平成26年(2014年)2級建築施工管理技士 実地試験 問題1~3(問題&解答例)

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2級建築施工管理技士の実地試験の過去問の取り組み、今回は平成26年(2014年)です。

令和4年の過去問対策としては、令和4年~平成26年まで9年分の過去問を当サイトとしてはラインナップしました。

1級は10年を用意していますが、2級は問題様式も順次変わっているのでこの9年分で十分かなと思っています。

今回は、

問題1 施工経験記述
問題2 施工管理(用語)
問題3 施工管理(工程)

について取り組みたいと思います。

問題1 施工経験記述

問題1 あなたが経験した建築⼯事のうち,あなたの受検種別に係る⼯事の中から,⼯程管理を⾏った⼯事を 1つ選び,下記の⼯事概要を具体的に記⼊した上で,次の 1. から 2. の問いに答えなさい。
なお,建築⼯事とは,建築基準法に定める建築物に係る⼯事とする。 ただし,建築設備⼯事を除く。

〔⼯事概要〕

イ. ⼯事名
ロ. ⼯事場所
ハ. ⼯事の内容 (新築等の場合:建物⽤途,構造,階数,延べ⾯積⼜は施⼯数量,主な外部仕上げ,主要室の内部仕上げ
改修等の場合:建物⽤途,主な改修内容,施⼯数量⼜は建物規模)
ニ. ⼯期 (年号⼜は⻄暦で年⽉まで記⼊)
ホ. あなたの⽴場
ヘ. 業務内容

1. ⼯事概要であげた⼯事で,あなたが担当した⼯種において,与えられた⼯期内にその⼯事を完成させるため,⼯事の着⼿前に着⽬した⼯期を遅延させる要因とその理由,及び遅延させないために実施した内容⼯種名 (鉄⾻⼯事,タイル⼯事など) とともに 3つ,それぞれ具体的に記述しなさい。
ただし,実施した内容の記述が同⼀のもの及び⼯程管理以外の品質管理,安全管理,コストのみについての記述は不可とする。 なお,⼯種名については同⼀の⼯種名でなくてもよい。
記述例ー1
(工種名)左官工事
(要因と理由)外壁ALCパネルの複層仕上げ塗材仕上げは、現場で塗装の場合、工事が梅雨の時期で天候に左右される恐れがあり、また乾燥期間も含め工期の遅延の恐れがあるため。
(実施した内容)ALCパネル工場の一角を活用して、温度や湿度管理を行ったうえで、複層仕上げ塗材仕上げを行う事により工程を厳守した。
記述例ー2
(工種名)金属工事と内装工事
(要因と理由)オフィス改装に伴う間仕切工事は週末の土日にしか行えず、軽量鉄骨下地及びプラスターボードにビニルクロス仕上げだと、乾燥期間も含めると工事の遅延のリスクがあるため。
(実施した内容)発注者の承認を得て、軽量鉄骨下地+PB張りを現場加工や表面仕上げの不要な金属スチールパーティションに変更して工程を厳守した。
記述例ー3
(工種名)金属工事(鉄骨階段)
(要因と理由)住宅の外部の階段はRC階段でモルタル仕上げで行うと、年度末の時期で左官工の確保が難しく、工期が遅れるおそれがあるため。
(実施した内容)監理者の承認を得て、鉄骨階段に変更する事により左官工事が不要となり、またコンクリート工事も不要で工程厳守が出来た。

 

2. ⼯事概要にあげた⼯事及び受験種別にかかわらず,あなたの今⽇までの建築⼯事の経験を踏まえて,⼯期を短縮するための合理化の⽅法とそれが⼯期短縮となる理由について⼯種名とともに 2つ具体的に記述しなさい。また,その合理化の⽅法を⾏うことにより派⽣する効果について,それぞれ具体的に記述しなさい。
ただし,⼯期を短縮するための合理化の⽅法については,上記 1. の実施した内容と同⼀の記述は不可とする。 なお,派⽣する効果については,⼯期短縮以外の品質⾯,安全⾯,コスト⾯,環境⾯などの観点からの記述とする。また,⼯種名については,同⼀の⼯種名でなくてもよい。
記述例ー1
(合理化の方法と理由)
天井の高さがある程度一定の場合、軽量鉄骨下地のLGSは天井高さに合わせて事前にプレカットで納入する事により、現場で加工切断がなくなり、省力化及び工事短縮につながるため
(派生効果)
現場でに切断加工がなくなる事により、LGSの端材の大幅な発生抑制にもなり、現場の作業性の向上にもつながる。
記述例ー2
(合理化の方法)
合板スラブ型枠を型枠替わりのフラットデッキスラブにすることで、スラブ型枠の手間がなくなり工期短縮につながるため。
(派生効果)
合板型枠の切断加工に伴う端材や木くずの発生がなくなることで、建設副産物の発生抑制にもつながる。

問題2 施工管理(用語)

問題2 次の建築⼯事に関する⽤語のうちから 5つ選び,その⽤語の説明と施⼯上留意すべき内容を具体的に記述しなさい。
ただし,仮設以外の⽤語については,作業上の安全に関する記述は不可とする。 また,使⽤資機材に不良品はないものとする。
型枠の根巻き
ガラス⼯事のセッティングブロック
ジェットバーナー仕上げ
脱気装置
テーパーエッジせっこうボードの継ぎ⽬処理
鉄⾻⼯事の仮ボルト
天井インサート
床付け
腹筋
ブリーディング (ブリージング)
防護棚 (養⽣朝顔)
⽊⼯事の仕⼝
ルーフドレン
陸墨
記述例-1
(用語)ジェットバーナー仕上げ
(説明)石材の表面をバーナーで加熱し、水で急冷する事により表面の一部を剥離させて均一な仕上げにしたもの
(留意)石の含有鉱物の違いによって、均一に仕上がらない場合があるので事前の石合わせに留意する。
記述例-2
(用語)天井インサート
(説明)天井に軽量鉄骨、配管、空調機器などを吊る際のボルトを受ける金具のこと。
(留意)インサートは鋼製とし、設置する間隔は900mm程度とし、壁より150mm以内の場所に設ける。
記述例-3
(用語)腹筋
(説明)あばら筋の位置を保持するために梁の中間あたりに主筋方向に配置する鉄筋。
(留意)梁せいが600mm以上の場合、300mmピッチであばら筋の内側に配置する。
記述例-4
(用語)ルーフドレン
(説明)陸屋根やベランダなどに設けられる、建物の雨水を排水するために取り付けられる排水金物。
(留意)ルーフドレンの取付けは、原則として、コンクリートに打込みとし、水はけよく、床面より下げた位置とする。
記述例-5
(用語)陸墨
(説明)墨出し作業において、各階の水平の基準を示すための水平墨のこと。
(留意)床仕上りより1000mmの高さで墨を打つ。

問題3 施工管理(工程)

問題3 図に⽰すネットワーク⼯程表について,次の 1. から 3. の問いに答えなさい。
なお,〇内の数字はイベント番号,⽮線の上段のアルファベットは作業名,下段の数値は所要⽇数を⽰す。

1. ⼯程表において,①から⑩ までの総所要⽇数を答えなさい。

解答・解説
(解答) 30日
(解説) 工程のクリティカルパスを探してみると、A → B → E → H → K → Lとなる。その日数を計算すると、総所要日数は30日となりますね・

2. ⼯程表において,作業 C と作業 D がそれぞれ 3⽇間遅延したときのクリティカルパスを作業名で⼯程順に並べて答えなさい。

解答・解説
(解答) A → C → G → J → L
(解説)Cは5日+3日で8日を要する。CとGで15日となり、どこのパスよりも長くなっている。ちなみに総所要日数は32日である。

3. ⼯程表において,作業 C と作業 D がそれぞれ 3⽇間遅延したとき,①から⑩ までの総所要⽇数を当初と同じ⽇数とするために,作業 I と作業 J の作業⽇数のみを短縮する場合,作業 I と作業 J は,それぞれ最⼩限何⽇間短縮すればよいか答えなさい。

解答・解説
(解答)【作業I】1日 【作業J】2日
(解説)当初の総所要日数は30日だったが、2の解説の通り、3日の遅延により総所要日数は32日となった。
A-C- G- I K- Lの総所要日数は31日なので、30日に戻すには1日の短縮が必要です。
A-C- G- J- Lの総所要日数は32日なので、30日に戻すには2日の短縮が必要です。

 

まとめ

前半戦はここで終了です。

に続きます。

2014年~2016年の問題3の工程の問題はネットワーク工程です。昨今はバーチャート工程の問題が出題されていますが、今後1級建築施工管理技士も視野に入れている人は取り組んでおいて損はないと思います。

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