1級建築施工管理技士 第一次検定(学科試験) 過去問の取組み〜第5回 施工管理法(1)

学科試験の過去問の取り組みシリーズの第5回です。今回は施工管理法関連の問題です。これは少し量が多いので2回に分けます。この第5回は主に工程・計画に関するもの、第6回は品質管理や安全管理について取り上げたいと思います。

ネットワーク工程などが出てきますが、このあたりはきっちり押さえておきたいところです。

1.施工管理法〜工期に関する出題

まずは工期とそれに影響するコストに関する出題です。(1)平成28年度(2)平成27年度からの出題です。

(1)建築工事の工期とコストの一般的な関係として、最も不適当なものはどれか。

  1. 最適工期は、直接費と間接費の和が最小となるときの工期である。
  2. 間接費は、工期の短縮に伴って減少する。
  3. 直接費は、工期の短縮に伴って増加する。
  4. 総工事費は、工期に比例して増加する。

(2)突貫工事になると工事原価が急増する原因の記述として、 最も不適当なものはどれか。

  1. 材料の手配が施工量の急増に間に合わず、労務の手待ちを生じること。
  2. 1日の施工量の増加に対応するため、仮設及び機械器具の増設が生じること。
  3. 一交代から二交代へと1日の作業交代数の増加に伴う現場経費が増加すること。
  4. 型枠支保工材など消耗役務材料の使用量が、 施工量に比例して増加すること。

 

工期を短縮するとコストはどうなるのか?最適なコストにするには?という問題はほぼ毎年出題されています。解答は下記の通り。

解答・解説
解答 (1) (2)
解説
(1)④直接費+間接費=総工事費であり、工期に比例して工事費が増加するわけではない。
(2)④型枠支保工材など消耗役務材料の使用量は、その転用回数の減少により増加し工事原価が急増するのであって、施工量に比例するわけではない。
直接費は、工事に直接必要な費用のことで、材料費、労務費(人件費)、直接経費(水道光熱費など)
間接費は、共通仮設費、現場管理費、一般管理費や諸経費など建物には直接残らないもの
この上記の合計が総工事費となる。例えば工期を短縮するために、作業員を多く入れると直接費は増える。

2.施工管理法〜仮設計画に関する出題

2つめは仮設計画に関する問題です。ほぼ毎年出題されていますね。(1)平成27年度(2)平成26年度からの出題。

(1)仮設設備の計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  1. 工事用電気設備のケーブルを直接埋設するので、その深さを、重量物が通過する道路下は1.2m以上とし、埋設表示をすることとした。
  2. 仮設照明用のビニル外装ケーブル (Fケーブル)は、コンクリートスラブに直接打ち込む計画とした。
  3. 工事用の動力負荷は、工程表に基づいた電力量山積みの60% を実負荷とする計画とした。
  4. 仮設の照明設備において、常時就業させる普通作業の作業面照度は、100lx以上とする計画とした。

 

(2)仮設計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。 

  1. 傾斜地に設置した鋼板製仮囲いの下端に生じたすき間は、木製の幅木でふさぐ計画とした。
  2. ゲートに設置するハンガー式門扉は、重量と風圧を軽減するため、上部に網を張る構造とする計画とした。
  3. 作業員詰所は、火災防止や異業種間のコミニケーションが図れ、衛生管理がしやすいように小部屋方式とする計画とした。
  4. 作業員用の仮設便所の男性用小便器の個数は、同時に就業する男性作業員30人以内ごとに1個を設置する計画とした。

 

工事の仮設全般に関わる選択肢が並んでいます。なんとなく正解がわかる問題もありますね。解答は下記の通り。

解答・解説
解答 (1) (2)
解説
(1)④労働安全衛生規則第604条では作業面での照度基準が定められています。
精密な作業 300lx  普通の作業 150lx 粗な作業 70lx   また一般的な事務所などの照度は750lx以上が推奨されています。100lxは誤りとなりますね。(2)③作業員詰所は異業種間のコミュニケーションを図るために、大部屋方式とする計画とした、が正解ですね。これはなんとなくわかるのではないでしょうか。
また事務所衛生基準規則で、男性用大便所の数は作業員60人以内ごとに1個以上小便所の数は作業員30人以内ごとに1個以上と定められています。いずれも過去問に出ていますので覚えておきましょう。

3.施工管理法〜工程計画及び工程管理に関する出題

3つ目は工程計画や工程管理に関係する問題です。これに関してもほぼ毎年出題されています。(1)平成30年度(2)平成27年度からの出題です。

(1)工程計画及び工程管理に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  1. 算出した工期が指定工期を超える場合は、作業日数を短縮するため、クリティカルパス上の作業について、作業方法の変更や作業員の増員等を検討する。
  2. 工程計画の立案には、大別して積上方式と割付方式とがあり、工期が制約されている場合は、割付方式で検討することが多い。
  3. 工事に投入する作業員、 施工機械、 資機材などの量が一定の量を超えないように山崩しを行うと、工期を短縮できる。
  4. 工程計画において、山均しは、作業員、施工機械、資機材などの投入量の均等化を図る場合に用いる。

 

(2)工程計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  1. 工期が指定され、工事内容が比較的容易でまた施工実績や経験が多い工事の場合は、積上方式(順行型) を用いて工程表を作成する。
  2. 工程短縮を図るために行う工区の分割は、各工区の作業数量が同等になるようにする。
  3. 算出した工期が指定工期を超える場合は、作業日数を短縮するため、 クリティカルパス上の作業について、作業方法の変更や作業員増員等を検討する。
  4. 工程表は、休日及び天候などを考慮した実質的な作業可能日数を算出して、暦日換算を行い作成する。

 

山崩しは山均しとほぼ同義語と考えれば(1)はわかります。あとは積上方式と割付方式の違いを理解していきましょう。解答は下記の通り。

解答・解説
解答 (1) (2)
解説
(1)③山崩し(山均し)は資源量(作業員・機材など)を一定の量を超えないように作業を調整して、各作業を平準化するために行うので工期短縮に繋がるわけではない。なので④は正しく③は誤りとなる。

(2)①工期が指定されている場合は、予定工期から逆算して工期を組み込んでいく割付方式(逆行型)で工程を作成する。これは現場経験のある多くの方はほぼ割付方式で作成する方が多いのではないでしょうか。
積上方式(順行型)は工期のスタートからフローチャートに従って作業順序を組み立ていき、それが予定工期内に納まれば余裕のある工程が組めるので理想的なんですけどね。

山崩し(山均し)と工程の積上方式・割付方式はきっちり覚えておきましょう。 

4.施工管理法〜工程表に関する出題

最後は工程表、いわゆるネットワーク工程に関する問題です。実地試験でもここ最近は出題されるようになったので、時間を取って勉強したい分野ですね。(1)平成30年度(2)平成27年度からの出題です。

(1)ネットワーク工程表に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  1. トータルフロートは、当該作業の最遅終了時刻(LFT) から当該作業の最早終了時刻 (EFT) を差し引いて求められる。
  2. ディペンデントフロートは、後続作業のトータルフロートに影響を与えるフロートである。
  3. クリティカルパス以外の作業でも、 フロートを使い切ってしまうとクリティカルパスになる。
  4. フリーフロートは、その作業の中で使い切ってしまうと後続作業のフリーフロートに影響を与える。

 

(2)ネットワーク工程表におけるフロートに関する記述として、 最も不適当なものはどれか。

  1. ディペンデントフロートは、後続作業のトータルフロートに影響を与えるフロートである。
  2. トータルフロートは、フリーフロートからディペンデントフロートを引いたものである。
  3. フリーフロートは、その作業の中で使い切っても後続作業のフロートに全く影響を与えない。
  4. クリティカルパス上の作業以外でも、プロートを使い切ってしまうとクリティカルパスになる。

 

ネットワーク工程のこのタイプの問題は用語の意味と内容をきっちり理解せねばなりません。解答は下記の通り。

解答・解説
解答 (1)④ (2)②
解説
(1)④フリーフロート(余裕時間)・・・作業を最早開始時刻(EFT)で始め、後続する作業を最早開始時間で始めてもなお、まだある余裕時間で後続作業には影響しない(2)トータルフロート(最大余裕時間)・・・作業を最早開始時刻(EST)で始め、最遅終了時刻(LFT)で終わらせる間に存在する作業上の余裕時間のことで、作業の余裕時間として、これ以上消費すると全体の工期が延びてしまう限度となる余裕時間の最大値をいう。
つまり、トータルフロート=最遅終了時刻(LFT)ー最早終了時刻(EFT)   この最遅と最早の差が最大余裕時間ということになります。なのでフリーフロートからディペンデントフロートを引いたものというのは誤りです。
フリーフロートでの日数を堪える問題は実地試験でもここ4年出題されています。ここは理解できるようにしておきたいですね。

5.まとめ

この施工管理法は、1級建築施工管理技士の午後の部で20問出題されて20問全てに回答が必要です。

試験は60問回答して36問正答の必要がありますので、ここの20問は全体の中での大きな比率を占めている重要な分野です。特にここは過去問を繰り返し取り組んで欲しいところでもあります。

この分野で自信を持つことができれば、合格につながるものと思います。少し難しいですが、ネットワーク工程をマスターできるようがんばっていきましょう。
次回は施工管理全般に関する過去問をやりたいと思います。

過去問の取り組み(第1回〜第4回)

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