準です。
施工管理法 | 1 建築材料の強度等を正確に把握し、及び工事の目的物に所要の強度、外観等を得るために必要な措置を適切に行うことができる高度の応用能力を有すること。 |
2 設計図書に基づいて、工事現場における施工計画を適切に作成し、及び施工図を適正に作成することができる高度の応用能力を有すること。 |
従来は、高度の応用能力を求める出題となっており、全て記述問題になっています。
来年度の第二次検定は下記の通りに一部追加になっています。
施工管理法 | 1 監理技術者として、建築一式工事の施工の管理を 適確に行うために必要な知識を有すること。 |
2 監理技術者として、建築材料の強度等を正確に把握し、及び工事の目的物に所要の強度、外観等を得るために必要な措置を適切に行うことができる高度の応用能力を有すること。 | |
3 監理技術者として、設計図書に基づいて、工事現場における施工計画を適切に作成し、及び施工図を適正に作成することができる高度の応用能力を有すること。 |
新たに加わったのは、1です。
これは従来の学科試験に出題された問題が、この第二次検定でも出題されるようで、マークシート(五肢一択)方式となっています。2,3は従来の実地試験内容と相違はありません。。
1の知識問題が新たに加わったのは、第一次検定合格後(施工管理技士補資格取得後)にしばらく受検期間をあけて、1級建築施工管理技士の資格取得に取り組む人向けに、知識確認を兼ねた問題だと想定します。
ですので、第二次検定は出題内容的に従来の対策+学科試験過去問の復習で良いと思われます。
第二次検定対策については法人向けサービスを提供いたします。
まとめ
現段階でわかる内容は以上です。
①従来の学科試験と同様の過去問対策を中心に勉強を進める。
②実地試験の仮設・躯体・仕上げ・工程部分の対策。
①第一次検定(学科試験)の復習をきっちり行う。
②従来の実地試験同様の対策をとる。