平成28年(2016年)2級建築施工管理技士 実地試験 問題4~5(問題&解答例)

前回の、

に引き続き、後半戦の問題4問題5に取り組んでいきましょう。

 

平成29年より以前は、受検種別毎の問題はありません。

過去問対策としては、受検種別毎に必要な問題に取り組んで良いと思います。

問題4 施工管理(正誤)

問題4 次の文章中,下線部の語句又は数値が適当なものには〇印を,不適当なものには適当な語句又は数値を記入しなさい。
1. 透水性の悪い山砂を埋戻し土に用いる場合の締固めは,建物躯体等のコンクリート強度が発現していることを確認のうえ,厚さ 60cm 程度ごとにローラーやタンパーなどで締め固める。
入隅などの狭い個所の締固めには,振動コンパクターやタンパーなどを使用する。
解答・解説
(解答)30
(解説)締固めは透水性の良い山砂の類の場合は水締め、透水性の悪い山砂及び粘土質の場合は、まき出し厚さ300mm程度ごとにローラーやランマー等で締めかっためながら埋め戻す。
※建築工事監理指針より
2. 大梁の主筋をガス圧接する場合,鉄筋径程度の縮み代を見込んで加工しないと,定着寸法の不足や,直交部材の配筋の乱れを招くことになる。
解答・解説
(解答)〇
(解説)ガス圧接では1か所当たり1d~1.5dの縮み量が必要である、このため梁筋や柱筋の定着長さが不足することがあるので、鉄筋の縮み代を見込んで鉄筋の加工を行う。
※建築工事監理指針より
3. コンクリートの 1層の打込み厚さは,締固めに用いる棒形振動機の長さ以下とし,コールドジョイント等の欠陥を防止するため,棒形振動機の挿入の際には先に打ち込んだコンクリートの層に棒形振動機の先端が入るようにし,棒形振動機を引き抜く際にはコンクリートに穴を残さないよう加振しながら急いで引き抜かなければならない。
解答・解説
(解答)徐々に
(解説)コンクリート表面にセメントペーストが浮き上がるときを振動時間の標準とし、コンクリートに穴を残さないように加振しながら徐々に引き抜く
※建築工事監理指針より
4. 型枠は,コンクリートの自重,コンクリート打込み時の振動や衝撃,コンクリートの側圧などの荷重に対して安全であり,型枠取外し後のコンクリートに必要な仕上がり寸法及び精度が得られ,容易に取外しができないものでなければならない。
解答・解説
(解答)できる
(解説)型枠は,コンクリートの自重,コンクリート打込み時の振動や衝撃,コンクリートの側圧などの荷重に対して安全であり,また型枠の取り外しが容易でないと、コンクリートの損傷を与える危険性があるので、型枠は細部まで十分考えられたものが必要である。
※建築工事監理指針より
5. 改質アスファルトシート防水トーチ工法による平場のシート張付けは,下地にプライマーを塗布し乾燥させた後,シート表面及び下地をトーチバーナーで十分あぶり,改質アスファルトを溶融させながら,平均に押し広げて下地に密着させる。
解答・解説
(解答)裏面
(解説)改質アスファルトシートの張付けは、シートの裏面及び下地をトーチバーナーであぶり、改質アスファルトを十分溶融させ、丁寧に貼り付ける。
※建築工事監理指針より
6. 軽量鉄骨壁下地において,コンクリート床,梁下及びスラブ下に固定するランナーは,両端部から 50mm 内側をそれぞれ固定し,中間部は 1,800mm 程度の間隔で固定する。 また,ランナーの継手は突付けとし,ともに端部より50mm 内側を固定する。
解答・解説
(解答)900mm
(解説)ランナー両端部の固定位置は、端部から50mm内側とし、ランナーの固定間隔は、ランナーの形状や断面性能及び軽量鉄骨壁の構成等から900mm程度を限度としている。
※建築工事監理指針より
7. ビニル床タイル等の高分子系床材料の張付けに使用されるウレタン樹脂系接着剤のほとんどが,湿気硬化形の一液性で,反応硬化形接着剤の中では作業性が良く,初期粘着性が良いため,土間コンクリート等の場所に多く用いられている。
解答・解説
(解答)〇
(解説)ウレタン樹脂系接着剤は水分との化学反応による湿気硬化形の1液性で、反応硬化形接着剤の中では作業性が良く,初期粘着性にも優れ、湿気のある土間コンクリート、解放廊下、工場等の場所に多く採用されている。
※建築工事監理指針より
8. 特別管理産業廃棄物以外で,建設工事に伴い生じた産業廃棄物の処理を委託した排出事業者は,委託処理した産業廃棄物を搬出する際に,産業廃棄物管理票 (マニフェスト) を交付したときは,産業廃棄物管理票の交付から 90日以内にC 票が,180日以内に E 票が返送されてこない場合,廃棄物の処理状況を確認するとともに,都道府県知事等に報告しなければならない。
解答・解説
(解答)D票
(解説)マニフェストは、原則として廃棄物の種類毎、運搬車毎、運搬先毎に作成することになりマニフェストのB2票とD票は、交付の日から90日以内に、最終処分終了を確認するマニフェストのE票は、180日以内に排出事業者宛に返送される必要があります。
※C票は排出事業者は処分業者や運搬業者の保存する書類です。

問題5 法規

問題5「建設業法」,「建築基準法」 及び 「建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律 (建設リサイクル法)」 に定める次の各法文において,それぞれ誤っている語句の番号を 1つあげ,それに対する正しい語句を記入しなさい。
1. 建設業法 (第 24 条の 2)
元請負人①は,その請け負った建設工事を施工するために必要な費用②の細目,作業方法その他元請負人①において定めるべき事項を定めようとするときは,あらかじめ,下請負人③の意見をきかなければならない。
解答・解説
(解答)②工程
(解説)建設業法第24条の2(下請負人の意見の聴取)の問題。
これは客観的に読むと②に違和感を感じると思います。正解は工程です。工程の細目ですね。
ただ法規の問題はある程度、読みなれる、覚えないとなかなか正解にたどり着きませんね。
2. 建築基準法 (第 89 条 第 1 項)
第 6 条 第 1 項の建築,大規模の修繕又は大規模の模様替の工事の施工者①は,当該工事現場の見易い場所に,国土交通省令で定める様式によって,建築主,設計者,工事施工者①及び工事の作業主任者②の氏名又は
名称並びに当該工事に係る同項の確認③があった旨の表示をしなければならない。
解答・解説
(解答)②現場管理者
(解説)第89条第1項(工事現場における確認の表示等)の問題。
作業主任者という用語は労働安全衛生法で使われる言葉ですね。正解は現場管理者です。
3. 建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律 (建設リサイクル法) (第 5 条 第 1 項)
建設業を営む者は,建築物等の設計及びこれに用いる建設資材の選択,建設工事の施工方法等を工夫することにより,建設資材廃棄物の発生①を抑制するとともに,分別②解体等及び建設資材廃棄物の再資源化に要する費用を
負担③するよう努めなければならない。
解答・解説
(解答)③低減
(解説)第5条第1項(建設業を営む者の責務)
建設リサイクル法の趣旨は再生資源の十分な利用及び廃棄物の減量が大きなポイントです。極力発生抑制に努めた上で、解体や廃棄物の再資源化に要する費用を低減しなければなりません。
法規の問題の難しさは条文通りでなければなりません。削減でも意味は間違っていませんが、条文は低減です。

まとめ

以上で2016年(平成28年)の問題の解答及び解説は以上です。

これで過去5年が揃いました。さて試験まで時間はあまりありませんが、2015年(平成27年)を試験前までにまとめたいと思っています。

試験直前ですが、出題傾向は十分に把握して試験準備をしてほしいと思います。1級建築施工管理技士の第二次検定をベースに2級の試験も少し予測しています。

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