【2021年】1級建築施工管理技士 第二次検定対策-施工経験記述(施工の合理化)

2021年度の1級建築施工管理技士の第二次検定対策の施工経験記述対策、今回は『施工の合理化』です。

昨年2020年度は『施工の合理化』が出題される可能性が高かったので、上記記事がとてもよく読まれました。

そして予定通り、2020年(実施されたのはコロナの影響で2021年2月)の施工経験記述は『施工の合理化』が出題されました。

 

ということで最新の出題内容が異なるので、今回こちらの記事も品質管理と同様に新たに書き下ろしました。

昨年出題されているので、今年出題される可能性はとても低いです。(絶対ないとは断言できないけど)

 

ただ基本的には3つのテーマは書けるようにしておいた方が良いでしょう。

本記事のポイント

・過去の出題
・出題内容(2020年)
・施工の合理化とは?
・記述例

過去の出題年度

過去10年の出題テーマは下記の表の通りです。

2020年(令和2年) 施工の合理化
2019年(令和元年) 品質管理
2018年(平成30年) 建設副産物
2017年(平成29年) 施工の合理化
2016年(平成28年) 品質管理
2015年(平成27年) 建設副産物
2014年(平成26年) 品質管理
2013年(平成25年) 施工の合理化
2012年(平成24年) 建設副産物
2011年(平成23年) 品質管理

先ほども書いた通り、今年出題されたばかりですね。今までの流れの中で2年連続はないですね。

 

『建設副産物』や『品質管理』ほど重点を置いて学ぶ必要はないかもしれませんが、

発生抑制 →省力化につながる。(施工の合理化)
・プレカット・プレキャスト化 →発生抑制につながる。(建設副産物)
このように『建設副産物』と対にして頭に入れておくと良いでしょう。

出題内容1(令和2年)

問題1, 建築工事の施工者は, 設計図書に基づき,  施工技術力,  マネジメント力等を駆使して,  要求された品質を実現させるとともに,  設定された工期内に工事を完成させることが求められる。 あなたが経験した建築工事のうち,  品質を確保したうえで,  施工の合理化を行った工事を 1 つ 選び,  工事概要を具体的に記述したうえで,  次の 1.及び 2.の問いに答えなさい。 なお,  建築工事とは,  建築基準法に定める建築物に係る工事とし,  建築設備工事を除くものとする。
そして上記に続く実際の問いの内容は、(工事概要の記載部分は省略する)
1,   工事概要であげた工事において,  あなたが実施した現場における労務工数の軽減,  工程の短縮 などの施工の合理化の事例を 2 つあげ,  次の①から④について記述しなさい。 ただし,2つの事例の②から④は,  それぞれ異なる内容を具体的に記述するものとする。
① 工種又は部位等
② 実施した内容と品質確保のための留意事項
③ 実施した内容が施工の合理化となる理由
④ ③の施工の合理化以外に得られた副次的効果
記述が必要な内容は、
  1. 工種名・・・誰でも書けますね。
  2. 実施した内容留意事項(品質確保のため)
  3. 施工の合理化となる理由
  4. 副次的効果

この4つの内容を2つ記述する必要があります。

施工の合理化とは?

昨今の建設業は就労者の高齢化でいわゆる熟練工が不足している状態が続き、多くの工種で施工の合理化工法に取り組む必要があり、今後もいっそうの合理化・機械化・省人化が進むものと思われます。

この技術検定(第二次検定)の施工経験記述における『施工の合理化』に関する考え方は、

・本来ならば設計図書通りの施工をする計画であった。

・何らかの要因・事情があって、『施工の合理化』をする必要があった。

・当然、設計者・発注者の要求する品質を確保する必要はある。

・『施工の合理化』の目的達成(ついでに副次効果もあった)
こういうシナリオを構築する必要があります。
施工の合理化をする必要がある要因とは、例えば、
  • 天候要因で工程が大幅な遅延があり、ある程度の工期短縮の必要があった。
  • 立地的、あるいは近隣条件などさまざまな工事制約があった。
  • 熟練工不足で人員確保が難しい。
  • ある材料がなかなか入手出来ない状況である。

まあ工事を進めていると、さまざまな課題が発生するのはよくあることです。でも工期を後ろに倒せる工事で、そもそも難しい工事があります。

東南アジアに旅に出ると、ホテルの開業予定日に建物がまだ全く完成していない状況を何度も見てきましたが、残念ながら日本はきっちり工期を守りますね(笑)

 

話を戻すと、上記のような様々な要因から、工期短縮・省力化・省人化を図るのが『施工の合理化』です。

具体的には、

  • 工事監理者と協議の上、工法を変更して工期短縮を行う。
  • 現場加工作業をやめて、工場完成品を搬入設置し、現場では搬入組立のみとする。
  • 材料のプレカットを行い、現場での切断加工をやめて発生材抑制にもつなげ省力化を図る。
  • 外壁タイル・バルコニーなどをプレキャスト化を図り、熟練工不足に対応し工期短縮にもつなげる。
  • 新技術の導入などで作業の機械化を行い、省人化を図る。

などが『施工の合理化』の例として考えられます。

 

設計図書が前提で施工を進めるのが施工管理者の大事な役割なので、必要に迫られたからと言って施工者の勝手な判断で『施工の合理化』を進めるわけにはいきません。あくまでも工事監理者や発注者の承認が必要です。

工事監理者や発注者に了解を得るためには、その施工の合理化工法がきっちり品質を確保出来ることが大きなポイントですね。

従来の工法と比べ、美観・性能・耐久性などが担保出来て、なおかつ工期が短縮できるならば了解が得られることが多いでしょう。

 

またその工法を行うことにより、例えば建設副産物の発生が抑制できた、と言った副次的効果があれば言うことはありませんね。

 

こう言った、流れの論理構成を構築しておくと、この『施工の合理化』は完璧です。

施工の合理化の記述例

  1. 工種又は部位等
  2.  実施した内容と品質確保のための留意事項
  3.  実施した内容が施工の合理化となる理由
  4. ③の施工の合理化以外に得られた副次的効果
では具体的な記述例をあげてみます。
記述例-1

① 鋼製建具工事
② 住居共用部の鋼製建具は現場でのOP(油性)塗装の計画だったが、工事監理者の承認を得て、工場焼付塗装仕上げの完成品の納入設置とした。塗装仕上げでの納入だったので、傷をつけないよう建具本体の梱包養生に留意した。
③ 現場でのOP塗装の場合、塗装する手間と塗装後の乾燥期間が必要となってくるが、工場で焼付塗装した建具は現場での仕上げ作業が全く不要となり、塗装工事の省力化と工期短縮につながるため。
④ 共用部全体の鋼製建具は30個以上あり、現場塗装の場合はかなりの養生材が必要だったのが不要となり、大幅な発生材の抑制にもつながった。

記述例-2

① 外壁サイディング工事
② 外壁サイディングの取付がの取付時期が梅雨の時期だったので、現場塗装を工場塗装に変更して現場での塗装作業をなくした。均一な塗膜仕上げとなるよう、工場内の温度及び湿度管理に留意した。
③ 塗装工事が梅雨の時期と重なったおり、工程が長引く恐れがあったが、工場塗装により現場ではサイディングの取付とシーリングのみとなり、工期短縮につながるため。
④ 現場での塗装は足場作業を予定していたが、足場での作業が一つ減ることで、現場での安全性向上にもつながった。

サクッと書いたので、中身は真似しないでくださいね(笑)
でも記述の仕方、文章の流れとしてはこんな感じで記載しておけば、問題ないと思います。(問われたことは全て解答しているという意味で)

過去の出題との比較

過去3回分の問題内容を比較してみましょう。

2020年 2017年 2013年
工種又は部位等 工種又は部位等 工種と部位
実施した内容と品質確保のための留意事項 施工の合理化が必要になった要因実施した内容 合理化を行った目的と実施した内容
実施した内容が施工の合理化となる理由 施工の合理化をするにあたって品質も確保し、なおかつ留意すべき事項について 実施した内容が合理化に結び付く理由
③の施工の合理化以外に得られた副次的効果 施工の合理化につながったと思われる理由 実施した内容が品質を確保できる理由

解答すべき内容は、少しずつ異なっているのが『施工の合理化』の特徴です。

 

例えば、先程の記述例-1は昨年の施工の合理化の記事でも同じネタを使っていますが、問われている内容が異なっているので、記述内容は違います。

・2013年は理由を2回答える必要があり。
・2017年は品質を確保しながらの留意事項を答える必要があり。
・2020年は実施した内容と品質確保の留意事項を一緒に答えるのと、新たに副次的効果が聞かれる出題だった。

ここ昨今の『施工経験記述』は留意事項と副次的効果が問われるパターンが多いように思います。

『副次的効果』とはweblioで調べると、

主な効果に付随して発生する効果、本来の目的として期待されたものではない二次的な影響などを意味する語。例えば禁酒などは健康増進・ダイエットなどを主な目的とすることが多いが、その副次的効果として酒代の節約などを挙げることもできる。

つまりは、目的は『施工の合理化』ですが、それに加えて別の効果があったということですね。

  • 発生材が抑制できた。
  • 車両(費用)などの削減にもつながった。
  • 環境対策にもつながった。
  • 美観も良くなり顧客にも喜ばれた。

などが考えられます。(まだまだありますが)

・施工の合理化で工期短縮もできた。
・品質もちゃんと確保した。
・その上+αの効果があった。
こんな理論構成ですね。
また今回は『施工の合理化が必要になった要因』が聞かれませんでしたが、ここもきっちり押さえておきたいですね。

まとめ

最初にも書いた通り、2020年に出題された『施工の合理化』は2年連続で出題される可能性は高いとは言えません。

ただ、上記を踏まえた基本的事項を押さえておくことは重要です。

例年の問題内容を勘案すると『建設副産物』と文章構成が似ているのと、『施工の合理化』と『発生抑制』は親和性が高いので、きっちり演習をしておくと、『建設副産物』へのヒントにもなります。

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