平成26年(2014年)2級建築施工管理技士 実地試験 問題4~5(問題&解答例)

前回の、

に引き続き、後半戦の問題4と問題5に取り組んでいきましょう。

問題4 施工管理(正誤)

問題5 次の⽂章中,下線部の語句が適当なものは〇印を,不適当なものは適当な語句を記⼊しなさい。
1. 鉄筋コンクリート梁に,コンクリートの鉛直打継ぎ部を設ける場合の打継ぎ⾯は,コンクリート打込み前の打継ぎ部の処理が円滑に⾏え,かつ,新たに打ち込むコンクリートの締固めが容易に⾏えるものとし,主筋と平⾏になるようにする。
解答・解説
(解答) 直角
(解説)鉛直打継ぎは特記がなければ、梁及びスラブにおいては、そのスパンの中央又は端から 1/4 の付近に設け、主筋と直角になるようにする。
※建築工事監理指針より
2. 鉄筋 (SD345) のガス圧接継⼿において,同径の鉄筋を圧接する場合,圧接部のふくらみの直径は鉄筋径の 1.2倍以上とし,かつ,その⻑さを鉄筋径の 1.1倍以上とする。
解答・解説
(解答)1.4倍
(解説)
(ア) 圧接部のふくらみの直径は、鉄筋径(径の異なる場合は細い方の鉄筋径)の1.4倍以上であること。
(イ) 圧接部のふくらみの長さは、鉄筋径の1.1 倍以上とし、その形状がなだらかであること。
(ウ) 圧接部のふくらみにおける圧接面のずれは、鉄筋径の1/4 以下であること。
(エ) 圧接部における鉄筋中心軸の偏心量は、鉄筋径(径の異なる場合は細い方の鉄筋径)の 1/5以下であること。
※公共建築工事標準仕様書より これは1次検定でも必須の知識ですね。1級でも出題されます。
3. 型枠の設計において,変形量は,⽀持条件をどのように仮定するかでその結果が異なり,単純⽀持で計算したものは,両端固定で計算したものに⽐べてたわみは⼤きくなる。せき板に合板を⽤いる場合は転⽤などによる劣化のため,剛性の低下を考慮して,安全側の設計となるように単純⽀持と仮定して計算する。
解答・解説
(解答)〇
(解説)合板せき板の場合、転用等による劣化を考慮し、単純梁として扱う、と建築工事監理指針にある。よって上記の通り安全側の設計は正しい。
4. ⾼⼒ボルトの締付けは,ナットの下に座⾦を敷き,ナットを回転させることにより⾏う。 ボルトの取付けに当たっては,ナット及び座⾦の裏表の向きに注意し,座⾦は,座⾦の内側⾯取り部がとなるように取り付ける。
解答・解説
(解答)表
(解説)ボルト頭部側の座金は、座金の内側面取り部がボルト首下部と合うよう取付け、ナット側の座金は座金の内側面取り部がナットに接する側に取り付ける。
と建築工事監理指針にある。よって内側面取り部はとなる。
5. アスファルト防⽔において,⽴上りのルーフィング類を平場と別に張り付ける場合は,平場のルーフィング類を張り付けた後,その上に重ね幅 100mm 程度とって張り重ねる。
解答・解説
(解答)150
(解説)立上りと平場のアスファルトルーフィング類は別々に張り付ける。
ただし、立上りの高さが400mm未満の場合は、平場のアスファルトルーフィング類をそのまま張り上げることができる。
なお、立上りと平場のアスファルトルーフィング類を別々に張り付ける場合は、立上り部のアスファルトルーフィング類は各層とも平場のアスファルトルーフィング類に 150mm以上張り掛ける。 ※公共建築工事標準仕様書より
6. 外壁の陶磁器質タイルを密着張りとする場合,張付けモルタルの塗付け後,直ちにタイルをモルタルに押し当て,ヴィブラートを⽤いて張付けモルタルがタイル裏⾯全⾯に回り,タイル周辺からのモルタルの盛上りが,⽬地深さがタイル厚さの1/2 以上となるように,ヴィブラートを移動しながら張り付ける。
解答・解説
(解答)以下
(解説)化粧目地は、次による。
① タイル張付け後、24 時間以上経過した後、張付けモルタルの硬化を見計らって、目地詰めを行う。
② 目地の深さは、タイル厚さの1/2以下とする。
③ 目地詰めに先立ち、タイル面及び目地部分の清掃を行い、必要に応じて、目地部分の水湿しを行う。
※公共建築工事標準仕様書より
7. 塗装作業中における塗膜の⽋陥であるしわは,下塗りの乾燥が不⼗分のまま上塗りを⾏ったり,油性塗料を薄塗りした場合に⽣じやすい。
解答・解説
(解答)厚塗り
(解説)※建築工事監理指針より、しわの原因は、
・油性塗料を厚塗りすると上乾きし、表面が収縮する。
・乾燥時に温度を上げて、乾燥を促進すると上乾きし、しわを生ずる。
・下塗りの乾燥が不十分なまま上塗りするとしわを生ずる。
8. ウイルトンカーペットをグリッパー⼯法で敷き込む場合,カーペットの張り仕舞いは,ニーキッカー⼜はパワーストレッチャーでカーペットを伸展しながらグリッパーに引っ掛け,端はステアツールなどを⽤いて溝に巻き込むように⼊れる。
解答・解説
(解答)〇
(解説)張り仕舞いはニーキッカーで伸展しながらグリッパーに引っ掛け、カーペットの端をステアツールを用いて溝に巻き込むように入れる。30㎡程度を超える施工にはパワーストレッチャーを使用して施工する。
※建築工事監理指針より

問題5 法規

問題5 「建設業法」,「建築基準法施⾏令」 及び 「労働安全衛⽣法」 に定める次の各法⽂において,それぞれ誤っている語句の番号を 1つあげ,それに対する正しい語句を記⼊しなさい。
1. 建設業法 (第 19 条の 2 第 1 項)
請負⼈は,請負契約① の履⾏に関し⼯事現場に現場代理⼈を置く場合においては,当該現場代理⼈の権限②に関する事項及び当該現場代理⼈の⾏為について監理者③の請負⼈に対する意⾒の申出の⽅法
(第 3 項において 「現場代理⼈に関する事項」 という。) を書⾯により監理者③に通知しなければならない。
解答・解説
(解答)③注文者
(解説)建設業法第19条の2第1項
請負人は、請負契約の履行に関し工事現場に現場代理人を置く場合においては、当該現場代理人の権限に関する事項及び当該現場代理人の行為についての注文者の請負人に対する意見の申出の方法(第三項において「現場代理人に関する事項」という。)を、書面により注文者に通知しなければならない。
※19条の2は第4項まであります。一通り読んでおきましょう。
2. 建築基準法施⾏令 (第 136 条の 3 第 4 項)
建築⼯事等において深さ 1.5m① 以上の根切り⼯事を⾏なう場合においては,地盤が崩壊するおそれがないとき,及び周辺の状況により危害防⽌上⽀障がないときを除き,⼭留めを設けなければならない。
この場合において,⼭留めの根⼊れ②は,周辺の法⾯③の安定を保持するために相当な深さとしなければならない。
解答・解説
(解答)③
(解説)(第 136 条の 3 第 4 項)
建築工事等において深さ1.5m以上の根切り工事を行なう場合においては、地盤が崩壊するおそれがないとき、及び周辺の状況により危害防止上支障がないときを除き、山留めを設けなければならない。この場合において、山留めの根入れは、周辺の地盤の安定を保持するために相当な深さとしなければならない。
1級でも建設基準法施行令は第136条2の20からの工事現場での危害の防止は出題されます。
3. 労働安全衛⽣法 (第 14 条)
事業者は,⾼圧室内作業その他の労働災害を防⽌するための管理を必要とする作業で,政令で定めるものについては,都道府県労働局⻑の免許を受けた者⼜は都道府県労働局⻑の登録を受けた者が⾏う技能①講習を修了した者のうちから,
厚⽣労働省令で定めるところにより,当該作業の区分に応じて,⼯事②主任者を選任し,その者に当該作業に従事する労働者の指揮③その他の厚⽣労働省令で定める事項を⾏わせなければならない。
解答・解説
(解答)②作業
(解説)労働安全衛生法第14条
事業者は、高圧室内作業その他の労働災害を防止するための管理を必要とする作業で、政令で定めるものについては、都道府県労働局長の免許を受けた者又は都道府県労働局長の登録を受けた者が行う技能講習を修了した者のうちから、厚生労働省令で定めるところにより、当該作業の区分に応じて、作業主任者を選任し、その者に当該作業に従事する労働者の指揮その他の厚生労働省令で定める事項を行わせなければならない。
※施工管理技士の受検者ならば、この作業主任者という言葉は出てきて欲しいですね。サービス問題です。

 

まとめ

令和4年になって、この平成26年(2014年)の実地試験の問題と解答例をまとめました。

これで当サイトとしては、平成26年~令和3年の8年分の実地試験問題を取り上げています。

・施工管理の用語
・施工経験記述
この当たりの記述を参照頂ければ幸いです。

 

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