【平成5年(2023年)】1級建築施工管理技士(第二次検定対策) おすすめしたい受かるための過去問集・テキスト

さて1次検定もまだ終了していませんが、本年度も令和5年(2023年度)の10月に実施の2次検定向けのおすすめのテキスト及び過去問集を今回取り上げたいと思います。

現段階ではまだ全て出そろっていませんので、まだ未発売のものは令和4年度のレビューとしたいと思います。(発売され次第更新しますが、例年出版社毎に大きく編集方針は変わる事はあまりないですね)

1次検定向けのテキストの記事でも書いているのですが、よほど大型書店にでも行かないとなかなか多くの種類のテキストと比較しにくいのが現状です。(私は丸の内の丸善でいつもテキストを読んだり購入したりしています)

基本的には本記事のレビューに当たっては当該書籍を購入した上で行っています。

過去問・テキストの編集方式を理解する

令和3年より従来の実地試験は第二次検定という名称に変わり、新たな試験制度で再スタートしています。

令和3年度からの第二次検定の問題構成は下記の通りとなっています。

  1. 施工経験記述(令和4年は施工の合理化)
  2. 仮設計画・安全管理
  3. 施工管理(ネットワーク工程)
  4. 仕上げ工事(記述問題)
  5. 躯体工事(五肢一択の問題)
  6. 建築関連法規(五肢一択の問題)

従来からの6問構成である事に変化はありませんが、問題5と6が五肢一択の選択問題に変わっています。(それまでは用語・数値を記入する記述問題であった)

ただ出題される問題のレベル・内容は変わっていませんので、基本的には従来の過去問の取組みが重要であるという事に変わりはありません。

 

この試験対策について、勉強の進める手順は2つ考えられます。

  1. 6つの出題問題を分野毎に勉強を仕上げていく。
  2. 分野関係なく、年次毎の過去問に取り組んでいく。

基本的には①の方式で勉強を進める方が多いと思います。

そして専門学校や通信講座はこの手順で学ぶし、多くの過去問集やテキストはこの方式で編集されています。

 

  • 第二次検定の受検は初めてではなく2回目(もしくはそれ以上)
  • 他の技術検定(2級建築施工や建築士系の資格)を所有しており、ある程度の知識は持っている。
  • 基本的知識を習得した最終仕上げとして模擬試験方式で過去問を取り組みたい。

と言った場合は、年次毎に編集された過去問集の取組みで問題ないかと思います。

しかしながら、1次検定を経て、2次検定対策はここから独学で一から始める場合、やはり出題分野毎に取り組んだ方が知識の吸収的には効率的かと思います。(当然個人差はありますが)

上記の勉強方式をどうすべきかを意識しながら、下記の各本のレビューを参考にしてほしいと思います。

 

過去問集・テキスト選び

日建学院

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建築資料研究社
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令和5年度版は6月3日に発売されました。

編集方式 出題年次毎に過去問がまとめられている。
過去問年 2022年(令和4年)〜2013年(平成25年)の計10年分
どんな本? ・問題1-1、1-2の施工経験記述例は3つまとまっている。
新築躯体×2事例改修内装×1事例が基本
・それ以外の記述問題の記述解答例は所定の数の解答解説に2つほど追加されている。
・解説は基本知識がある前提で、そこまで詳しくはない。
総評 編集方式としては、
・2次検定の受検の概要
・新しい年次から過去問とその解答・解説が編集されているのみ。
よって過去問の内容以外の学びはこれでは出来ないので、あくまでも過去問の取組みのみで使える。

(これをベースに勉強を進める事は難しい)
この書籍は上記の通り、これを購入して一から体系的に学んで知識を習得するタイプの本ではありません
あくまでもある程度の基本知識がある段階で、模擬試験的に年次順に解いて仕上げていくタイプの書籍ですね。
また一通り履修が終わり、最後の仕上げで模擬試験方式で取り組んでも良いと思います。
日建学院に通えばもらえる書籍ではないかと思います。

地域開発研究所

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地域開発研究所
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こちらは定番で人気のある地域開発研究所のテキスト(過去問集)です。

編集方式 出題分野毎に過去問がまとめられている。(施工経験記述〜法規の順に)
過去問年 2022年(令和4年)〜2013年(平成25年)の計10年分
どんな本? ・施工経験記述(問題1-1)の記述例は品質管理・施工の合理化は8記述(躯体2×2・仕上げ2×2)、また建設副産物は6記述(2つ×3)を挙げてくれている。
・施工経験記述(問題1-2)の記述例は基本的に問題所定の数のみである。
・各記述問題は解答とその解説。解説はシンプルだが丁寧。(必要事項のみを取り上げる)
全てモノクロで、ポイントがまとまっているというより淡々と解説文が入っているので、ある程度は知識がある人に向いているように思う。
その他 過去問とその解答及び解説は全体の40%弱の構成で10年分がまとまっている。
・残りの約400ページ各種建築施工(躯体及び施工)法規・環境関係法令の要点やポイントがまとまった参考書的な内容となっている。

※過去に出題された内容をベースに公共建築工事標準仕様書、建築工事監理指針・建築工事標準仕様書やその他関連専門指針書などから必要な内容をまとめている。
※平成30年(臨時)の試験問題あり。
総評 過去問参考書の両面を持っており、内容も充実している。
ただし独学で初めての挑戦で少し知識が不足している場合はこのテキストは少々ハードルが高いと思う。(頭に入るまで時間がかかるので、継続力が必要)
ただしこれをこなす事が出来れば問題なく合格できるだろう。
非常にバランスの取れた良書だと思います。施工経験記述の記述例も良く書かれているもので参考になりやすいと思います。
但し全くの初学で独学で取り組む場合は、少しこのテキストはハードルが高いと感じる方も多いかと思います。(ある程度知識がある方には本当におすすめですね)

GET研究所

5月8日に発売されたGET研究所の書籍です。

建築施工管理技士に限らず、この1連の技術検定では比較的人気の高いのがこのGET研究所の書籍だと思います。

編集方式 出題分野毎に過去問がまとめられている。(施工経験記述〜法規の順に)
過去問年 2023年(令和4年)〜2013年(平成25年)の計10年分
どんな本? ・基本的には分野毎に過去10年の問題を解説付きで進めていく形式だが、そこに至るまで多くの学びや情報・ポイントが得られるようになっている。
・学習手順のガイダンス、最新問題の解答の要点をまとめたリストがあり、そこから各章ごとに進めていく。
(無料YOUTUBE動画でも勉強の進め方ガイダンスがある。)

・施工経験記述は記述にあたってのポイント、例を上げながら説明してくれるので、初心者でも何となく書けるだろう。(こちらも動画あり)
問題2〜問題6の章も最初に過去10年の出題内容とその分野の重要項目集で概略のまとめがあるので、最低限の知識を持って過去問に進めるのが特徴となっている。
・それ以外には模試が2回分、有料での施工経験記述添削などのサービスも用意されている。
総評 完全に独学で進めたい、かつ苦手な分野も多い場合は最もお勧めのテキストだと思う。またYOUTUBEで動画解説も公開しているのでテキストのみで理解できない部分の学習も可能。過去問だけでなく、重要なポイントの把握、また動画解説など独学者には幅広い情報へのアクセスが可能なのがこのテキストの良いところ。
地域開発研究所と比べると、ある程度の初学者には優しい過去問集と言って良いだろう。
多くの情報量をもって勉学に取り組みたい、かつそれを効率よく吸収したいと考える比較的初学者向けにはおすすめのテキストですね。

秀和システム

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秀和システム
¥1,600 (2024/04/26 18:51:31時点 Amazon調べ-詳細)

次は秀和システムの書籍です。

編集方式 最初に重要項目要点まとめと巻末年次順の過去問まとめの構成
過去問年 令和4年~平成28年の7年分(平成30年臨時試験もあり)
どんな本? 最初に重要項目要点まとめと巻末年次順の過去問まとめの構成
試験概要と試験対策のポイント(受検ガイダンス)

・施工経験記述の過去の出題内容に対する書き方とその記述例
・問題2~問題6の過去の出題内容とその問題毎の重要ポイントのまとめ
・過去問題(令和4年~平成28年)の7年分+平成30年臨時試験の問題と解答
⇒問題2と問題3の記述例は比較的豊富
(巻末の過去問題は問題2~6のみ、施工経験記述は最初に取り上げているのでこの章ではなし)
総評 この書籍は一から学ぶというより、記述対策に必要な要点が丁寧にまとまっている
施工経験記述の書き方・ポイントにもかなりページを割いており丁寧である。各問題の記述対策でもこの書籍のまとめ方はとても覚えやすいと思う。
書籍は黒文字と赤文字の2色構成でわかりやすいと思う。
ある程度ベースがあれば、重点項目に絞ったこの本はとてもお薦めだと思う。
この本は出題される内容のエッセンスを良くまとめてあるなと思います。情報としては必要なものを厳選しているので、ある程度のベースのある方向けな感じです。
過去問を解きながら、この重要項目の要点を押さえていく方法も良いと思います。(受検が2度目の方とか良いのかなと思う)
ここに掲載されている施工経験記述例を参考にして、当サイトのサービス施工経験記述添削サービスに提出してくる人も結構いるので、それなりに人気のある書籍の一つだと思います。

TAC出版

このTAC出版が他の書籍と異なるのは過去問12年分をそろえている事でしょうか。

編集方式 出題分野毎に過去問がまとめられている。(施工経験記述〜法規の順に)
※但し令和4年の過去問のみ巻末にまとまっている。
過去問年 2023年(令和4年)〜2011年(平成23年)の計12年分
どんな本? 施工経験記述~法規迄分野別に編集されている。また各項目(記述テーマや工種毎)毎に、まずは出題されそうなポイントをまとめてあり、その後に該当する過去問を取り組んでいく形になっている。
⇒過去問を解きながら進めるというよりも、まずは各項目毎のエッセンスを吸収して取り組んでいくイメージ。
・本は2色刷りで見やすいと思う。
・上記の編集方法から、ある程度ポイントを絞った対策に重点を取りやすい。
・経験記述例は年次ごとに3例ほどそろえている。
・経験記述の解答用紙がダウンロードできる。
総評 ・最初に各項目毎に必要な基礎の学びが出来るので、ある程度の初学者でも取り組みやすいのではと思う。
・全体的に初学者にわかりやすい内容になっている。(わかりやすい) 

こちらもGET研究所と比べるとより初学者向けになっているように思います。

彰国社

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彰国社
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令和5年度版のレビューにアップデートしています。

編集方式 最初に出題傾向、そして施工経験記述のまとめ、問題2~6を例題形式で編集、最後に5年分の過去問と回答
過去問年 令和4年~平成30年の5年分(平成30年臨時試験はなし)
どんな本? ・最初に過去の出題傾向+最近のポイントになる法規のまとめ
・施工経験記述は75ページ
ほどのボリューム
各工種毎の施工経験記述例はとても豊富(但し昨年の書籍は128ページあったので減っている)
・問題2~6の対策は、例題(疑似問題)とその解説で編集されている。
例)山留め壁の工法を3つあげ、それぞれの特徴を簡単に記述しなさい。
⇒こんな問題が240問編集されている。(その後解答及び解説がある)

・過去問は5年分(ここには解説はなく解答のみ)
総評 この書籍の特徴は、『施工経験記述』の記述例の豊富さに尽きる。
・工事概要の記述ポイント
・施工の合理化工法、建設副産物の書き方など
・躯体及び仕上げに関する数多くの記述例
問題2~6の知識を習得するための例題も豊富
過去問は5年分+解答のみなので、過去問主体の取組みには向かない。

この書籍は、上記の通り、多くの施工経験記述例に触れたいという方向けです。

何を書いて良いかわからない方、書くためのポイントを知りたい方はこの本は良いと思います。

 

市ヶ谷出版社

次は市ヶ谷出版社、第二次検定の実戦セミナーと題されたこの書籍は5月2日に発売されています。

編集方式 出題分野毎に過去問がまとめられている。
過去問年 2022年(令和4年)〜2013年(平成25年)の計10年分
どんな本? ・分野毎に過去10年の問題を解説付きで進めていく形式だが、GET研究所の書籍と比べるとかなりシンプルにまとまっている。
・最初に受検ガイダンス・・・試験概要と簡単な出題傾向まとめ
施工経験記述は10年分の問題に対して記述例が各3つ(品質管理と施工合理化は計6例、建設副産物は計9例)用意されている。(工事概要の記述方法もある)
問題2~6の各分野は最初に10年間の出題内容と傾向があり、問題と記述例とその解説がまとまっている。
(最初に書いた通り、シンプルに必要な部分をまとめている感じ)
総評 この第二次検定は基本的に第一次検定である程度、施工管理に関する基礎知識があるという前提で考えると、過去問とそれに必要な解説は必要十分。
ページ数もGET研究所の半分と少しなので、要点を過不足なくまとめているというのが正しいだろう。
過去10年分の過去問は必要、だがある程度必要な部分がシンプルにまとまっているのが良い、という方向けですかね。個人的な私見だが、施工経験記述の記述例は少しシンプルすぎるかな、というものも散見される。

その他

その他参考書的なテキストとしては、

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これは基本的には地域開発研究所の過去問を持っている方はいらないかなと思います。

資格取得のためのインプットというよりは、調べる際に使用する感じですね。

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これも基本的には資格取得に必要な本ではありません。工事監理者向けに編集されている書籍ですが、今後も施工に携わるうえでの必要な知識が得られます。

施工(躯体や仕上げ)の施工上の留意事項の記述の解答を書く際に私は参照にしています。

 

独学者の施工経験記述の対応

市販のテキストには、施工経験記述の多くの記述例が出ているものもあります。

まあいわゆる汎用的な解答です。ちなみに当サイトの記述例もごく汎用的な内容で、あくまでも本当に凡例レベルです。

施工経験記述の書き方がチンプンカンプンで全く分からない場合、まず模倣から入るという面でも、記述例を参照にするのは悪くありません

ただ模倣から、あくまでも最終的に自分の文章の書き方のコツを習得することが大切です。

あくまでも受検者が実際に経験した工事概要にマッチしている内容である必要がありますし、単純に模倣だけだと、問題の内容が少し変わるとうまく対応出来ない事もあります。

 

  • どうしても自分の文章でうまく記述出来ない。
  • 自分の経験した工事に対して、きっちりハマった内容の記述にしたい。
  • 問題内容に応じてうまく対応出来るようになりたい。

という方は、当サービスの施工県記述添削サービスに取り組んでみませんか。(6月中旬スタート予定)

単に書いた内容を添削して終了ではなく、記述出来るまでサポートを行います。
・まずは自分で文章の論理構成を理解出来るようになる。
・記述した内容を覚えて試験に望むのではなく、応用が効く記述にする。
という部分を大切にしています。

まとめ

本記事は6月14日段階での内容です。

・今後発売される書籍
・既に発売されているけど良いと思った書籍
を今後もこちらにアップデートしていきたいと思います。

 

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