【最新】令和5年(2023年) 1級建築施工管理 第二次検定(問題と解答例)問題1〜3

さて、本年度(令和5年)も技術検定のシーズンが終了しました。受検者の方はホッとした方も結構いることでしょう。私的にはシーズンオフで少し寂しい期間でもあります。と言っても、来年度の準備も必要なので、粛々と準備に取り組んでいきたいと思います。

今回は、本年度行われた令和5年の第二次検定の過去問の解答と解説をまとめたいと思います。(問題1~3)来年度以降の参考にして頂ければと思います。

令和5年は、昨年同様に、

  1. 施工経験記述(課題は品質管理
  2. 仮設計画
  3. ネットワーク工程

の順番になっています。

問題1 施工経験記述

問題1 建築工事の施工者は,  発注者の要求等を把握し,  施工技術力等を駆使して品質管理を適確に行うことが求められる。あなたが経験した建築工事のうち,  要求された品質を満足させるため,  品質計画に基づき品質管理を行った工事を 1 つ選び,  工事概要を具体的に記入した上で,  次の 1. 及び 2. の問いに答えなさい。
なお, 建築工事とは, 建築基準法に定める建築物に係る工事とし,  建築設備工事を除くものとする。
〔工事概要〕
イ. 工事名
ロ. 工事場所
ハ. 工事の内容
(新築等の場合:建築用途,構造,階数,延べ面積又は施工数量,主な外部仕上げ,
主要室の内部仕上げ改修等の場合:建築用途,建築規模,主な改修内容及び施工数量)
ニ. 工期等(工期又は工事に従事した期間を年号又は西暦で年月まで記入)
ホ. あなたの立場
へ. あなたの業務内容
1.   工事概要であげた工事で,  あなたが現場で重点的に品質管理を行 った事例を 3 つあげ,  それぞれの事例について,  次の①から③を具体的に記述しなさい。ただし,  3 つの事例の①は同じものでもよいが,  ②及び③はそれぞれ異なる内容を記 述 するものとする。
工種名又は作業名等
② 施工に当たって設定した品質管理項目及びそれを設定した理由
③ ②の品質管理項目について実施した内容及びその確認方法又は検査方法
工事概要例
工事名  :川崎ニューシティビル新築工事
工事場所 :神奈川県川崎市川崎区日進町83-25
工事内容 :事務所ビル(店舗・オフィス)、鉄骨造、地上5階建、延べ面積 1,985㎡
外部: 外壁ECP押出成形セメント板張り、一部外壁タイル張り
天井:PB下地岩綿吸音板張り、壁:PB下地ビニルクロス張り
床:システムフロア下地カーペット張り
工期:令和3年4月~令和4年2月
業務内容 :施工管理全般
記述例-1
① 外壁タイル張り
② 外壁タイルの接着力の不足は、タイルの剝落や耐久性不足につながり、ビルの資産価値にも影響するため、張付けモルタルの1回の塗付け面積と時間を品質管理管理項目とした。
③ 密着張り工法を採用したので、張付けモルタルの塗厚を7mmと設定し、1回の塗付け面積を2㎡以内として、その後タイルを20分以内に張付けを行った。施工後は全数打診検査の実施、2週間後に引張強度試験を行い、全数0.4N/㎡以上を確保していることを確認した。
記述例-2
① 鉄筋工事
② 所定の鉄筋のかぶり厚さの確保を重点品質管理項目に設定した。かぶり厚さ不足は、建物の耐火性能の不足、付着割裂破壊につながり、構造耐力の低下や、コンクリートのひび割れにもつながるため。
③ 各屋内部の柱・梁・耐力壁のかぶり厚さは40mm、基礎スラブは50mm、スラブは30mmあることを事前にスケールで計測し、図面に記載して問題ないことを確認の上、コンクリート打設を行った。
記述例-2
※準備中

2.   工事概要であげた工事に係わらず,  あなたの今日までの建築工事の経験を踏まえて,  次の①及び②を具体的に記 述 しなさい。ただし,  1.の③と同じ内容の記述は不可とする。

① 品質管理を適確に行うための作業所における組織的な取組
② ①の取組によって得られる良い効果

記述例
① 各工種毎に検査及び試験を行って、その工事写真及び記録、検査及び試験データを工事監理者に提出しているが、誤ったデータとならないよう、施工管理者、本社の品質管理者、協力会社を踏まえてチェックを行った上で提出するよう取り組んでいる。
② 昨今、虚偽データによる報告が新聞に出ることで、その企業の信用を大きく損なう事案が発生する中で、協力会社を含めた組織的にデータ管理を行い、誠実に対応することで、着実に企業の信用の向上につながっている。

問題2 仮設計画・安全管理

問題2建築工事における次の 1. から 3. の仮設物の設置を計画するに当たり, 留意すべき事項及び検討すべき事項を,  それぞれ 2 つ具体的に記 述 しなさい。
ただし,  解答はそれぞれ異なる内容の記述とし,  申請手続,   届出及び運用管理に関する記 述は除くものとする。
また,  使用資機材に不良品はないものとする。

1. くさび緊結式足場

記述例
(1)建地の間隔は、桁行方向を1.85m以下、梁間方向は1.5mメートル以下とする。
(2)作業床の幅は40cm以上とし、建地間と作業床の隙間は 12 ㎝未満、作業床間の隙間は 3 ㎝以下とする。

2.  建設用リフト

記述例
(1)事前に揚重する資材の重量や大きさを考慮して、それに適合する有効寸法及び積載荷重の性能を有した建設用リフトを選定する。
(2)建設用リフトの組立て又は解体の作業を行なう際は、作業を指揮する者を選任して、その者の指揮のもとに作業を実施させる。

3.  場内仮設道路

記述例
(1)工事用車両と作業員との事故などを防ぐためにそれぞれの動線が交差しないよう配置する。
(2)使用する重機や車両、作業内容を検討した上で、道路の耐荷重や幅員などを決定する。

問題3 ネットワーク工程

問題3 市街地での事務所ビル新築工事について,  右の基準階の躯体工事工程表及び作業内容表 を読み解き,  次の 1.  から 4.  の問いに答えなさい。
工程表は工事着手時のもので,  各工種の作業内容は作 業内容表のとおりであり,  型枠工事の作 業 ④と,  鉄筋工事の作業 ⑦については作業内容を記載していない。
基準階の施工は型枠工10人,  鉄筋工6人のそれぞれ1班で施工し,  ③柱型枠,  壁型枠返しは,  ⑧壁配筋が完了してから開始するものとし,  ⑨梁配筋(圧接共)は,  ⑤床型枠組立て(階段を含む)が完了してから開始するものとする。
なお,  仮設工事,  設備工事及び検査は,  墨出し,  型枠工事,  鉄筋工事,  コンクリート工事の進捗に合わせ行 われることとし,  作業手順,  作業日数の検討事項には含めないものとする。
〔工事概要〕
用      途   :事務所
構造, 規模:鉄筋コンクリート造,  地上6階,   延べ面積 3,000 m2,  基準階面積 480㎡

1.    型枠工事の作業④及び鉄筋工事の作業⑦の作業内容を記述 しなさい。

解答・解説
(解答)④ 梁型枠組立 ⑦ 柱配筋
(解説)こういった場合、厳密に作業順序がわからなくとも、上記に記載のないものを探すのが一番間違いが防げる。
型枠においては、『梁型枠』がないし、配筋は『柱配筋』がないのがわかる。ここは得点したいところ。

2.   型枠工事の③ 柱型枠,  壁型枠返しの最早開始時期(EST)を記 入しなさい。

解答・解説
(解答)5日
(解説)下記の通り、最早開始時期は5日ですね。これはサービス問題です。

3.    型枠工事の⑥型枠締固め及び鉄筋工事の⑩床配筋のフリーフロートを記 入 しなさい。

解答・解説
(解答)⑥ 5日 ⑦ 0日
⑥型枠締固めのフリーフロートは、最早で14日+3日=17日に終了しているが、⑫のコンクリート打設の最早開始時刻が22日である。
22日ー(14日+3日)=5日となる。
⑩床配筋は見ての通り、クリティカルパスライン上にあり、余裕日数はないので0日となる。

4.   次の記 述 の(   )に当てはまる数値を記 入 しなさい。

  ある基準階において,   ②片壁型枠建込み及び③ 柱型枠,  壁型枠返しについて,  当初計画し
た型枠工の人数が確保できず,   ②片壁型枠建込みでは2日,  ③ 柱型枠,  壁型枠返しでは1日,
作業日数が増加することとなった。
このとき,  墨出しからコンクリート打込み完了までの総所要日数(        ) 日となる。
解答・解説
(解答)24
(解説)下記の通り。これも比較的わかりやすい問題である。

前半戦終了

以上で前半の問題1~3は終了します。次は、

に続きます。

第二次検定の出題傾向とその対策は下記の記事を参照ください。(昨年度版です)

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